かっぱblog

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トゲ⑤

2012年10月25日 | 鍼治療

もうだいぶトゲの話を忘れてきた。

いろいろ飛んで、続きとも言えなくなってきたけど一応つづき。

階段を降りる時に、トゲが刺さった場所である右足外側を下につけないようにするためには、できるだけ左に重心をかけて右足を外反させる必要がある。

足の外反は筋肉でいうと主に長腓骨筋と短腓骨筋。

特に短腓骨筋は起始部は外側腓骨の外2/3で、付着部が第五中足骨粗面でトゲが刺さっていた場所は付着部の少し前だ。

刺さっていたトゲが抜けた後でも、階段を下りる時、この筋肉に不要な緊張があったのだろう。

筋肉は緊張して、付着部を起始部へ引っ張ることで役割を果たす。

トゲがなくなって床につけても痛くないのに、
「トゲが刺さった時動かしたり足をつけると痛かったから浮かせよう」
という指示が解除できていない。

記憶によるトゲ”と言える。

それによって足を外反させるため短腓骨筋等に不要な緊張が生じて、バランスが崩れて膝が痛くなった。

もし「膝が痛い」と病院や治療院に行っても、椅子に座ったりベッドで寝た状態では短腓骨筋に緊張は出ていないだろう。

どういう時に痛むのか等を詳細に調べていけば、短腓骨筋に緊張が生じることを突き止めることができるかも知れない。

もしくは事前準備としての鍼をするなどしてしてリラックス状態に入るとそれが出てくる。

流れ作業的なところだと、膝にそのまま鍼をブスブス刺したり、マッサージをしたり、電気を当てたりするかも知れない。

レントゲンをとって「異常ありません」とか言って、「軟骨が」とかになって、痛み止めやシップというのが整形では多いパターンだ。



もっと症状が進み短腓骨筋の緊張が連続的なものになってくると、誰にでも分かるようになる。

でも、だからと言って短腓骨筋の緊張が強い所(たとえば起始部や筋腹)に対して、鍼やマッサージや電気刺激をしてもあまり意味がない。

筋肉の付着部の先に問題(トゲ)の意識があるのだから、筋肉からしたら、
「引っ張れと指示されて引っ張っているだけだ」
と言うことだろう。

そういうことを無視して筋緊張が強い所に強い刺激をするのは、子供が泣いているのを理由も聞かず「黙れ」と力で押さえつけるようなものだ。

子供は怖くて泣き止むかも知れない。

でもそれは後に禍根を残す。

同じように強い刺激を加えれば筋緊張が一時的に緩むかも知れないし、薬を飲んだりシップをすれば一時的に感じなくなるかも知れない。

しかし、それで「よくなった」と喜ぶのは馬鹿げている。

理由も考えず膝周囲の筋肉を鍛えればいいと無理にスクワットをしたりするのも同じようなものだ。

そういったことが好きな人達はそのやり方・考え方しか知らず、それが効率的な解決法だと思い込んでいるのかも知れない。

そしてそのやり方を肯定してくれる人は大勢いる。

でもそれで解決できなければ、そのやり方を手放して、新たな方法を学んでいくことが必要となる。

緊張の指示を解除するにはどうするか、がテーマとなる。








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