おすすめ度 ☆☆☆
ジャケット写真で柔らかに微笑む家族。
父のジェイク(コリン・ファレル)
ジェイクの妻で肌色の黒いカイラ。
そして養子のミカは中国人。
ミカの育児ロボットのヤン(ジャスティン・H・ミン)
その4人が木立の緑の中で、満ち足りた表情で写真に収まっている。
人型ロボットが一般家庭にまで普及した近未来。茶葉の販売店を営むジェイクと妻カイラ、幼い養女ミカは慎ましくも幸せな毎日を過ごしていたが、ロボットのヤンが故障で動かなくなり、ヤンを兄のように慕っていたミカは落ち込んでしまう。ジェイクは修理の方法を模索する中で、ヤンの体内に毎日数秒間の動画を撮影できる装置が組み込まれていることに気付く。そこには家族に向けられたヤンの温かいまなざしと、ヤンが巡り合った謎の若い女性の姿が記録されていた。
小津に傾倒しているコゴナダが監督、独創的な映像表現で映画化したSFドラマ。
永年使ってきたモノにさえ愛着を有し、捨てるに捨てられず、ゴミになってもそばに置いておく我々。そのものに記憶(記録)があるとすれば、なおさらだ。
そういう、モノと人間の不思議な物語である。