星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

ちょうど100年前の7月、不忍池で…

2019-07-30 | 文学にまつわるあれこれ(鴉の破れ窓)



先月 少し書きました(>>) ロバート・ゴダード著 《1919年 三部作》

第二部の『灰色の密命』上下を読み終わり、 第三部『宿命の地』、、 物語は佳境に入りつつあります。。 いまごろあらためて気づくなんて馬鹿みたいですけど、 ちょうど100年前の世界が描かれているのですよね…

第一部 第一次大戦後のパリ講和会議を背景にして始まった物語は、 その後、 スコットランド、 ロンドン、 パリ、 マルセイユ、 スイス を経由して、、 第三部では すべて此処 日本が舞台=《宿命の地》なのです。。

本の裏表紙に書かれている「紹介文」は読まないようにしているので 英国人の元パイロット、 マックスの父親の変死事件に始まった物語が、 英・米・仏・独・日 入り乱れての諜報、暗殺、政治駆け引き、、 そんな大きな歴史の地図へと 物語が発展していくとは思っていませんでした、、 ましてや 日本が最終地点などとは…

でもそこは 歴史学を基盤としたゴダードの物語ですから、、 史実をしっかり踏まえたうえで 架空のスパイたちを 事実と空想のつづれ織りに入り込ませていきます、、。 

日本が舞台の第三部で言えば、、 西郷さんの《西南戦争》1877年(明治10年) まで話がさかのぼって そのころからすべての事件の《芽》が動き出していたことに ちょっと驚き、、 

感想は 読み終えてからまた書きますが、、 きょう読んでいたら ちょうど100年前の1919年の7月、、 七夕の二日後(かな?)、、 上野の西郷隆盛像の前で とある英国人と とある日本人が ひそかに落ち合って 蓮の花が一面に咲いている不忍池のほとりを歩いているのでした。。 そこに…

  「花が開くときにぽんと音がするという人がいます。音などしないという人も。すると信じるのはたやすくありません…… その音を自分が聞かない限りは」

、、というくだりがありました。 《密約》を交わすためには 蓮が開く音を聞こうとしなければ… と。

、、 ゴダードさん、 よくお調べになっていますね。。 一昨年 実際に不忍池で蓮を見た思い出がよみがえってきました(>>) ゴダードさんが この蓮の音について知ったのは、 石川啄木の詩からでしょうか… それとも 南方熊楠の論考からでしょうか… どちらも100年前のこの物語のころに(それ以前に) 生きた人ですね。。

そして、 一昨年の不忍池も暑かったけれど、、 百年前の東京も 西洋人にはとてもとても 蒸し暑い様子が 書かれています、、(苦笑)


 ***

百年前の日本とヨーロッパ、 そして隣の大陸との関係…

それらはもう過去のこと、、 現在生きているわたしたちには関係の無い事、、 時が経つほどにそう思いがち、、 特に私たち日本人は過去を忘れて先へ急ごうとしがちな民族です。。 でも、 100年前の物語と 現在は、、 確かにつながっている、、 今のさまざまな軋轢や感情のもつれは あのころの私たちの国とまっすぐにつながっている…

、、 ゴダードさんの三部作は そのことも考えさせてくれます。。 


物語は残すは 下巻のみ。。 今度の週末くらいには読んでしまうでしょう、、。 ゴダードさんの手腕はいつも、 たくさんの伏せたトランプカードを 最後の最後につぎつぎとめくってあっという間にすべてのカードが開いていく神経衰弱のよう… と前に書いた事がありました。。

どんな 手の内を明かしてくださるのか、、 楽しみです。。

 ***


、、 蝉がいっせいに鳴き始めましたね、、


100年前の上野公園でも それはそれは 蝉が賑やかだったことでしょう…


(ゴダードさん 蝉の声は書いてないみたい、、 英国では蝉時雨ありませんものね・笑)

Doyle Bramhall II の参加作品:その5

2019-07-26 | MUSICにまつわるあれこれ


フジロック、 今日のところ、どうやら雨降らずに進んでいるみたいですね。 、、最近 此処はクラシックの話題が続いて、 来週もゲルギエフさん観に行くのですが、 フジロックと聞くとやっぱり心のどこかがドキドキそわそわします… 今日は TYCHO とかちょっと見てみようかな、、

 ***


ドイル・ブラムホール II の参加アルバムの話に行く前に、、 4月のエリック・クラプトンさん来日公演のこと ちょっと書いておきましょうか(なんにも書いてなかったし、ね)

4月15日(月)の武道館。 私はドイル目当てでしたので ステージサイドのドイル側の席、リセールに出るのを粘って待って買いました。 とっても良い席ではあったんですけど、 ドイルはクラプトンさんらのほうを見て弾くことが殆んどなので せっかくのギタープレイがよく見えず…(笑

ドイルの使用ギターは ほぼヘリテージ1本だったかと… でもコレだったかはわからない⤵
https://twitter.com/HeritageGuitars/status/1090995741017993216

セットリストは名曲揃い、 前半の Key to the Highwayや フーチークーチーマンなどお馴染みの曲を聴いている限り、 なんというか安定の、というか余りにもノーマルないつもの通りの演奏に少々眠気も… (今回、武道館 5日間でしたっけ? その2日目でもあったのでまだまだ余力残しておかないと、という雰囲気も感じられるゆとりの演奏)

でも、 I Shot the Sheriffで、ドラマーの Sonny Emoryさんの巧さに目が覚め!! もうそこからエモリーさんばかり見てました、、
https://twitter.com/Yamahadrums_jp/status/1117819418787008512

以前、クラプトンさんと演った スティーヴ・ジョーダンさんのようなアタックの強いファンキーさ、というのとまた違って、 なんていうのかな、、 軽みのある転がるようなアップビートで クラプトンさんの軽みのあるカッティングと合って この曲はすごく良かったなぁ、、

そこから アコースティックパートになって、、 本当は(本当に!)レイラはエレクトリックバージョンをすごく聴きたかったのだけど、残念… でも、Tears in Heaven を裏打ちのビートでまるでボサノヴァみたいにさりげなく歌うクラプトンさんに、、 なんだか胸が詰まりました。。 超えてきた時間の長さとこの歌をみなさんに聴かせ続けることの意味、、 現在の74歳のクラプトンさんの辿り着いた音が この軽みのある Tears in Heavenなのかな、、と思って…
、、ドイルはこのとき 確かスライドを奏でていましたね、、 甘い優しい音色でした。

レイラはさっき書いた通り アンプラグドだったんですけど、 Running On Faith のイントロのアルペジオ聴いた瞬間 泣きそうになってしまったなぁ、、 Tears in Heavenからの流れで…
、、 80年代のまだ子供みたいだった自分がクラプトンさんを聴いてしみじみするなんてことは無かったけれども、 50代にもなれば、ね、、 クラプトンさんはしみじみ良い曲を創られました。。

それは 後半のエレクトリックパートでやった Wonderful Tonight でもさらに…。 もう なんだってこんな泣きそうになってるんでしょ、、私。。 とか思いつつ、、 エモリーさんのドラム巧い! とか ドイルもうちょっと弾いてよ とか いろんな事も考えながら(笑)

あ、そうそう Badgeの事 書かなくちゃ。。 珍しい曲(私はライヴで初めて聴いたかな) Badgeがカッコ良かったんですけど、、 クラプトンさんがギターをアンプのところへ持っていってフィードバックさせるんですけど、、 あんまり歪まなくて、、 ほんとはギョワーーーン♪って歪んだ後 ピャーーーー‼って高音のハウリングになってくれると良いんだけれどもならなくて、、音が静かになっちゃって、、 二番の歌が終わってまた同じことやるんだけど、 やっぱりあまり歪まなくてクラプトンさんが思いっきりアンプに近寄ってギター押し付けるみたいにしてたのがカワイかったです…… (その間 ドイルとほかの人が顔見合わせてじーっと待ってる というのも)

、、 ストラトとレスポールの違いとかもあるのかもしれないですけど、 ビリー・ハワーデルさんや イエローモンキーのエマちゃんが 身体を捻るようにするだけでひょわーーーんきゅーーーぅぅん♪って自在の音色に歪むのって やっぱりめっちゃカッコいいですね♪(話逸れてスミマセン)

で、ドラマーのエモリーさんがほんとに素晴らしかったのは Little Queen of Spades 、、この曲はいつもの通り クラプトンさん、 ピアノ オルガン ドイル、 というようにソロが廻っていくんですけど、 それぞれのソロにエモリーさんが瞬時に変化して合わせて ソロが合作になっていく反応の素晴らしさ! ドイルはいつもの通り、 音もリズムもちょびっと外す一歩手前、みたいなソロを弾くのですが エモリーさん、じっと見つめてしっかり合いの手を入れてました。。 素晴しい~

、、 でもね、、 後日 ロイヤルアルバートホールの映像とか見ちゃったら、 やっぱり熱量が何倍も違うんですよ、 武道館と。。 気合の入り方が…。 まぁ 仕方ないですよね、、 彼らにしてみれば 最大の見せ場はやはりRAHとか MSGとかでしょうから。。

、、 そんなこんな、、 少しまったり、 だいぶノスタルジック、 ちょっとだけ物足りない、、 そんなクラプトンさんwithドイルの武道館公演、でした。。

 ***


Sweet Release / Reese Wynans

この春出たアルバム、 SRV and Double Trouble でのキーボード奏者 リース・ワイナンズさんの 71歳にしてのソロアルバム。 プロデュースはジョー・ボナマッサさん。 リズム隊にはダブルトラブルのふたりや、 他にケニー・ウェイン・シェパード君や ケブ・モさんや、 そしてドイルがVoやGで参加している 大変充実した カヴァー曲集なんですが、 それぞれみなアーティストの個性が存分に発揮された素敵なアルバムになっています。 
ワイナンズさんのハモンドもピアノも 全面にたっぷりとフィーチャーされているし、、

そして このアルバム、 一曲ごとにワイナンズさんのこの曲への想い、当時の思い出、プレイヤーの記憶、、 そのコメントが書かれていて すごくすごく丁寧に作られているアルバムです。

ちなみに アルバムタイトルの「Sweet Release」というのは ボズ・スキャッグスさんのデビューアルバムの曲だそうですが、 ボズに出会ったいきさつが 69年当時 ディアン・オールマンとABBを組んでいたのだけれど それが分裂して(グレッグ・オールマンさんが参加することになったので、 キーボード奏者が二人になっちゃって…) それでバンドを失ったワイナンズさんにデュアンがボズとの仕事を紹介した、のだそうです。。

昨年の ボズ・スキャッグスさんのブルースアルバム「Out of the Blues」には ドイルと、 チャーリー・セクストンがギターで参加していますが、 ダブルトラブル→ARC ANGELS とボズ・スキャッグスさんの繋がりがこれで分かりました。

こちらにいいインタビュー記事がありました⤵
Hammond B3 Legend Reese Wynans Comes Full Circle On Debut Solo LP ‘Sweet Release’ (INTERVIEW)

このアルバムでドイルがVo&Gを担当してる曲は「You’re Killing My Love」(オーティス・ラッシュが歌った)なのですが、 この曲への想い、 それをドイルにやってもらう想い、 シンガー&ギタリストとしてのドイルの事、 ワイナンズさんのドイルに対する評価が読めます。

 ***

その他、、 ドイルの最近の参加アルバム

知らなかったところでは 2017年のシェリル・クロウさんの「Be Myself」にもドイルはギターとバックコーラスで参加してたのですね。
今年のイベントにも一緒に出演したり、 秋のクロスローズにも一緒に出そうな気配なので、 相変わらず仲良しさんだったのですね。

シェリル姐さんはこの8月末に出すアルバム「Threads」を最後に、 アルバム制作をしない、と言っていて、 まず第一にふたりの男の子のママであること、 彼らが幸せに生きていく為の主に環境問題に取り組みたい、 という発言をしていますが、、 出来ればライヴ活動はしていて欲しいな、、 まだまだ歌うシェリル姐さんを見ていたいです。

Sheryl Crow - Everyday Is A Winding Road (Glastonbury 2019)
今年のグラストンベリーから。。 途中で坊や達がちらっと映るの、そうかな?

他にドイルは ハートのアン・ウィルソンさんの昨秋のソロ「Immortal」
https://www.allmusic.com/album/immortal-mw0003192452/credits

ミシェル・ンデゲオチェロさんの「カヴァーズ Ventriloquism 」
https://www.allmusic.com/album/ventriloquism-mw0003148792/credits

にも参加してるそうです、、 聴いてみなくちゃ、、


それから、 今日の話題、、 ロビー・ロバートソンさんの8年ぶりのソロアルバム「Sinematic」にも参加ですって、、 売れっ子ですね♪
http://amass.jp/123592/




 ***、、


東京へは台風?(になったの?)が通り過ぎるまで 不安定な週末になりそうですけど、、 そろそろ梅雨空ではない ピーカンの青空が恋しくなってきました。。

、、 その昔 中学生のときの地図帳では わたしの故郷はギリシャ並みの年間降雨量で、 梅雨といえども 雨上がりにはキラキラの眩しい日が射して 真っ青な空が覗く、、という感じだったので、 ほんとうに厚い雲と湿気ばかりのこの7月はギリシャに移り住みたくなりました。。 

、、っていう事を思っていたら、、 ドイルはギリシャでクルージングしてたみたいです、、 いいなぁ
https://www.instagram.com/p/BzdAKq5l_qw/


ギリシャへは行けませんけれど、、 


よい週末を。。 


(なにか 美味しいもの食べようっ … 夏を感じるもの ♡)

3sat

2019-07-19 | MUSICにまつわるあれこれ
16日に書きましたウルバンスキさんの映像、 シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の音楽祭、、というのはドイツの音楽祭なんだそうです、、

で、 そのアーカイヴが載っていた 3sat というところの関連動画にほかのクラシックコンサートの映像があったので、 今日はそれを流しながらちょっと作業しておりました。

前半がグリーグで 後半がマーラー6番、、
Jukka-Pekka Saraste dirigiert Grieg und Mahler

PCの外付けスピーカーで音だけ流していて 画面は見ていなかったのですが、、 マーラーの途中で 思わず手を止めて 見入ってしまいました。。 こちらも素晴らしい演奏でした…

ケルンWDR交響楽団の演奏で、 指揮は、、変わったお名前でどこの国のかただろう… と、、
Jukka-Pekka Saraste ユッカ=ペッカ・サラステさん(Wiki>>) フィンランドの指揮者さんで 現在はこのWDRの首席指揮者さんなのですね。。

表情も変えず淡々と指揮をなさっている感じだったのですが、 とても重厚な マーラーらしいすごく迫力のある演奏でした。

、、 気になるとすぐに来日なさるか調べてしまう… 笑

来年、 N響を指揮されるようです。 しかも、 シベリウス! 、、フィンランドの指揮者さんによるシベリウス、、 気になります、、

 ***

このドイツの放送局のサイトや 前に書いた ARTEというフランスの放送局のサイトや(今は ダニエル・ハーディングさんの指揮のコンサートが載っていました)
探すといろいろな演奏会が見られて嬉しいですね。。

一昨日の ウルバンスキさんの音楽祭の映像を見ていて思ったのですが、 あれはストリーミングだった映像だけれど、 カメラワークがとても素晴らしくて、、音楽のパートごとのポイントや指揮者さんの表情、、 見どころを余すところなくスイッチングして見せてくれます。 そしてそのスイッチングが音楽の決して邪魔をしない、、 
たぶんヨーロッパのクラシック映像を録る撮影隊は カラヤン時代から徹底的に鍛え上げられたでしょうから、 レベルが皆 高いのでしょうね。 毎年のウィーンフィルのニューイヤーでもいつも見事だなぁ、、と思っていますけど、、 

 
 ***





きょうは 真夏日。

空に色があるということ、、 いろんな雲があるということ、、


それがとっても幸せなことなんだと この七月にはつくづく感じさせられました。。
青空、、 ありがとう ♡


素敵な 週末を…

瞠目のラヴェル、衝撃のボレロ♪

2019-07-17 | MUSICにまつわるあれこれ


NDR Elbphilharmonie Orchesterさんのfacebook で、 ウルバンスキさん指揮の 2019シーズン OPENING NIGHT の映像をみました。

曲目は ラヴェル ダフニスとクロエの後、 ラヴェルの ピアノ協奏曲、、 これを弾いたソリストが ベルトラン・シャマユさん。

最初の「ダフニスとクロエ」も 本当に夢を音にしたような…  綺々しい美しさだったんですけど、 「ピアノ協奏曲」のシャマユさんの音色も… なんていうの? 美しい光の雨だれみたいな音色…

ベルトラン・シャマユさんて誰…? っておもわず検索しましたもの。。 フランスでとても話題のかた、、 ラ・フォル・ジュルネでも幾度か来日されていたそうで、、 わぁ 聴いてみたかった、、

ワーナークラシックスのCDのプロモーション映像がありましたので⤵
Bertrand Chamayou records Ravel complete Piano Works
こちらも美しい音色ですね。


前半も素晴らしかったんですけど 休憩後の後半もまたすばらしく、、 最初の曲が 初めて聴く難しい曲で、、 さきほど調べたら 現代音楽家のかたの 2017年の曲!!
Guillaume Connesson という方の 「les trois cités de lovecraft」という曲だそうです。
 
NDRエルプフィルの楽団員さんは わりと年輩のかたも多いのですが、 今回の前半のラヴェルといい、 この新しい曲といい、 すごく変則的な難しさもある曲なのに ウルバンスキ氏の明解な指揮のもと、、 みごとにこなしてて こういう曲も演るんだ~~、、と。 ウルバンスキさんとの相性もとても似合っていたので 今度こういうのも聴いてみたいと思ったのでした。。

、、 で、、 こういう新しい曲できっととってももう疲れているのでは… と思う楽団員さん、 ウルバンスキさん、、 なのに ラストは「ボレロ」、、と分かっているので どんなだろう… とちょっとどきどきしながら待ちました…

その、 「ボレロ」が… !!


… もう、、 私史上最大級の 衝撃的な 「ボレロ」で ありました。。 これは 書いちゃいけないですね、、 絶対。。 もう視聴していただくしかない、、 でも ボレロだけじゃなくて、 出来れば最初から このコンサート映像見ていただきたいです。 ぜひ、、 ぜひ、、


ウルバンスキさんが 指揮に対して、 指揮者というものに対して、 どうお考えなのかも、、

(最初、 楽器の位置を変えていたときに、、 ふ~ん、、 其処へ… と思ったのですが、、 その意味が聴いてわかりました)


そして、、 貴方の解釈は、、 正しいと思いますっっ! (それくらい目から鱗、でした)


素晴しいコンサートでした。  素晴しいボレロ、でした… ♪


あぁ 幸せ ♡

ロレンツォ・ヴィオッティ指揮 東京交響楽団@ミューザ川崎

2019-07-16 | LIVEにまつわるあれこれ


かなり前に東響さんのコンサートスケジュールの中から なんとなくプログラムで選んだ この日の公演。 指揮者のロレンツォ・ヴィオッティさんについては 全くなにも知らず、 お父様も指揮者であったことや、 この方がまだ29歳の若さだというのは 直前になって知りました。。 チラシのお写真ではもっと年上に見えましたから、、(東京交響楽団HPのチラシへ>>

楽曲は
 
ブラームス:ピアノ四重奏曲 第1番
(シェーンベルクによる管弦楽版)
ドヴォルザーク:交響曲 第7番

アンコール:ブラームス ハンガリー舞曲集から 第1番


 ***

(いつもの通り クラシック素人の感想です♪)

ブラームス、、 始まって… なんだか違和感、、。 あれ? 東響さんてこんな感じだった? なんだかいつもより音にまとまりが無いような気がする… 
そして、 ヴィオッティさんの指揮、、 わかりにくい…(私には) 、、どこのパートさんに向けて指示しているのか、 テンポを振っているのか、 曲のムードというか強弱を振っているのか、、 なんだかわかりにくい。。 私のお気に入りが まるで学校で習った四拍子のタクトを生徒会長が振っているみたいなきちんとした指揮をするウルバンスキ氏で、 この春の東響さんで観たのもウルバンスキ君だったので、、 なんだかヴィオッティさんの指揮とオケのどこを見て聴いていいのか ちょっとよくわからない、、

特に打楽器さんが入ってくる辺り そのタイム感と、ヴィオッティさんが大胆に緩急をつける弦のほうのうねりとが微妙… ていうか、見ている限り打のほうへの指揮の指示がないのでタイミング取りにくい感じだし、、 贔屓目かもしれないけど ウルバンスキ指揮で観た時の東響さんのびしっとキマる打楽器の印象が え? なんだか不思議…

ヴィオッティさんの指揮はエネルギッシュで動きもあるんですが、 たまに譜面をまとめてバサバサっとめくるのもなんか気になる、、

う~~む、、 と言う感じで前半が終わり(でもお客さんの反応は良い感じに見えました) 休憩後の ドヴォルザークへ。。

今度は暗譜で振っていました。 今度のほうが 俄然良いではありませんか♪ 結構大胆に盛り上げていく動きの大きい指揮なので、 東響さんの演奏も熱くなってきます。 前半のようなバラバラな印象はまったく無く、 ひとつになって大きくうねるうねる…

ここで 東京交響楽団さんのインスタグラムへ、、 ヴィオッティさんの衣装がユニークだったんですよね。 紺というか青が強いダブルの上着に赤いネクタイ。 上がダブルだけど下はとってもスリムなパンツでスポーティーに、、 そして皆さんを驚かせていたのが足元。 つま先はエナメルなんだけどレースアップシューズで底が白く見える、、 ラバー? スニーカー??  はい、スニーカーでした⤵ ランヴァンだそうです
https://www.instagram.com/p/Bz7i2VkF5Yz/

靴底の白が指揮台の上で目立つものだから 皆さん注目してましたね。 で、ヴィオッティさんは わりと低い姿勢になってちょっとバスケのドリブル廻しみたいに大きく左右に動くものですから、 きっと革底では滑るのではないでしょうか、、

服装もじつにイタリア男な感じにお洒落でしたが、 ドヴォルザークの盛り上げもオペラティック。。 きっと歌曲などの指揮はとても似合いそうな熱い演奏でした。 こちらも大きな拍手が沸いて、 何度か舞台の袖に戻ってはまた登壇して挨拶… を繰り返すと思いきや、、 二度目のご挨拶のあと(だったかな?)
おもむろに指揮台に飛び乗って、、 ばっと楽団員のほうを振り返っていきなり始めたアンコール、、 ハンガリー舞曲、、 あれには吃驚しました(面白かったけど…)

指揮者さんにも個性は必要、、 ヴィオッティさんのような大胆さや若々しさも独自色のひとつになるでしょう、、 伸びしろはいっぱいある指揮者さんだと思います(←偉そうでスミマセン) でも ブラームスのほうはもう一つ処理しきれていない感が残ったかな… すっごい熱く盛り上げて欲しい楽曲の時にまた観れたら良いかも、、。


 ***

なんとなく、、 正反対のウルバンスキ君を想い出してしまったので、、 Krzysztof Urbanski さんのオフィシャルを見ていたら 先日行われた音楽フェスのストリーミング、、と書いてあったので、 そちらへ飛んでみたら、 コンサートがフルで観られるようになっていました(嬉!)⤵
Schleswig-Holstein Musik Festival 2019

どちらが良い悪いの問題ではないですが、、 服装から立ち姿から どこまでも端正な(胸元からハンケチを出して汗を抑える仕草まで…)ウルバンスキ氏の、 優雅に見えて実に緻密に指示をとばす指揮をふたたび見て、、 あぁ やっぱりこのひとの指揮好きだわ、、とあらためて思いましたゎ。。 (初めてお写真見た時にはどんなやんちゃな指揮をするかと思いましたが、、)

NDR エルプフィルのfacebook にも、いくつかのコンサート映像が載っているのを見つけて(ラヴェル ダフニスとクロエや、ボレロですって、、素敵>>) またじっくり見てみようっと。。(また東響さんも振って欲しいです びっくりするようなプログラムを)


結局 ウルバンスキ君の話になってしまいました、、 笑


半月後には ゲルギエフさんPMFでっす♪ なんと、ウルバンスキ君が振ったショスタコーヴィッチ4番!! 楽しみっ

ドビュッシー 牧神の午後 も楽しみ~~っっ♪

イエンス・ペーター・ヤコブセン『ニイルス・リーネ 死と愛』③

2019-07-12 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
前回この本のことを書いてから ひと月半ほど経ってしまいました。。 でも、 このところの気温は5月のまま… そのせいか、、 季節が移り過ぎた、という感じがあまりしません。。 


きょうは、 読書記というよりも 少し引用だけ…

ニイルスは23歳になっています、、 そしていま 旅先にあって季節は冬を越えて 花の季節を迎えました。、、 その《春の祝祭》の記述から… (山室静・訳)




、、前にも書きましたが これは終戦から数年後の出版の古書。 まだ物資が乏しい時代だったのでしょう、、 紙は本当に藁半紙。。 小中学校の刷り物以来、 久しぶりに見ました。 この本の紙にも ところどころ 藁のような植物の繊維や溶け残った固まりのようなものが紙に漉き込まれています。 そんな素朴な紙に、 手で一文字、一文字、活字を拾って版を組んだ活版も、 文字が少し曲っていたり、 薄く擦れていたり…

でも、 そんな本の感触と、 旧漢字の古めかしい言葉でたくさんの花々の様子が語られているこの部分、、

「松雪草」は スノードロップ

「櫻草」は プリムローズ

「羊齒のにぎりこぶし」は 「薇=ぜんまい」でしょうか

「踊子草」というのは名前しか知らず、、 シソ科の花だそうです(Wiki>>) 確かに紫蘇の花に似ていますね。

そして、、
「龍膽」・・・なんだろう? と思ったら 「竜胆」リンドウの旧字でした。


こんなふうに ゆっくりと古い文字の花々を頭のなかで 画像に変換しながら読んでいます。 幸いなことに生まれた家にはそれはそれはたくさんの花が咲いていたので、 花の図像を思い描くことは出来ます(関係ないですが野菜の花を見分けるのもとても得意です・笑)
それにしても、 ヤコブセンは植物学を志したとあって、 とりわけ植物の描写や自然の描写になると 表現力が途端に緻密になり 鮮明になります。。

この花の描写はつぎのページまで続くのですが、、 そこには

「桐には巨大な菫を、木蘭には大きな紫縞のチユリツプを…」と、 なるほど… と思わせる比喩をしています。 木蘭はモクレン、ですね。 ほんとうにチューリップのような花ですものね、、。

本というのは不思議なものです。。 紙質、字体、活字の質感、、 そして翻訳語の文字、、 漢字であるかカタカナであるか、、 言葉遣いの古さ新しさ、、 それらすべてで 物語の中の光や景色、、 流れている時間の様相まで、、 なんだか違って受けとめられる気がします。。


 ***

ニイルスの滞在先、、 これらの春の花々が咲き乱れている場所は、、 本文中の「ルソーのクラーレンス」という言葉を手掛かりに、、 探しました… (ルソー読んでないので…)

ジャン・ジャック・ルソーの書簡体小説『新エロイーズ』の舞台、、 スイスのレマン湖畔 クララン(Clarens >>Wiki)という場所だとわかりました。

『新エロイーズ』については >>コトバンク
、、令嬢と家庭教師の身分違いの恋…  昨年末読んだ シューベルトの『冬の旅』に出てきた 5月の花園の記憶… ちょっとそのあたりにも通じるような、、 (私の勝手な想像ですが…)

 ***


『ニイルス・リーネ』は まだゆっくりと読んでいきます。。 中断しては、 またミステリ小説に寄り道してしまうと思うけど、、。



松雪草=スノードロップにはいろいろな伝説があるのですね、、(>>Wiki) この写真はずっと前のもの。。




いまは紫陽花の季節。 アナベルを撮るのはむずかしいですね。。 



明日からの連休、、 「海の日」には夏らしい陽気になるでしょうか 
ここ東京ではあまりお日様は望めそうにはありませんけれど、、 


夏を感じられる 健やかな日々でありますよう…



、、 私は ブラームスとドヴォルザークを聴きに行きます♪

Stay…

2019-07-09 | MUSICにまつわるあれこれ
THE YELLOW MONKEY さいたま2デイズが終わり…

ライヴの後はいつもそうですが、、 祭りのあとの淋しさ せつなさ、、 あまりにも幸せだったのに、、 その幸せは消えるわけではないのに、、 情緒不安定になります、、

だから 昨日はせっせと家事をして、 すごく疲れていたけど朝5時に起きて お洗濯や朝食をつくって、、

、、 で 何を探していたのかすでに忘れちゃったのだけど youtubeですごいチャンネルを見つけちゃって…!!

 ***

最初に見つけたのが ジャクソン・ブラウンさんの94年のスタジオライヴ。 The Load-Out / Stay って、ツアーの最後に必ずやる名曲。 だけどツアーの途中ではやってくれない、、 私が見たオーチャードホールでも みんな大好きな曲だから、 「Stay!」ってお客さんが叫ぶけど (ステイやったら 僕らはツアーを終えて国へ帰っちゃうよ・笑)ってやってくれなかった、、

『孤独なランナー』 (Running on Empty) はツアーの道中の ホテルやツアーバスの中で演奏した曲が収められた ひとつの《ロード=巡業 on the road》をまとめたコンセプトアルバム、、 77年から何度、何度、、聴いたことか、、 ロードが終わる淋しさ、 機材を片付ける(Load-Out=搬出する)ローディへのねぎらい、 バスに乗り込み次の街へ、、 でも…、 ファンともう少し もうちょっとの間、、 一緒にいたい、、 そういう歌…

それを ライヴが終わった翌日に見つけちゃうなんて…  しかも、しかも、、 ギタリストがスコット・サーストン(Scott Thurston)! 私は彼がジャクソンと一緒にツアーしていた頃のことは余り知りませんが、 Tom Petty and The Heartbreakers には90年代以降 なくてはならないマルチなプレイヤー&ヴォーカリストさん、、(そしてひたすら奥ゆかしい人) ハートブレイカーズへの想いもあって、、 うるうるしてしまいました。。

この時のジャクソン・ブラウンさん、、46歳?? もう、、 どうしてこんなに変わらないの? そして、このアコースティックスタジオライヴとっても素晴らしいの、、 ドラマーさんはダンボール叩いてるし… 笑
Jackson Browne - The Load-Out / Stay (2 Meter Session #450)

こんな素敵なスタジオライヴ、 一体どこの局だろう… と思ったら オランダのラジオ局ですって、、
新しい映像も勿論あるのだけど、 90年代のお宝映像が次々と… (私の90年代に欠かせない人が)

Morphine - Buena (2 Meter Session #448) 1994
まったく古びないモーフィーンの音楽。。 サックスのデイナ達はサンドマン亡き今も活動してますが、 サンドマンの歌声にかなう人はいないな…

Willy Deville "Spanish Stroll" live 1999 | 2 Meter Session #866
こちらも吃驚しました、、 かつてのミンク・デヴィルの名曲。 この時49歳のウィリー・デヴィルさんです 渋い。

Jansen, Barbieri & Karn "Bestial Cluster" live 1997 | 2 Meter Session #646
元JAPAN の3人のJBK。 映像で観るの初めてです。。 JAPAN時代はミック・カーンの大ファンで髪型もマネしてた中学生でしたが、、 やっぱりカッコいいなぁミック・カーン、、 ベースも。

Foo Fighters "Everlong" live 1999 | 2 Meter Session #878
私の記憶にあるデイヴ・グロールさんは 今の野獣みたいな(笑)ワイルドな人じゃなくて、 こんな感じの人でした。。 そしてこのアコースティックな演奏、、 素敵です。 そういえば一昨日、 モンキー友に私が テイラー・ホーキンス君の素敵さを力説してたこと思い出しました。。

Beck "Devils Haircut" live 1999 | 2 Meter Session #879
99年。 ベックたんはいつの時代も可愛い(そしていつの時代も天才)、、。 ベーシストのジャスティンも可愛い、、。 ダンサブルなベックも好きですが、 94年のOne Foot in the Graveのブルースなベックが本当に好きになったきっかけのアルバム。

Aerosmith "Love In An Elevator" live | 2 Meter Session #696
97年。 メンバー48,9歳? エアロスミスは50代前後の時期に立て続けに素晴らしいアルバムを創っていたのも今あらためて凄いと思うな、、。 野獣生誕から聴いてきたからビジュアル的にもスティーヴン&ジョー様は本当にロックの理想形。。

ほかにも ジョー・ジャクソンさん、 ジョン・ケイルさん、、ザ・クランベリーズ、 スウェード 、、 今も素晴らしい方、 今はもう亡き方、、 たくさんの映像が。。


日本のラジオ局もミュージシャンも、 ちゃんとスタジオライヴが出来るようになれば良いのに。。 トーク番組だけでは、、ね。。 アコースティックでもどんなアレンジでも、 ちゃんと聞かせられる演奏力を持ったミュージシャンが増えて欲しいです。

きょうは こんなリハビリの一日。。(ちゃんとウォーキングはしました、 筋肉痛も無く)





But when that last guitar's been packed away
You know that I still want to play…

さいたまスーパーアリーナ Day2 ♥

2019-07-07 | LIVEにまつわるあれこれ



お外が明るい内に終演なのは
いつかのロッド・ステュワートさんのたまアリ以来?

ロッドに負けずアフタヌーンショーもすごーく楽しかった


えまえま過剰摂取の致死量超えで 私が倒れないかと、 本気で心配されました

やっぱりエマさんのギター弾く姿は世界一‼
あんな素敵な脚さばきもしていたなんて (近くで見て初めて気づきました) あの曲 ぜったいもっと明るくすべき。
みんな大好きな曲のはずだし みんな跳びはねたいはずだし


***

お友だちとゆっくり打ち上げしてきました


再会はまた来月🎵


、、 熱出そう(笑)なので ミントティー飲んで寝よ・・





 ** 追記 **

わたしたちの席、、 撮影用クレーンが視界にかかって(&エマさんを狙うカメラマンさんの背中も被って) ちょっともどかしい位置ではあったんですが、、 エマちゃん ステージ端まで3回も来てくれました。 ほんとうに嬉しかった♡ (そして周囲の絶叫はそれはそれは凄いものでした、、)
、、いつかの吉井武道館の時も、 エマさんがちょうど照明の陰になったサイド席の時、、 何度も照明とステージ前方の隙間から サイドのほうをいっぱい見て笑ってくれて、、 (エマちゃん、 ほんと優しいね、ってお友だちと…)

、、ロビンちゃんは 1.5回ぶんくらい? ちょこっと来てニッっと笑って行ってしまいました…笑

ヒーセさんはみんなが大声で叫んだり手を振ったりするのを うん、うん、と頷きながらニコニコ見ててくれて…


エマさん ひとりであんなに多彩なギターを奏でながら 脚でステップを踏み、 腰を低く屈めたまま脚蹴り上げたり、、 ネックを倒して、また持ち上げて、 ストローク弾いてないタイミングで右手でリズムとったり、、 後ずさりしつつくるっとターンしたり、、 なんであんなことが出来るんだろう… なんであんなにカッコいいんだろう…

前日もそうだったけれど、 スクリーンにエマさんのキメの瞬間が映ると お友だちが私の腕をがっと掴んで教えてくれるのだけど、 ハッと見るともう画面が変わっていたりして… (もう、、 エマ専用画面つくって欲しい~)とずっと言ってました。 全演奏、 全ギターパート、 ずーっと見ていたい。。
ロビンも ヒーセも アニーも勿論みんな好きです。。 でも ギターを弾いているエマさんは特別、なんです。。

、、新しいアルバムの曲も、、 あぁ このギターソロやアウトロ、、 もっとずーーっと弾いていて、、 3分くらいずーーっと。。 って思ったり…


、、エマさんの事はきりがないので、、
打ち上げの時 みんなでわいわいいろんな事話したのだけど、、 エマさんの歌も聴きたいよね、Horizonも Hideも ブレチャの曲も、、 ヒーセさんのも、 ならず者も聴きたいよね、、 吉井ソロだってもう、、全部垣根とっぱらっちゃって イエローモンキーという繋がりの感じる曲なら ソロのも一緒に演っていいよね、、 そういうLIVEがあっても。。

あの 休止した後、、 エマさんやヒーセさんのつくる曲の中には確実にそのときの《想い》が込められたものがあったよね、、 モンキーやメンバーへの、、。 あのころそれを聴くのは少しつらかったけど、、 今なら聴きたいよね。。 あのころの想いが詰まった曲を 今一緒に演奏しているの、、 聴きたいよね、、って。

、、 吉井ソロでの城ホールバラ色事件のこととか、 エマの弾いた天国旅行のこととか、、 ガラケー送信の2013後にロビンちゃんが創っていたアルバムやカヴァー集のこととか、、 いっぱい いっぱい 色んな事 呑みながら話したね、、 でも 全部ゆるしてあげるよ、、って。。
だから、 ソロ時代の曲も 聴きたいよね… って。。


なんか、、 みんなの《愛》、、 すごい。。


吉井さんは TYMの10枚目のアルバムの事を強く語っていたけれど、、 ひとりで背負うことないから。。 みんなが曲を書いて詩も書いて なんならみんなそれぞれ歌えばいいから。。(アニーも、だよ・笑)


お友だちみんな ダメ出しも凄いけど、、 どんなに深く愛しているんだろ、、 とあらためて感じた夜でした。。

さいたまスーパーアリーナ Day1 ♦

2019-07-06 | LIVEにまつわるあれこれ





歌えーーー‼ Clap your hands!って

吉井さんが叫んでいたとき


ふっ と・・・18年前に同じ辺りの席で 恥ずかしそうな同じ人を見ていた事が 頭をよぎりました


***

ここ数年、、 自分なりに悩んでもいて
ライブに来るのも今まで通りにはいかない とか。 来年は とか。

、、でも 私には ムリ

諦めきれないよ ・・ こんな胸躍る楽しみ


どうして 諦められて?


***


今夜は 位置のせいかしら? 私の耳の具合?

今ツアー一番の音のクリアさ バランス、
アニーの低音タムに 鶴ちゃんのキーボードも

ギターのフィードバックテクはクラプトンさんに教えてあげたいくらいよ(笑) ⬅ワケはまた後日ね


***

明日は明日は エマちゃんのそばに行ける‼ 18年前と同じ仲間で、、(嬉)

今日以上に最高になっちゃうのって どんなになっちゃうのだろ、、


お願いだからLOVIN 頭から落ちないでね・・・



 ** 追記 **

上で 〈今ツアー一番の〉って書いてますが、 今ツアー 私、横アリしか行ってないのに… 《再集結後ツアー一番の》という意味です。 ほんとうに とても素晴らしいサウンドだった。。 
それに、、 横アリの時に書いたスクリーンの事も、 エマちゃん、ヒーセさん、、ちゃんとギター含めて映して下さってたみたいで嬉しかった♪

花道の先でひっくり返って、、 まるでネジがどこか吹っ飛んじゃったみたいに楽しそうななLOVINがたまらなく好きです…  もうあんなじゃ 騙されてもしょうがないかなって思う、、(たとえ全部計算のウチ… って言われたとしてもネ・笑)

オフィシャルのインスタにこの日の写真が載ってました
https://www.instagram.com/p/BzngCAIAUq_/

ラストの写真、、 最後にオーディエンスとウェーヴを起こすアニーを、 ステージの奥で鶴ちゃんと並んで見守ってた、、 会場でも爆笑したけど フォト見てまた爆笑。。 ネジが壊れたロックスターから素に戻ってこんな優しいお顔して見てたのね、、 (これだからまた騙される…笑)


これだからLIVE 諦められない…


自分のいろんなものが吹き飛んで行った…  しあわせな一夜でした。

domestic な想い、思い入れ、思い込み、思い違い…:ジグムント・ミウォシェフスキ著『怒り』

2019-07-01 | 文学にまつわるあれこれ(鴉の破れ窓)

ジグムント・ミウォシェフスキ著 『怒り』上下巻 田口俊樹・訳 小学館文庫 読了。
(原著は2014年、 英訳『RAGE』2016年からの重訳)

 
ポーランドのクライムノヴェル、、 面白かったです。 上巻を読んでいる間にすでに友に「これ、なかなかの傑作だから…」と薦めました。
凄惨な事件のはじまりにもかかわらず 《面白い》と表現してしまう意味には、  登場人物のキャラの造形、 ひとつの事件の解明に留まらない物語の進展、 語りの妙で読者を惹きつける巧さ、、 などの作家さんへの称賛の意味かな。。

特に、 《笑い》の要素がすばらしいです。 ユーモア、というのとちょっと違う、、 パロディ感覚やブラックさや、 いわゆる《滑る》ネタ風の失笑や、 ツッコミを入れたくなるボケ?や、 トホホな笑いや、、(そのうち笑ってられなくなるんですけどね…) 前半はずいぶん爆笑させられました。。

主人公は 検察官テオドル・シャッキ。 40代半ばの敏腕検察官、、(だと思う、一応) 長身痩躯、髪はすでに銀髪(白髪)、、 服装は《法の守護人》らしく寸分の隙も無く…
最初のほうの描写から少し、、

 「その日の装いは彼が勝手に"ボンド・ファッション"と呼んでいるものだった。自分を印象付けたいときに着て、決して期待を裏切らないブリディッシュ・クラシック。(略) …それに上着のポケットから一センチほど出した、粗い手触りのリンネルのハンカチ。シャツの袖にはカフスボタン、つや消しをしたサージカルスティールの腕時計――真っ白で豊かな髪に合わせたものだ。まさにポーランド共和国の強さと安定の権化と化したような恰好だ…」

、、、 こういう文章、、 これはマジ? ギャグ? 著者の目線なの? それとも本人(シャッキ検察官)の思い込みなの? 、、こういう含みを持たせた文章が随所に。 ちなみにこの《ボンド》ネタはちょこちょこと後まで出てきて(カフスひとつで笑えますよね…)、 その度にプッっとふき出すことになります、、 

、、で このシャッキ検察官はワルシャワから オルシュティンという北部の都市へ赴任してきているのですが、 12月のオルシュティンの気候やこの土地の地元の事情への なんというか、 ぼやき? 罵声? 呪い? も随所に出てきて、 それがいわゆる『坊っちゃん』の松山非難に近いコミカルさがあって、、 そこまで言わなくても… と思いつつ笑えるのです。 

さきほど ボンドが出てきましたが、 その他にも音楽や映画への言及が多いのも楽しめます、、それぞれが意味深で… 、、シャッキ検察官がラジオのトーク番組で家庭内暴力の会話をした後に、 DJが

 「…気分を変えて刺激的な音楽をひとつ…」 と言ってかけるのが Aerosmith の「Janie's Got A Gun」
https://www.youtube.com/watch?v=RqQn2ADZE1A

、、わ、わらえるのか…?(汗) と思いつつ、 「巨大な口の男が歌う…」とかいう記述にふき出してしまいます。。

 ***


事件については…

ひとつの事件にとどまらず、、 それこそ笑ってはいられなくなるのですが…。 ここには さまざまな《ドメスティック》な関係性が登場し、、 それは 夫婦であり、 恋人であり、 親子であり、 職場などの同僚であり、 さきほども触れたオルシュティンという一地域のことでもあり、、 そういうさまざまな関係性のなかで、 一方が思っていることと 他方がそれに対して認識していることの《大きなズレ》、、

タイトルにも挙げましたが、 「想い」は 思いやりだったり慈しみだったり愛情だったり ある一途な想いではあるものの、 それは「思い入れ」の押し付けであるのかもしれないし、 自分の あるいは相手の勝手な「思い込み」かもしれないし、、 一方の想いとはまったく異なる「思い違い」を他方がしているかもしれないし、、 ドメスティックな距離で見えない関係の中にある大きな《齟齬》 、、ドメスティックなものだからこそ 誰にも気づかれず 誰も助けてくれない、、 怖ろしさ…

、、最初に笑いのネタとして "ボンド・ファッション"の事を書きましたけど、 この「思い込み」なのか「勘違い」なのかの伏線は 事件と物語のすべてを象徴するものだったのですね、、 と次第に気づいていく後半は、、 本当に笑いも凍りついていきます。。 巧いです…(作者さんに)

英語版タイトル「RAGE」を『怒り』と訳されていますが、 rageと angryが違うのは、 レイジはもっと強い怒り、、 ここで言うなら「逆上」が一番近い意味かと、、。 


本当は、、 現代の残酷な犯罪や 救いの無い暴力事件などは苦手で、 そういうなまなましい描写の多い作品は読みたくないのですが、 この小説は事件そのものよりも 人と人との関係性、、 人の《想い》の複雑さに、 こちらの感情が二転三転させられ、 いろんな感情が揺さぶられました。 感動したり、 ほろりとさせられる部分もあったし、、

 ***


主人公シャッキ検察官のシリーズは これが最初の邦訳ですが、 シリーズでは3作目で完結編、なんだそうです。 昨年末にシリーズ一作目にあたる『もつれ』という作品が邦訳されていました、、(こういう順序で出版するのはできればやめて欲しいなぁ、、 いろんな出版事情もあるんでしょうけど、、知ってたら絶対一作目から読みたい…)
◎編集者コラム◎
『もつれ』ジグムント・ミウォシェフスキ 訳/田口俊樹


でも、 シャッキ検察官のキャラ造形はとても素敵で、 ミステリ小説界版「エクスペンダブルズ」をやるなら、 ヘニング・マンケルさんのヴァランダー警部を筆頭に ぜひこのシャッキ検察官も入れて欲しいと思うのでした。。

… なんてことを思っていて、 さっきこのジグムント・ミウォシェフスキさんのインタビュー記事(英語)を見つけてみたら、、 やっぱり! ヘニング・マンケルさんをお好きなんだそうです。
The Author and His Translator: Working Together Is All the ‘Rage’ publishingperspectives.com

マンケルさんの「社会の影と弱者、隠れた病弊」そういったテーマを ポーランド版で書いてみようと思った、と。。 確かに、、 納得です。 自国とヨーロッパ、 そして世界の繋がりを常に意識している部分も(読むとそれがわかります) マンケルさんの姿勢を感じましたし、、。
ヴァランダー警部シリーズが何作も続いたのに こちらのシャッキ検察官はこれで終わりだなんてちょっと勿体ない気もしますが。。


ポーランド、、 という国について ほんとうに ワレサ議長と ヨハネ・パウロ二世(ローマ法王)と 『戦場のピアニスト』以外ほとんど何も知らなかったけれど、 こんな優れたミステリ作家さんがいるなら また他の作家さんも邦訳されていくと良いなと思います。

ちなみに…
作中で シャッキ検察官が冬のオルシュティンという街をずーっとけなし続けていたので どんなにかヒドイ場所かと思いきや、、 (湖が11個あるというのが特色らしい) こんな素敵な街でした⤵
https://www.olsztyn.eu/en/nature/lakes.html


 ***

ようやっとこの読書記を書きましたが、、 ほんとうはめっちゃ体調わるいんです…(泣) かろうじて本は少しずつ読めますけど、、

あぁ、、 梅雨の無い国に行きたい… シャッキ検察官が冬のオルシュティンを呪う気持ちが少しだけわかります、、 (人間は身勝手です) 雨の被害が出そうな地域もあるというのに自分の体調など…


お日さまはしばらく望めそうもありませんけど、、 できるだけ 元気で…