亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

過去4年連続で12月の利上げに見舞われた金市場、今回は利下げ中断

2019年12月10日 15時00分54秒 | 金市場
週明け12月9日のNY市場の金価格は、狭いレンジ内取引の小動き。本日からのFOMC(米連邦準備理事会)はじめ15日の関税発動期限までECBや英選挙とイベントが並ぶ中で様子見の市場でほぼ前日水準の1464.90ドルで取引終了。

本日10日から2日間の日程で開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)。すでに10月の会合終了後から11月下旬に至るまでパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演や議会証言にて示唆しているように、「予防的な利下げ」は過去3会合にて終了しており、今会合での利下げは見送りが織り込み済みとなっている。先週末の雇用統計での就業者数増加の上振れも、この見通しを後押しする内容となった。2015年以降、過去4年にわたり12月のFOMCでは利上げが行われてきた。つまり金市場にはネガティブな政策変更が行われてきた。今回は「利下げの中断」ということで、ここまで吹いてきたフォローの風(tail wind)が止むことになる。もっとも、だからと言って直ぐに利上げ方向の流れが始まるわけでなく、向かい風(head wind)が吹くわけでもない。環境としては、ゴルディロックス(適温経済)下の株高をどこまで延命させられるか見ものではある。

この数年、重要な政策変更は傾向的に12月に行われてきた経緯がある。今年から議長による記者会見は毎会合開かれることになったが、昨年までは3、6、9、12月のFOMCに限られており、重要な政策変更はこの4会合で実施されてきた。声明文のみならずドット・プロット(ドットチャート)に示される金利など経済予想が発表され、さらに市場への説明の機会(記者会見)があったことによる。特に12月は、翌1月にはNY連銀を除いた11行の連銀総裁のうち4名いる投票権者が入れ替わるタイミングでもある。

金価格と過去4年いずれも「利上げ」となった12月のFOMCの関係を見ると、FOMC前の3週間以内、多くは当日あるいは翌日に金価格は直近の安値を付けてきた。いずれも「利上げ」という政策判断が金には売り材料になることによるが、興味深いのは年末の価格はその水準を4回ともに上回っていること。

金にとってはネガティブな政策変更が予想される際に事前に織り込みが進み売られるケース。あるいは想定以上のタカ派イメージの結果の場合は当日、あるいは翌日に売り直しされ安値を付けるケース。いずれもその後、いわゆるイベント通過、材料出尽くしとなり反転という反応をしてきた。今回の場合、ジョンソン首相率いる保守党の優勢が伝えられる英国の総選挙、ラガルド新総裁による初のECB政策理事会、12月15日が期限の米国による(1560憶ドル相当の)中国製品への追加関税発動問題が、変数として乗っている。これらの結果がどうなるか。仮に既存の関税の撤廃にまで踏み混んだ米中合意が成ると、金の下値はさらに深まる可能性がありそうだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12月13日セミナー最終告知 | トップ | 南ア電力供給障害でプラチナ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事