各紙特集を組み、「これから時代はやっぱしアフリカだよね」という空気を醸成しようというあからさまな意図を感じる。
ここ数年、ほぼ毎日のように新聞をチェックしてきたが、これほどまでに「アフリカ」が話題になったことなんてかつてなかった。
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この「アフリカ礼賛」に関して、天木直人のブログにこんな事が書かれている。
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今度のアフリカ開発会議で日本は何を目指しているのか。
それについては、すでに多くの報道がなされている。
アフリカへの経済開発援助(ODA)を増やし国際貢献する日本の姿勢を示す、
アフリカの資源確保のための資源外交を行う、
国連安保理常任理事国入りを狙ってアフリカ票を獲得する、
環境サミットを控え議長国としてアフリカの協力を取り付ける、
中国に負けないよう日本もアフリカ外交を強化する、などである。
それらは嘘ではない。アフリカ外交を進めるための一般的な理屈づけである。
しかし、それらの多くは、すでに言い古されてきたアフリカ外交の位置づけだ。私がアフリカ課長をしていた80年代から、そういわれ続けていた。もっとも中国との競争や、アフリカ諸国との環境外交などは、当時は無かったけれど。
問題は、それらの目的が、なぜ今までのアフリカ外交で達成されていなかったのか、ということだ。
それを、今度のアフリカ開発会議ですべて達成される筈はない。
そもそもアフリカ諸国の窮状は、英仏をはじめとした欧州列強の植民地政策の落し物である。
そして今でもアフリカ諸国の大部分は旧宗主国との結びつきが大きい。
アフリカ問題の解決は、一義的には旧宗主国である彼らの責任なのである。
日本がそれに協力する事はもちろん結構なことだ。しかし、日本が単独でそれを行うには問題が大きすぎるし、また日本一国でなしうる事業ではない。
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実にもっともである。
アフリカがずっと「暗黒大陸」と呼ばれ長期低迷した状況にあったのは、過去に旧宗主国が搾取し尽くしたせいであり、彼らが支配するために民族対立を煽ったせいであり、独立後もさらに「援助したる」と称して新たに乗り込んできた国々がさらなる収奪を繰り返してきたせいである。
追記:2008/06/06:当ブログのエントリー「ケニア暴動の根はイギリス植民地時代に刻印されていた」に寄せていただいた、いんきょさんのコメントより
米国国家安全保障会議議事録録-46 (Exhibit 10 of U.S. Supreme Court Case No.00-9587)には、
「CIAの極秘特殊作戦を行うことによって、アフリカ黒人の間に不信感や敵意をもたせ、アメリカとその友好国の思惑に反対する国家の指導者や、そのグループに分裂を引き起こさせなければならない」といったことが、はっきりと書かれています!
もちろんこれは、機密解除になった公けにしてもさほど問題のない?ごく一部の文書に過ぎず、秘密のままにされてる文書にはおそらくもっと強烈なことなども書かれてるんじゃないかと思われます。
ってな具合に、自らの手でボロボロにしておきながら、掌を返すように、世銀を使ってアフリカを「投資のニューフロンティア」であるかのように持ち上げるのは、日本に資本投資させてケツを拭かせるためなのではないのだろうか。
世銀総裁のゼーリックまでが出てきて、「次の投資先はアフリカですよ」というプロパガンダに余念がない。
白い肌をした彫りの深い連中がまたアフリカにこぞって乗り込んでいったら、さんざん暴虐を働かれた黒人は警戒するので、中国人に対抗心を燃やしてる黄色い日本人にインフラ整備まではやらせればいい、なんて意図が透けて見えてくる。
しかし、今更アフリカを投資のフロンティアと見立てるとは、いったいどう意図なのだろうか?
アメリカでは、ダブついた資金の投資先が無くなったもんだから、信用力の低い対象(主に黒人)に高金利(最初の数年だけ低金利)で貸し出す商品「サブプライムローン」がつくられた。
同様の流れ(つまり信用力の低い対象を幻想化して投機マネーを雪崩れ込ませる)が世界規模で起こっているのではないだろうか。
現状がもっとも劣悪で、発展した時の幻想をもっともかき立てられる「アフリカ」が、次なるターゲットというわけだ。
もしそうだとすると、次はどうなるか?
世界中のダブついた投資マネーが一挙に流れ込み、バブル化し、それが必然的に崩壊を起こすだろう。そのプロセスで大もうけするのは当然プロの金融資本家たちだけである。
そして今回も投資させられる日本の馬●な素人投資家はまるごと財産を持っていかれ、アフリカ政府や一般大衆は結果的にますますボロボロにされることになる。旧宗主国とアメリカによって、アフリカはずっとそんな目に遭わされ続けてきたのだが、今回も駄目押しということになるだろう。
やれ、「食糧危機を救う」だ、「温暖化対策のための技術移転」だ、という欺瞞のオブラートに包んでいるが、日本もアフリカの資源がのどから手が出るほど欲しいだけに、まんまとこの罠にはまってしまうのだろう。
世銀も政治家もマスコミも、こぞってアフリカを持ち上げている現状を見ると、そんな暗い想像をしてしまう。もっとアフリカをそっとしておいてやれないものか。敬愛する素晴らしい人々が暮らす大陸が、また連中の金儲け戦略でひどい目に遭うかと思うととても苦しくなる。
※画像は、私の敬愛するガーナの打楽器奏者カクラバ・ロビ氏より。
ここまで読まれた方はまさか誤解する方はいないと思うが、タイトルに「暗黒大陸」と書いたが、私はアフリカには特別な想いを持っている。