亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米CPI受けNY金続伸も上値重し

2023年11月15日 17時21分03秒 | 金市場

11月14日のNY金は続伸。朝方発表された10月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが予想以上に鈍化しインフレの一段の鎮静化を示した。FRBの利上げ局面が終了したとの見方が急速に広がり、NY金は長期金利急落を受け一時1975.30ドルまで買われて1966.50ドルで終了。前日比16.30ドル高。

上値の重さは、前週末発表のファンドのポジションが思ったほどには減っておらず、上値に売りが控えていることがありそうだ。

 

注目の10月CPIは、総合指数が前月比で0.1%上昇の予想に対して横ばいとなった。前月比横ばいとなったのは1年超ぶりで前月は0.4%上昇していた。家賃の上昇は続いたものの、ガソリン価格が下落した。ガソリンは前月比5%下落と、9月の2.1%上昇からマイナスに転じた。総合指数は、前年同月比では3.2%上昇で伸びは前月の3.7%から縮小し、市場予想の3.3%も下回った。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数(コアCPI)は前年同月比4.0%上昇と、伸びは前月の4.1%から鈍化し、2021年9月以来の小幅な伸びにとどまった。予想は4.1%上昇となっていた。

このところ問題のサービス価格は全体で0.3%上昇。9月は0.6%上昇だった。コアサービスも0.3%上昇。こちらも9月は0.6%上昇だった。基調的なインフレにも鈍化の兆しが出ていることから、年内の利上げはないとの見方とともに利上げ局面は終了したとの見方を裏付ける結果となった。さらに来年上半期中の利下げ観測も強まった。

 

結果を受けて長期金利が大幅に低下し(価格は急伸)、一時は4.422%と9月下旬以来の低水準を付け、4.445%で終了した。前日比0.191%低下は1日としては3月以降で最大。

10年債利回りの上昇は年初来のドル高の背景となってきたが、大幅低下で主要通貨に対するドル売りが広がった。報じられたようにドル円は7営業日ぶりに大幅に反落し(円高)、前日比1.3円安の150.35円で終了。ユーロも対ドルで大幅に続伸し、一時は1.0887ドルと8月下旬以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。

ユーロの上昇はドル指数(DXY)を押し下げる。こちらは1.49%安の104.053で終了。1日の下落率としては、2022年11月11日以来(108.206⇒106.292、1.76%)で最大となった。

NY金は10月の米小売売上高待ち。

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