徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

夕凪の街 桜の国

2008-03-30 23:49:36 | 映画
 昨年見逃した映画のうち、最も見たかった映画「夕凪の街 桜の国」のDVDがやっとリリースされたので、さっそく借りてきた。ついでに、こうの史代の原作を買って読んだ。わずか94頁の漫画である。しかし、その簡潔なストーリーに込められた意味は限りなく深い。
 話は「夕凪の街」編と「桜の国」編とから成っている。「夕凪の街」編は戦後13年(原作は10年)の頃の一人の被爆女性の物語。そして「桜の国」編は現代に生きる被爆二世の女性の物語。そしてその二つの物語がだんだん重なり合っていく。見ていると「夕凪の街」編がとてもタイトな話で映像的にも惹きつけられるものがあるのに対し、「桜の国」編の方はロードムービー的でとてもゆる~い感じにややギャップを感じざるを得なかった。
 われわれはつい原爆は過去の出来事だと思いがちだが、実は、被爆者にとってもその子や孫にとっても、そしてわれわれ自身にとっても現在進行形の問題なのだという認識を新たにせずにはいられない。その意味においてこういう映画はこれからも作り続けられなければならないと思う。それはさておき、佐々部清監督の映画ってどれも優しい映画だなぁ。


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4 コメント

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Unknown (maya)
2008-03-31 23:24:15
この映画は昨夏観ました。
原爆投下直後の話は今までにも観たり、読んだりしましたが、
これは日本のほかの地域がもう戦争のことより経済復興のことに夢中になっている時代の話なのが印象深かったです。
最後にナナミが自分が生まれてきたことをしっかり受け止めるシーンも素敵でした。
TBと遅まきながらリンクをお願いいたします。
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Re:mayaさん (FUSA)
2008-04-01 08:51:56
「夕凪の街」編の時代、私も小学生でしたが、戦争がもっと長引けば、広島、長崎の次は熊本だったという話をよく聞かされました。真偽のほどはさだかではありませんが、これは原爆のことを他人事だと思うなという教訓だったのだろうと思います。

> TBと遅まきながらリンクをお願いいたします。

こちらこそよろしくお願いいたします。
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監督 (kimion20002000)
2008-04-03 23:37:44
TBありがとう。
佐々部監督は、良くも悪くもデヴュー作以来、とてもヒューマニズムにあふれた作品を描いていますね。
必ず、差別される側の問題を、主題としています。
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Re:監督 (FUSA)
2008-04-04 12:31:46
コメントありがとうございます!
佐々部監督は好きな監督の一人ですが、人権問題を描く映画にありがちな、変な臭さがないところが好きです。
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