その部屋はテーブルとパイプ椅子だけがだけが置いてあり、ほかには」ホワイトボードがあるだけの、がらんとした殺風景な部屋だった。シバタはパイプ椅子に座り、私たちもシバタの対面の椅子に座った。
「ミツヤさん、あのサンタという少年は何者なんですか?」
まず、シバタが私に聞いた。私はサンタと先生のいる大学で出会ったことを話した。そして、ヨウコさんの死のこと、掲示板のこと、ヨウコさんの職場のこと、そして、サンタが掲示板のログを入手したことを話した。
シバタは黙って、私の話を聞いていた。私がひととおり話し終えると、シバタは言った。
「サンタが掲示板のログを入手したというのは本当なんですか?」
私はズボンの後ポケットに折りたたんでいた掲示板のログを印刷した用紙をシバタに見せた。これはクワタ刑事にも見せたものだった。
シバタはしばらくそのログを見ていた。
「この掲示板をヨウコさんもトモミさんも見ていたわけですね。ミツヤさん、あなたは見ましたか?」
私が見たときは既に掲示板は削除されていたこと、そして今はサイト自体がなくなっていることを告げた。
「なるほど、サンタ君からも聞きましたが、掲示板もサイトもなかったので、我々としても、本当にそんなものがあったのか、少し疑っていました。一応、山梨県警にも生活安全係というものがあって、このような特定の人を非難・中傷する行為は取り締まっています。今、この掲示板について調査を進めているところです」
シバタはそう言って、紺の上着を脱ぎ、丁寧に折りたたんで、となりの椅子の上に置いた。
「しかし、ミツヤさん、こういうことはまず警察に連絡すべきではないですか?」
私はぎくりとした。確かに警察にそのような組織があることは何となく知っていた。
「でも、ミツヤさんが見たときは、既に掲示版は削除されてたんだから、内容がわからなかった。連絡しようがないじゃん。削除されていた掲示版のことを警察に言っても何も動いてくれないでしょ」
クワタ刑事が私を援護するような発言をした。シバタはクワタ刑事の方に鋭い視線を向けていた。
「それは-、それはそうかもしれませんが-」
シバタは言葉を濁した。
「それより、サンタは何故トモミさんが樹海にいると分かったのでしょうか?」
私は一番聞きたかった質問をした。
「それですが、サンタはトモミさんのブログを見て、彼女が樹海に行くことを知ったと言っています」
トモミさんのブログ-?
そんなものがあったことは、私はまったく知らなかった。
「ミツヤさん、あのサンタという少年は何者なんですか?」
まず、シバタが私に聞いた。私はサンタと先生のいる大学で出会ったことを話した。そして、ヨウコさんの死のこと、掲示板のこと、ヨウコさんの職場のこと、そして、サンタが掲示板のログを入手したことを話した。
シバタは黙って、私の話を聞いていた。私がひととおり話し終えると、シバタは言った。
「サンタが掲示板のログを入手したというのは本当なんですか?」
私はズボンの後ポケットに折りたたんでいた掲示板のログを印刷した用紙をシバタに見せた。これはクワタ刑事にも見せたものだった。
シバタはしばらくそのログを見ていた。
「この掲示板をヨウコさんもトモミさんも見ていたわけですね。ミツヤさん、あなたは見ましたか?」
私が見たときは既に掲示板は削除されていたこと、そして今はサイト自体がなくなっていることを告げた。
「なるほど、サンタ君からも聞きましたが、掲示板もサイトもなかったので、我々としても、本当にそんなものがあったのか、少し疑っていました。一応、山梨県警にも生活安全係というものがあって、このような特定の人を非難・中傷する行為は取り締まっています。今、この掲示板について調査を進めているところです」
シバタはそう言って、紺の上着を脱ぎ、丁寧に折りたたんで、となりの椅子の上に置いた。
「しかし、ミツヤさん、こういうことはまず警察に連絡すべきではないですか?」
私はぎくりとした。確かに警察にそのような組織があることは何となく知っていた。
「でも、ミツヤさんが見たときは、既に掲示版は削除されてたんだから、内容がわからなかった。連絡しようがないじゃん。削除されていた掲示版のことを警察に言っても何も動いてくれないでしょ」
クワタ刑事が私を援護するような発言をした。シバタはクワタ刑事の方に鋭い視線を向けていた。
「それは-、それはそうかもしれませんが-」
シバタは言葉を濁した。
「それより、サンタは何故トモミさんが樹海にいると分かったのでしょうか?」
私は一番聞きたかった質問をした。
「それですが、サンタはトモミさんのブログを見て、彼女が樹海に行くことを知ったと言っています」
トモミさんのブログ-?
そんなものがあったことは、私はまったく知らなかった。