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“わからない。つまらない。眠い”
そう言われ続ける伝統芸能を、
“わかった。面白かった。感動した”
見事に転換した”スーパー歌舞伎”の第一作
ヤマトタケル降臨っ!
スーパー歌舞伎
三代猿之助 四十八撰の内 ヤマトタケル
新橋演舞場
2012年6月12日(火)
3階2列センター
2012年6月19日(火)
3階1列上手
2012年6月24日(日)
3階2列センター
口上と祝幕で客席の熱気はもうムンムン♪
場内真っ暗って…歌舞伎っぽくないよねぇ♪
第1幕
暗転の中、雅な音楽。
大きな地球がぽっかり浮かぶぅ。
いつの間にか、アンモナイトが地球と共に浮かんでいる。
第一場 大和の国 - 聖宮
最後の幕が上がって舞台が見えてくると…
全員背中を向けている。
盆がゆっくり回って顔が除々に見えてきて、
それと共に、中央セリが上がって帝達が登場。
キャ~!!皇后だぁああ。門之助だぁあ。
「おはようございます」
この、老大臣(寿猿)の第一声が大好き♪
さぁ、麗しくも悲しい物語の始まり…。
帝(中車)は、お気に入りの大唯命(おおうすのみこと)の
顔が見えないからって朝から御冠!
香川照之…じゃなかった中車。
舞台っていうより映像の人だから大変だろうなぁ…。
ウ~ム…。歌舞伎の台詞は難しいよね。
でも、スーパー歌舞伎は昭和の作品だから、
もそっとやり易いんだろうと思っていたんだけど。
私が観てきた帝は金田龍之介と市川猿弥。
まあこの人達と比較しても始まらないかぁ。
しかも日を追う毎に、声がドンドン枯れてきてしもうて…。
最前のセリの中から、
駆け上がってきたのは、主人公だー!
亀ちゃん…じゃなかった猿之助だぁああ!!
この舞台装置の使い方だけで、もうウッハウハぁ。
さすがスーパー歌舞伎だぁあ。
第二場 大唯命の家
時の帝(すめらみこと)には、双子の皇子がいた。
兄の名は大唯命(おおうすのみこと)。
虎の様に凶暴。
弟は小唯命(おうすのみこと)。
猫の様におとなしい。
兄は、帝のものになるはずの橘姫姉妹を、
自分のものにしてしまったぁ。
姉だけじゃ飽き足らず、
妹(春猿)にもチョッカイだそうとしてるし。
「姉も好きだが、お前の方がもっと好きだ」
場内爆笑~!
「熟れた実もいいが、青い実もまた味わいたいもの」
「コラコラァア!」
そこへ姉(笑也)が出てきて、ギリギリセーフ。
兄が言うには
「父上は我らを殺そうとしている。だから先手を打つ」
陰謀を止める弟、拒む兄。
皇后の狙い通りか、ふとした事で揉み合って、
掴み合って、グサリ…。兄がバーッタリ倒れちゃう。
ここんとこの”早替わり”はお約束♪
連続技なのに難無くやっちゃいまぁす。最後はたった数秒!!
嗚呼これを亀ちゃん…じゃなかった猿之助が演ってるんだぁ。
第三場 元の聖宮
小唯命は兄の企みを隠したまま、こう報告した。
「兄上を絡めとって、手足をもぎ取り、
薦(こも=むしろ)に包(くる)んで川に捨てました」
この台詞、なんでか好き♪
右近が言ってくれると、とっても好き♪だったんだよ。
言いたくないことを思い切ってバ~ン!と言っちゃいましたぁ。
って感じで。
でも、亀ちゃん…じゃなかった猿之助(も~ええって!)は、
こう、なんちゅうか、悪いことしてごめんなさい。
って感じかなぁ。
帝はカンカン!
「わしのカワイイ日継(ひつぎ)の皇子(皇太子)をよくもっ」
老大臣の命乞いでどーにかこーにか首は繋がったけど、
敷島の大和の国に服(まつろ)わぬ民、
最果ての熊襲の征伐に行かされることに…。
第四場 明石の浜
供もいない孤独な行軍途中の明石の浜。
重い雲が垂れ込める暗い浜辺。鳴り物が奏でる浪の音。
橘姉妹の姉・兄橘姫(えたちばなひめ)が
「大唯命様の仇っ」つうて追いかけてきた。
小唯命は熊襲へ行けば命はない。
そう思っているわけだし…も~いっそ!
彼女の手にかかって…「殺してくれ」と嘆願。
浪音と琵琶、そうして主題曲が、
2人の心に合わせて交互に奏でられー。
「あの方と同じ顔だし。もっとお優しぃし。きっと帰ってきてねぇ」
笑也ったら相変わらず心変わり早っ。
小唯命と兄橘姫のキスシーン!!
こんなことが歌舞伎でっ!!改めて観るとなんちゅうか…
ヅカチックぅぅうう♪
だってこの2人男同士だし。
この愛の表現の形って、
歌舞伎でやってもやっぱりドキドキするんだな♪
老大臣と小唯命の叔母・倭姫(やまとひめ)(笑三郎)
&弟橘姫(おとたちばなひめ)もお見送り。
笑三郎と春猿。適材適所♪イイ配置♪
タケルに手を振りながら
セリ下がりってのがまた憎いねコンチクショぉ。
雲の隙間から光が射すと共に、
「俺は1人じゃな~い!!」タケルは勇気付けられて再出発。
第五場 熊襲の国 - タケルの新宮
キター!!熊襲!!この場面大好き♪
王は兄タケル(弥十郎)と弟タケル(猿弥)の二人。
音楽も南国風♪そのリズムは、まさにリンボーダンス!
♪エッホ。エッホ。エッホッホ~♪
おりしも宮殿完成を祝う宴の真っ最中。
ドンチャンやってる!やってる!
いつものことですが、また言っていいですか。
「一緒に酒盛りがしてぇええ!!」
兄弟の衣装が凄いですばい。
2人が歩くと裾を持つ介添人がピラァっと広げるんだよね。
何気にぶっ返りぃいいいい!!
それがまた、
おくちアングリなゴージャスさに拍車をかけちゃって♪
なんてったって、後ろを向くと超ビッグな”カニ”と”タコ”!!
この派手派手しさは、
”宝塚のスパンコール攻め”もかないまっしぇん。
出演者全員の衣装が豪華絢爛!!
薔薇・藤・蓮など各種の花々。
海老・蝙蝠・蝶・龍・魚・孔雀・雲・稲光etc。
何度観てもクラクラするぅぅうう♪♪
色と形象が綾なす、頭のテッペンから爪先までの洪水は、
ラストまで怒涛の攻めを繰り返し、脳内から離れなぁい。
特に今回ズームインじちゃったのが、女性の頭っ。
重そう…じゃなくって、キラキラキリ~ン♪
衣装デザインは毛利臣男!アッパレじゃっっ!!
”熊襲反(そむ)きて朝貢(みつきたてまつ)らず”
タケルは女装して大和の踊り子に変~身!
亀ちゃん…じゃなかった猿之助は美しい♪
想像してた通りだわぁあああ♪
36歳だからほっそりしてるけど、
これが20年後だったりしたら、ブヨっとしてんのかなぁ…。
今は考えるのや~めとこっとぉ(コラコラ)
まんまと敵のド真ん中へ!
「大和の女を食べたいのだ」
「兄じゃより俺の方が年が若い」いいぞ!猿弥!
女装タケルと熊襲兄弟のだんまりだぁああ♪
美しい女には棘があるのよぉ。
嗚呼ァ。兄じゃが刃にかかったぁあああ。
民衆の男女・兵士入り乱れる中、
館はドンドン崩れて行くぅぅううう!!
ウキャキャキャ~♪
ツケ打ちも、打って打って打ちまくり!
楽器と曲調がドンドン変化するする。
酒樽を転がす、投げる、ぶつかる、飛び越える、蹴飛ばすぅぅ。
ウキャキャキャ~♪
この一連のシーンは手に汗握るっ。大好きだぁあ♪
見得切ってる切ってるー!
超!特大!大立回りの末、今まさに弟をも殺さんと…。
「大和の政に馴染めずこの国を築いた。
国中で最も強い我らを倒したお前は勇者に相応しい。
自分の名前である”タケル”を名乗って欲しい」
弟はそう称えて死んで行く。
ここに最強の勇者『ヤマトタケル』が誕生した。
廃墟になった館の後ろから、
真っ赤っか~の太陽。日の本の国ってことね。
ババーンッッッと浮かぶ…。
ああ、もうダメ。悶絶っぅぅぅ。
主題曲が頭から離れな~い。アドレナリン沸騰!!
スーパー歌舞伎モードスイッチON!!
スタッフ&キャストの皆さん、2ヶ月目に入りましたが
くれぐれも、怪我や事故などありませんよう…。
でもって毎日客席を沸かせて!泣かせて!くだっせぇ。
→ つづく
平成24年6月5日~29日、7月4日~29日
新橋演舞場
小碓命後にヤマトタケル/大碓命 亀治郎改め猿之助
帝 中車
タケヒコ 右近
ワカタケル 初舞台 團子
兄橘姫/みやず姫 笑也
弟橘姫 春猿
老大臣 寿猿
ヘタルベ 弘太郎
帝の使者 月乃助
倭姫 笑三郎
熊襲弟タケル/ヤイラム 猿弥
尾張の国造 竹三郎
皇后/姥神 門之助
熊襲兄タケル/山神 弥十郎
ヤマトタケル 一幕 二幕 三幕 (2012.7.6~8記)
また台風!しかもヤマトタケルで! (2012.6.23記)
襲名するということ (2012.6.20記)
ヤマトタケル 衝撃の祝幕 (2012.6.15記)
ヤマトタケルに魂抜かれたぁあああ!! (2012.6.14記)
澤瀉屋襲名披露 7月チケットも大旋風!! (2012.6.12記)
澤瀉屋襲名披露6月チケット大旋風!! (2012.5.12記)
戯曲 ヤマトタケル 梅原猛 (2008.3.26記)
飛翔再び ヤマトタケル (2008.3.6記)
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