子供が毎月PTA新聞をもらってくる。
そこで毎月書いているスクールカウンセラーの方(山口力氏)の文章がなかなかよかった。
今月は「感謝からの子育て」というテーマ。
最初にざっと目を通したら親子関係の問題は、
→「子供への尊重・謙虚で解決」
→そのために「感謝を大切に」「尊重と謙虚は感謝から」
といった流れで説明してあった。
自分は、
『ありきたりだな、感謝が大切と言っても無理に感謝しても意味がないんだよ』
などと思いながら読んでいた。
でもよく読むとさらっと「今あるものへ意識を向けた時に~感謝が生まれます」
とその前段階も書いてあった。
それで納得した。
自分としたらこちらをメインに書いた方がいいのにと思った。
どうやって向けるのか?が最も大切なことだからだ。
逆にそれさえできれば後は自然についてくる。
こうしたことはある種の技術だと思う。
自然にできないのであれば自覚的なトレーニングで身につけていくしかない。
もちろん人によって難易度は異なる。
乳幼児期に保護者との適切な接触があり、その後も尊重され、外から強く妨げられることなく育てば、無意識に今あるものへと意識が向きやすく感謝も生まれやすいことだろう。
しかしその逆だった人にとっては、とてつもなく難易度が高いことだ。
積み重なった緊張が今あるものへ意識が向くことの妨げとなっているから。
つまり、感謝しにくい人、子供を尊重できない人は緊張が強い人ということになる。
祈りや瞑想などはそういったトレーニングになると思う。
楽器演奏や運動、自然の中に入ることもトレーニングになるだろうし、子供なら外で仲間と自由に遊ぶだけでもいいと思う(家で強いストレスがなければ)。
そして皮膚に鍼をすることもそういったトレーニングの一種だと思っている。(かなりの高濃度の)
意識できなくなっている「今あるもの」は体表部分とも関連している。
体表のツボに鍼を当てて、注意を向けていくことで生じる変化は心身の慢性的な緊張を解いていく。
緊張が解けていくことで今あるものへ意識が向き、関係性も少しずつ変化していくことになる。
自分がこういったことを理解し始めたのはこの鍼を学び始めてからだ。(今も学んでいる途中)
それまで様々な機会で断片的に触れたことはあったけれど、理解できなかった。
大学時代にサマセット・モームが好きな友人がいたけれど、それを借りて読んでいたら少しは手がかりとなったのに、と今では思う。
多分、彼はこのblogをたまに読んでくれていると思うけど、あれから30年近く経ってお互い子供とよい関係でいられたらいいな。