今日、最高裁判所で、光市母子殺人事件の二審判決・無期懲役が棄却されました。それによって、当時18歳だった被告に、死刑の断罪が下される可能性が。
事件発生当時から、私も成り行きを深刻に見守っていました。
何の罪もない善良で幸せだった若い母親と、いたいけな無垢な赤ちゃんが、自分勝手な汚らしい劣情にかられた見も知らぬ少年に惨殺された、筆舌に尽くしがたい悲劇。彼女たちが受けた恐怖と屈辱は、本当に想像を絶します。忌まわしい犯人への憎悪は、濃くなることはあっても薄まることはありません。
赦されざる鬼畜の所業に及んだ被告人に、もう人権も償うすべもありません。
こんな卑劣なケダモノが赦される(生かされる)世の中、赦したいと思うことができる人たちが、空恐ろしいです。
女性と赤ん坊を強姦して殺しても、18歳だから刑務所に何年か入れられるだけで、罪が帳消しになるという不条理な判例が作られませんように。そして無駄に裁判が長引かぬよう、被害者のご冥福とともに、心から祈ります。
「アイリス」
アルツハイマー病患者となった英国の作家アイリスと、彼女を献身的に支える夫の、哀しくも美しい夫婦愛物語。
私の祖母も、頭の中の消しゴム状態なので、見ていて身につまされました。本人も哀れだけど、周囲の人たちの苦労、困惑も悲痛です。
記憶は失っても、性格や本質は消えない。むしろ、理性があるうちは抑制できていた本性や本音を露わにしてしまうところが、恐ろしく、哀しい病気です。うちの祖母も、家族を困らせ傷つける言動の毎日。病気のせいとはいえ、私たちも聖人ではないので、優しさや憐れみを感じることも、いたわる気持ちを抱くことも難しい時があります。ボケても、虚栄心や自尊心は、消えないのが因業...
なので、アイリスよりも、彼女の夫の苦しみと悲しみに、より深い同情を感じました。彼の深い無償の愛と献身は、本当に切なく、そして崇高です。でも、アイリスは壊れても、元々美しい自由な心の持ち主だったおかげで、夫や周囲の人を傷つけたり、俗な欲に執着して醜く朽ちなかったのが、まだしも救い。
アイリス役のジュディ・デンチは、さすがの名演。ほんと、うちの祖母も、あんな表情してるし、リアルでした。賢く自尊心が高い人ほど、ボケも無残...
夫役のジム・ブロードベント、アカデミー助演男優賞受賞も納得。常に愛情あふれた、でも悲しみを滲ませた笑顔が、哀切です。若い時代を演じた俳優が、ブロードベントそっくり!本人?!それとも実の息子!?
いちばん強烈なのは、やはりアイリスの若い時代を演じた、ケイト・ウィンスレット!ヌードも、ぜんぜんイヤらしくなく、アイリスの若い生命力と情熱を、力強く表現しています。それに引きかえ、日本には...同業者といってはケイトに失礼な、単にキレイで可愛いだけの“自称女優の女性タレント”ばかり...
盛りの輝きと、終わりの寂寞。人生の光と影を交互に見ているような、デンチとケイトが交錯する構成が印象的です。
記憶や健康を失っても、愛情や尊厳は失いたくない...心から、そう願わずにいられません。
事件発生当時から、私も成り行きを深刻に見守っていました。
何の罪もない善良で幸せだった若い母親と、いたいけな無垢な赤ちゃんが、自分勝手な汚らしい劣情にかられた見も知らぬ少年に惨殺された、筆舌に尽くしがたい悲劇。彼女たちが受けた恐怖と屈辱は、本当に想像を絶します。忌まわしい犯人への憎悪は、濃くなることはあっても薄まることはありません。
赦されざる鬼畜の所業に及んだ被告人に、もう人権も償うすべもありません。
こんな卑劣なケダモノが赦される(生かされる)世の中、赦したいと思うことができる人たちが、空恐ろしいです。
女性と赤ん坊を強姦して殺しても、18歳だから刑務所に何年か入れられるだけで、罪が帳消しになるという不条理な判例が作られませんように。そして無駄に裁判が長引かぬよう、被害者のご冥福とともに、心から祈ります。
「アイリス」
アルツハイマー病患者となった英国の作家アイリスと、彼女を献身的に支える夫の、哀しくも美しい夫婦愛物語。
私の祖母も、頭の中の消しゴム状態なので、見ていて身につまされました。本人も哀れだけど、周囲の人たちの苦労、困惑も悲痛です。
記憶は失っても、性格や本質は消えない。むしろ、理性があるうちは抑制できていた本性や本音を露わにしてしまうところが、恐ろしく、哀しい病気です。うちの祖母も、家族を困らせ傷つける言動の毎日。病気のせいとはいえ、私たちも聖人ではないので、優しさや憐れみを感じることも、いたわる気持ちを抱くことも難しい時があります。ボケても、虚栄心や自尊心は、消えないのが因業...
なので、アイリスよりも、彼女の夫の苦しみと悲しみに、より深い同情を感じました。彼の深い無償の愛と献身は、本当に切なく、そして崇高です。でも、アイリスは壊れても、元々美しい自由な心の持ち主だったおかげで、夫や周囲の人を傷つけたり、俗な欲に執着して醜く朽ちなかったのが、まだしも救い。
アイリス役のジュディ・デンチは、さすがの名演。ほんと、うちの祖母も、あんな表情してるし、リアルでした。賢く自尊心が高い人ほど、ボケも無残...
夫役のジム・ブロードベント、アカデミー助演男優賞受賞も納得。常に愛情あふれた、でも悲しみを滲ませた笑顔が、哀切です。若い時代を演じた俳優が、ブロードベントそっくり!本人?!それとも実の息子!?
いちばん強烈なのは、やはりアイリスの若い時代を演じた、ケイト・ウィンスレット!ヌードも、ぜんぜんイヤらしくなく、アイリスの若い生命力と情熱を、力強く表現しています。それに引きかえ、日本には...同業者といってはケイトに失礼な、単にキレイで可愛いだけの“自称女優の女性タレント”ばかり...
盛りの輝きと、終わりの寂寞。人生の光と影を交互に見ているような、デンチとケイトが交錯する構成が印象的です。
記憶や健康を失っても、愛情や尊厳は失いたくない...心から、そう願わずにいられません。
ところで、この映画。聡明な彼女がヘンだって思い始めるあたりが一番辛かったです。
本村さん、本当に立派ですよね。感情的にならず、あくまで冷静に、怒りや悲しみを訴える姿に、心を動かされずにはいられません。
本当に、酷い事件でした。あんな事件、もう起きませんように...
アルツハイマーって、初期症状の頃のほうが、まだ理性が残っているので、辛いですよね。それが聡明な人なら、なおさら...