■銀座・山野楽器とヤマハで、私の著書とCDが大きく展示販売されています■
~ドイツのハウケハック社から近く、私の「チェロ四重奏曲第2部」が出版~
2017.4.19 中村洋子
★昨日は大風が吹き、花の嵐、まるで夏のような暑さでした。
春は穏やかなイメージが強いのですが、
実は、随分と不安定ですね。
★銀座の二つのお店で、
私の著書とCDを、大きく展示販売して頂いております。
銀座・「山野楽器本店」の2F クラシックCD売場では、
私のCD「夏日星」に、以下の立派な解説が添えられています。
★≪『無伴奏チェロ組曲』のSACD盤で、レコード芸術特選盤を獲得した
中村洋子氏による、ギター作品集。
情景描写に優れた『10のデュエット』から楽しく、のどかな愛らしさが香ってくる
『チョコチップクッキー』、風に乗って並んで走る様が爽快な『2台の自転車』と、
冒頭2曲から引き込まれます。
原曲はチェロのために書かれた作品ですが、
爪弾くギターならではの音色がどの楽曲でも活かされています。
『暑くけだるいインドの午後』では、ゆったりとした舞踊を想起させる世界観が
広がっている点も聴き所。
続いて、アルバムの題名にもなっている『夏日星』は10弦ギターのために
書かれた大作で、宮沢賢治の童話『双子の星』に触発されたもの。
全般的に1台のギターが紡ぐ壮大な宇宙のようでもあり、
“個”を見つめる厳粛さもあり、作曲者の『無伴奏チェロ組曲第5番』の原曲
でありながら、また異なる魅力を放つ屹立した佳品。
斎藤明子氏のソロが光っていて、2回登場する『赤目の蠍星』が印象深く、
この作品の核となっているような趣。
『最上川』では、『10のデュエット』同様、
2台のギターが醸す風合と響きが心地良く、川のうねりや囁きが
聴き手の身体に浸透してきます!≫
★曲を大変良く理解され、このような心温まるご紹介文を書いて頂き、
本当にうれしいことです。
★なお、山野楽器本店」3F 輸入楽譜売場では、
私の「無伴奏チェロ組曲 第 1~6番」全6曲と、
「夏日星」の原曲である
「10 Duette fϋr 2 Violoncelli チェロ二重奏のための10の曲集」
(ともに「 Musikverlag Ries & Erler Berlin リース&エアラー社 」)
が、展示販売されています。
★また、銀座・ヤマハ店の3階「楽譜・音楽書売場」では、
「アナリーゼ特集」が開催されており、
私の著書「クラシックの真実は大作曲家の自筆譜にあり」を、
平積みに、置いていただいております。
★この著書につきましては、読まれた方が、それをきっかけに、
作曲家の“生の叫び”とも言える「自筆譜」に、興味をもたれ、
勉強を深められる方が多いと、聞いております。
★例えば、Bach「平均律クラヴィーア曲集」の自筆譜にしましても、
大きな丸で黒々と書かれた全音符を見ますと、
その迫力は、現在の印刷された実用譜から、
決して伝わってきません。
実用譜では、全音符の符頭も、8分音符の符頭も、
同じ大きさに成らざるを得ません。
★自筆譜での、一番分かりやすい例として、
フーガやプレリュードの最後の音符は、全音符であることが多く、
その黒々とした大きな丸を見ますと、どれだけ力強く、
持続する音であるかが、一目で実感できるのです。
★また、Chopinのとても小さな音符で書かれた、
繊細な自筆譜を見ますと(それは、Schumannにも言えますが)、
この大天才がまだまだ若く、「老眼」とは無縁だった、
最盛期を迎えていた頃の作品であった、即ち、
本当に若くして亡くなってしまった、という感慨を、
覚えざるを得ません。
★そのようなことを思っていましたら、
ドイツのDortmund ドルトムントにあります音楽出版社
「Musikverlag Hauke Hack Dortmund ハウケハック社」から、
近く出版されます、私の「チェロ四重奏曲」第2部についての
ゲラ刷りと、それについての細かい質問が、舞い込みました。
★私の「Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
無伴奏チェロ組曲 第 1、2、3、4、5、6番」と、
上記「夏日星」に収録されています二重奏の原曲「チェロ二重奏曲」は、
ベルリン「Musikverlag Ries & Erler Berlin リース&エアラー社」
から、出版されていますが、この「ハウケハック社」からも、
既に、「Regenbogen-Cellotrios 虹のチェロ三重奏曲集」と、
「Zehn Phantasien fϋr Celloquartett(Band1,Nr.1-5)
チェロ四重奏のための10のファンタジー(第1巻、1~5番)」が、
出版されています。
この曲につきましては、ドイツのSchott社のホームページでも
紹介されています。
http://www.schott-musikpaedagogik.de/de_DE/material/instrument/um/current/showarticle,32865.html
https://www.google.co.jp/webhp?nord=1&gws_rd=ssl#q=Hauke+Hack+Yoko+Nakamura&nord=1&start=0&spf=1
★今回の出版は、「Zehn Phantasien fϋr Celloquartett(Band1,Nr.1-5)
チェロ四重奏のための10のファンタジー(第1巻、1~5番)」に続く
「チェロ四重奏曲6~10番」です。
★Dortmund ドルトムントと言いますと、この間、
そのサッカーチームへのテロ事件があり、心を痛めていますが、
クラシック音楽がとても盛んな都市です。
★この「チェロ四重奏曲6~10番」は、2010年の作品ですので、
7年前になります。
きょう送られて来ましたゲラ刷りを眺めますと、
ここで、いつも私が講座や当ブログで問題にしています、
作曲家の意図は、自筆譜にあるのか、初版譜にあるのか、
あるいは、現在の実用譜が最も具現しているのか・・・
という問題が、私自身に降り掛かってきています。
★Hauke Hack ハウケハック社からのゲラ刷りを見ますと、
やはり、現在の私は、二つの点で直したい所が出て来ています。
一つは、当然ですが、単純ミスの訂正、
あるいは、向こうのエディターが提案してきました修正、
具体的には、「このテノール記号をバス記号の方が見やすいのでは?」
などです。
★その修正により、より良いものになりますので、当然、受け入れます。
やっかいなのは、もう一つの“現在の私が7年前の作品を推敲したい”
という気持ちです。
その「推敲」つまり「変更」が、7年前のオリジナルと比べ、
優れたものであるかどうか、この判断は容易にはつけられません。
★そこで、皆さまから講座などでよく頂くご質問、
「自筆譜、初版譜、あるいは現在の実用譜のどれを、
採用すべきでしょうか?」に、行き当たります。
★その回答は、ケースバイケースとしか言いようがないのですが、
勉強方法としましては、取り組まれる曲の「自筆譜」ファクシミリが
あれば、まずは必ず入手します。
さらに、可能な限り「初版譜」とそれに類する譜にも、
目を通し、また、現在の定評ある「ベーレンライター版」、
「ヘンレ版」、「ヴィーン原典版」なども参照する・・・
最低限、これだけのことはするべきでしょう。
★上記の勉強をされた後、やはり、作曲家の自筆譜に則り、
演奏したいという欲求が、“沸々と”湧き上がりましたら、
プログラムにその旨を記載して演奏会を開くことは、
十分可能です。
★“権威ある出版社の楽譜に書かれてあるから、
その通りに弾きます”、しかし、“私は納得がどうもいきません”
と、不本意ながら演奏されるより、よほど説得力のある、
正直な演奏ができるのは、間違いないでしょう。
聴衆がすぐにそれを、感じとり、そして、何よりも、
喜んでいるのは、作曲家本人であろうと、思います。
★ゴールデンウイークも近づいて来ました。
銀ブラの折には、是非、山野楽器とヤマハを訪れ、
手に取って、ご覧になってください。
※copyright © Yoko Nakamura
All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲