拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ツァラトゥストラ=ゾロアスター

2017-09-05 11:08:05 | 音楽
で、草枕の次にキンドルに何を入れるか。大前提=ただであること(キンドルには0円のものが結構ある)。まず、「虞美人草」。これも草枕と同様、子供の頃、漱石だということで猫や坊っちゃんのつもりで読み始めたが難しくて撃沈された、そのリベンジ。それから、ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」のドイツ語版。なぜニーチェか。これも高校生の頃、翻訳を読んでさっぱり分からなかったことのリベンジ。なぜドイツ語版か。ただだから。それと、ドイツ人の哲学書は、翻訳だとさっぱりこんこんでも原語だと分かりやすい、という話を聞いたことがあるから。そう、高校生の頃は、哲学青年ぶって、倫理社会(倫社)の時間に教科書にあった哲学者の代表作は大概読んだ。で、当時は分かった気になっていたが、その実、さっぱり分からなかった。40年経て成長したこと=分からないことをはっきり分からないと言えるようになったこと。退化したこと=当時は分からなくても最後までくらいつく根性があったが(鉄棒の「けあがり」も、ほんとはできていないのだが、根性で、腕だけの力で鉄棒の上に上がった)、今は、すぐあきらめてしまう。とにかく、当時は、特にドイツ人の哲学書(カントとか)には歯が立たなかった。そんな中にニーチェがあった。倫社の時間に、グループごとに哲学者について調べてそれを発表する、という課題があり、音楽好き友達のSH君が、ワーグナーに関係があるからニーチェにしようと言ってきたのでそれに乗ったのだった。告白します。当時、ツァラトゥストラが歴史で習ったゾロアスター教の教祖のことだとは知らなかった(知ったのは最近のこと)。さて。とりあえず「虞美人草」を読むとして、「ツァラトゥストラ」もちらっと流し読み。なるほど、思ったほど難しくない。これは哲学書としては異例で、物語風になっていることもある。噂通り、翻訳よりもすーっと入るところがある。だが、所詮異国語。分からない単語もたくさんある。キンドルでは分からない単語をなぞると内蔵辞書の訳が出てくるのだが、これが英語でやはり分からなかったりする。ということで、いろいろ相殺されて、結局、難易度は昔のまま。でも、カントよりはずーっつ読みやすい。実は、調子に乗って、カントの「純粋理性批判」と「実践理性批判」のドイツ語版もダウンロード(もちろんただだから)。なんだこれ。目次だけで何ページあるんだ?序文だけで何ページあるんだ?戦う前から白旗(これが最近の私)。さてさて。「ツァラトゥストラ」といえば、Rシュトラウスの交響詩で有名。その交響詩は、多くの人にとっては、映画「2001年宇宙の旅」の音楽という認識だろう(同様に、ワルキューレの騎行も多くの人にとっては「地獄の黙示録」だろうし、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は「逢い引き」の音楽と言った方が通りがいいかもしれない)。告白します。私、音楽ファンを名乗っているが、「ツァラトゥストラ」はそれこそ映画に出てくる部分くらいしか覚えがない。Rシュトラウスは大好きだ(と言っている)が、若い頃交響詩をちびっと聴いた後、関心がすべてオペラに向かってしまったので。