ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「伊豆の踊子(1963)」、あふれる詩情の香、川端康成の映画化!

2024-05-16 20:09:57 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

川端康成原作四度目の映画化。

18歳の吉永小百合は少女の恋の芽生えから別れに至るさまざまな心の揺らめきを、湧き上がる感情のままに表現。

新緑眩い伊豆の街道であてなき旅を続ける学生・川崎(高橋英樹)。道中、旅芸人の一行と知り合った彼は踊子・薫(吉永小百合) の可憐な姿に心を奪われ気もそぞろになる。一行の紹介で湯ケ野の宿を取った川崎は彼らを自室に招き入れ、薫とも楽しいひとときを過ごす。お座敷に上がっているとは言え、まだ16歳の薫。彼女は兄を慕うかのごとき無邪気さで川崎に甘えていく。楽しい湯ケ野の日々も終わりに近づき、一行は下田へ旅立つことになった。彼らの道連れとなる川崎に、薫は下田で一緒に活動写真を観に行く約束を交わすのだったが・・・。

旅芸人役の大坂志郎と母親を演じる浪花千栄子の演技に唸らされる。

伊豆での別れのシーン、船と桟橋、定番の別れのシーン。

まだ、差別のあった時代、監督は意識した演出。

 

 

 

 

 

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「君は行く先を知らない」、この旅の行く先を知ったとき、我々は深い感動に包まれる!

2024-05-16 16:53:49 | 映画

おすすめ度 ☆☆☆

イラン映画好き ☆☆☆★

イラン映画

監督自身や家族、友人たちに起きた実際の出来事に着想を得た物語で、イランの荒野を車で旅する家族の姿を描いたロードムービー。

2021年・第74回カンヌ国際映画祭監督週間に出品。日本でも同年の第22回東京フィルメックスでコンペティション部門に出品された。

荒涼としたイランの大地を車で旅している4人家族。ケガをした脚にギプスをして後部座席に座る父は、悪態をつきながら、はしゃぐ幼い次男の相手をしている。助手席に座る母はカーステレオから流れる古い歌謡曲に体を揺らし、成人したばかりの長男は運転席で無言でハンドルを握っている。次男が隠し持ってきた携帯電話を道端に捨て去ったり、転倒した自転車レースの選手を乗せたり、余命わずかなペットの犬の世話をしたり、さまざまなことが起こりながらも、一家はやがてトルコ国境近くの高原に到着する。

両親と兄、小さな弟の4人が車で出かける。行き先も目的も子供の弟だけが知らない。観客はその子視点の情報しか与えられず、まったく先の読めない。

目的は国外に去る長男を見送るためというのが、徐々に分かってくる。だけどその理由は最後まで分からずじまい

彼らが絶妙なテンポで見せる親子や夫婦のやりとりは、家族の関係は世界のどこにいても変わらないことを私たちに教えてくれる。

 

 

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