拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

グリム童話でもよそのうちの奥さんのことを「お母ちゃん」と呼んでいた件

2017-09-21 11:17:05 | 言葉

鬱蒼としたドイツの森……のように上だけ見れば見れなくもない近くの運動場。相変わらず読んでるグリム童話では、「Wald」(森)に入ってどんどん奥に迷いこんでいって魔女に魔法をかけられるっていうのが定番。日本だと青木ヶ原樹海ってとこだろうか。さて、かねがね、つるべの家族に乾杯のつるべえさんに限らず日本人はなぜよそのうちの旦那さんや奥さんのことを「お父さん」「お母さん」と呼ぶのか不思議だった。日本だけだよな、ヨーロッパではないよな、そんなの、と思っていた。ところが、グリム童話の中で、よそのうちの奥さんのこと「Mütterchen」と呼ぶ場面に遭遇した。へーえ。あるんだ、ドイツ語でも。でも、「Mutter」(お母さん)ではなく「Mütterchen」(お母ちゃん)であるところが面白い。ついでだ。グリム童話を読んでて、へーと思ったことをまとめて。竜退治に欠かせない剣が土に刺さっていて抜けないって話は「ヴァルキューレ」の「ノートゥング」を思い起こさせた(あっちは土ではなく、トネリコの木に刺さっているのだが)。弟(だか兄だか)の奥さんと添い寝したとき間に剣を置いて近寄らないようにしたという話はやはりヴァーグナーのリングの「神々の黄昏」のジークフリートを思い起こさせた。主人公の首が切られてしまう話はウルトラマンタロウを思い起こさせたし、その切れた首を前後反対にくっつける話は、スターウォーズのC-3POを思い起こさせた。グリム童話は本当にいろんな話の原典なんだなぁ、とつくづく思った。

ムニエル=水車屋の娘の料理

2017-09-21 08:54:03 | 音楽

秋鮭をムニエルにする。パスタは蟹の缶詰をほぐして和えてみた。私は、ムニエルが好きで、サンマ以外の魚は大概ムニエルにする。因みに、ムニエル(meuniere)は粉屋(meunier)というフランス語から派生した言葉だという。なに?すると、ドイツ語のムニエルはミュラーなんとかかい?(Müller=粉屋)はたしてそうであった。「Müllerinart」(粉屋の娘の料理)と言うのだそうだ(そんなことはゲーテ・インスティトゥートでは習わなかった)。「Müllerin」を「粉屋の娘」と訳したが、シューベルトの「Die schöne Müllerin」は普通「美しき水車屋の娘」と訳されている。水車で粉をひいていたから「粉屋」=「水車屋」ってわけだ。もし、この歌曲集が「美しき粉屋の娘」だったらイメージが変わっただろうか。「水車屋」だと田園の中を川が流れてる風だが、「粉屋」だと粉まみれになって働いてる様子が浮かぶ(「ひよっこ」の三男が粉屋ではなく米屋で働いてる様子とダブる)。そっかー!水車が回る川から獲った魚を、水車でひいた粉をまぶして焼く。ムニエルは水車と粉の両方と切っても切れない関係であった。