拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

刑事コロンボ~おまえうまそうだな

2024-05-11 06:15:20 | 小説

刑事コロンボのキャラクターの元は、ドストエフスキーの「罪と罰」でラスコーリニコフを追い詰める判事だそうだ。そう言えば、「罪と罰」は一度しか読んだことがないが、ラスコーリニコフをネチネチ追い詰めるコロンボみたいな刑事がいたっけ……いや、刑事ではなく判事だったのか。そう言えば、同じ作者の「カラマーゾフの兄弟」でも判事が刑事みたいな仕事をしていた。よし、今読んでる漱石の「明暗」をやっつけたら「罪と罰」を読もう。青空文庫(ただで読めるネット文庫)にある。ただし、青空文庫にあるヤツは、普通、キンドルでもただでゲットできるのだが、「罪と罰」はキンドルにタダのがない。だから、タダにこだわる私は、スマホで、青空文庫アプリで読むことになる。

タダにこだわる私だが、芥川龍之介については、「全集」を200円でキンドルで購入した。芥川龍之介は、それこそ多くの作品がキンドルでタダ。なのに、200円「も」出して買ったことは私の信条に反するが、芥川の作品は短編が多い。それをいちいちダウンロードしてたらキンドルの端末内が芥川のアイテムであふれかえってしまう。「全集」ならアイテムはそれ一個のみ。そこから個々の作品に入っていけばよい。芥川龍之介は、中学の国語の時間に全集を読むことを先生から奨められて読んで面白かった経験も今回の全集ゲットの動機の一つである。

というわけで、今は漱石の「明暗」を読んでいる。男女の気持ちのすれ違いを描くのが大好きな漱石だが、この作品の男女は新婚である。新婚早々の隙間風。その風穴を大きくするのに一役かっているのがコバヤシという男。夫の入院中に、妻のところにやってきて夫の不貞を匂わすようなことを言う。これって、まるで、「オテロ」の「イァーゴ」である。ただし、イァーゴは妻の不貞を夫に匂わせたが、コバヤシは夫の不貞を妻に匂わせた。いずれにせよ、自分に都合のいい噂を流して人を追い落とそうとする輩には違いない。このような情報操作は御免被りたいが、チコちゃんによると、これは生き残るために培った人間の性(さが)だそうだ。因みに、「オテロ」の本家本元はシェークスピアで、そこでは「オセロ」なのだが、はヴェルディのオペラから入った人は「オテロ」が当たり前になっている(私は、オペラ好きの横野君から仕込まれたんで「オテロ」である)。ん?妻の名前は、オペラでは「デズデーモナ」だけど原作はどうなの?綴りは同じだけど、発音記号は「デズデモウナ」だった。因みの因み、「エリザベス」のドイツ語は「エリザベート」ではなく「エリーザベト」である。

本の話が続いたのでもう一つ。あさイチで「おまえうまそうだな」って絵本を紹介していた。ティラノサウルスがゴジラみたいに直立二足歩行で描かれているのは良い!この絵本が描かれたのは既にティラノサウルスら肉食恐竜が鳥のように前傾して歩く(走る)との説が定着した後だけれど、作者はあえて直立二足歩行にしたのだろうか。で、そのティラノサウルスと仲良くなるのがアンキロサウルス。おお!アンキロサウルスこそはゴジラ映画に出てくるアンギラスである。因みに、ラドンはプテラノドンであり、欧米では「ロダン」と呼ばれている(考える恐竜?)。なお、ゴジラはゴジラであり、ティラノサウルス等の実在した恐竜とのつながりはないが、唯一、「ゴジラVSキングギドラ」では「ゴジラザウルス」という架空の恐竜が変異した設定になっている。