
「発展途上国」という言葉には非常に違和感がある。
我々、欧米や日本は「先進国」であって、“市場化”“近代化”の遅れた国々は、「現在、発展の途上にある」というわけだ。「我々が介入して遅れた国を発展させてあげよう」という口実で、グローバルスタンダードを押し付けていっているわけであるが、彼ら現地の人々(欧米の傀儡や太鼓持ち連中を除いた、その土地で普通に生活する人々)が近代化や市場化を本当に望んでいるのか考えたことがあるのだろうか? よくもまあそこまで思い上がれるものだとあきれるばかりである。
実際に過去、欧米列強諸国は、世界中を侵略し植民地化してきたが、現在でも“発展途上国”を搾取の対象=食い物にしているのは変わらない。
メディアはこぞってW杯開催地の南アフリカの成長をもてはやしているが、差別も貧困もまるで無くなっていない(ひどくなっている)。アフリカンドリームなど欺瞞にすぎないのは明らかである。続きを読む前にクリックで応援おねがい!
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日本が幕末(1858年)に結ばされた日米修好通商条約などの安政の5か国条約は,相手国の治外法権(領事裁判権)をみとめ,日本に関税自主権がないという不平等条約だった。
日本は、それらの条約を撤回させるため、必死で帝国主義国家のモノマネをしてアジアに侵略し、そこから搾取して国力を高めなくてはならなかった(そうしなければ自分達が一方的に搾取されるだけだったからである)。
しかし、不平等条約が表立って結べなくなった欧米諸国は、「貿易の自由化」などと称して、他国に関税自主権を放棄させる事をWTOなるものを通じて、半強制している。
途上国が飢餓にあえいでいる原因の一つは、この貿易の自由化、WTOなのである。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=191276
現在、世界の貿易や途上国の開発を司る、WTOとかIBRDとかIMFとかいう様々な組織があるが、いかにも「公平」で「平等」で「自由」…みたいな顔をしているが、その実は「先進国」の利益を代表しているているにすぎない。キレイごとの観念で虚飾しながら、現実には相変わらず途上国は不利な条件を押し付けられ、搾取されつづけている。
http://blog.new-agriculture.net/blog/2007/03/000210.html
(参照:新しい農のかたち~「途上国はなぜ飢えるのか」Blog 報道写真家から)
「途上国の問題は、自分たち先進国には関係の無い問題だ」
「君たちが貧困なのは、君たちの問題であって我々の問題ではない」
そんなことを言ったとしたら、欧米をはじめとする「先進国」と呼ばれる国々による搾取によって貧困状態に置かれている途上国の人々はどう感じるだろうか。
「足を踏んでいる人間には、足を踏まれた人間の痛みは分らない」…とはよく言ったものである。
不平等条約を結ばされ、欧米諸国により搾取された経験を持ち(実は現在でも搾取さえているのだが…)、共同体を壊されやむを得ず近代化の道を進まされ、現在、世界で最初に市場システムの限界を迎えている日本は、まさに、
>それに替わるシステムを市場を超えたところで考えなければならない(31466 森氏)
の通り、搾取と貧困、環境破壊と精神破壊を無限に推し進める「市場システム」を超える新たな社会統合システムを構築し、それをもって世界を主導していくという重要な役割を“当事者として”担っていかなくてはならないのではないだろうか。
Yukinoさんのブログ、とても勉強になります。
ブックマークさせていただきました。
WTOについては、このブログがもっともなこと書いています。
http://blog.new-agriculture.net/blog/2008/10/000671.html
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☆WTOとは
WTOとはグローバリズムを強力に推進する国際機関である。
ガットを発展させ誕生したこの機関は、国の情勢や経済力や文化など一切考慮せず、ただひたすらに貿易障害を取り除き、多国籍企業が自由に貿易できる基盤を作り出す。
WTOで定まったルールは国際法として優先され、それによって国内法も変えざるを得ない強制力をもつことになった。
さらにWTOの最大の武器は「紛争解決手続き」にある。いわば世界の裁判所であり、WTO設立後300件もの紛争処理を行っている。
WTOのパネル委員、及び7名からなる上級委員は、主に先進国から選出され、関係国の口を挟む余地もなく、密室空間で強行に採決された裁定が調停国に通達される。
☆先進国主導の不公平な経済
今や、貿易の自由化は工業生産品ばかりでなく、サービス産業や知的所有権、さらに国民の生命を支える食糧にまで対象は拡大している。
途上国にとって不公平な補助金の存続など先進国優位な条件がグローバリズムを大義名分にまかりとおるばかりでなく、発がん性の疑いのあるホルモン注射された牛肉や、遺伝子組み換え植物など生命の危険リスクのあるものさえ自由化の下に輸入拒否できないのが貿易の実態なのである。
アメリカは長い年月をかけて先進国の豊かな生活はすばらしいと洗脳し、世界の人々をお金が無いと生きていけない消費者に作り変え、食の洋食化を奨め、飼料を含む穀物需要の増大を図った。
さらに、農業輸出国である途上国にとって貿易の自由化はメリットがあると信じ込ませ貿易障害を取り除いた。
農業を国際競争にさらした上で、自ら生産する穀物は不足支払いという補助金をつけて安価に設定し、価格競争で圧倒し、世界の食糧供給をほぼ独占支配した。
その上で、穀物市場に投機資金を流し込み食糧を高騰させたのである。
こうして、ほとんど嵌められたに近い途上国の貧困層は飢餓にあえいでいる。