最近、「呪いを解く者 UNRAVELLER」を読み終わった。
作者はフランシス・ハーディング。
かなり面白かった。
特に石の女の話が興味深かった。
夫に呪いをかけられ石化していく女性の話。
その呪いが解けていく過程が、体表へに鍼を続けて長年の緊張が解けていくプロセスとよく似ていると思った。
細かい描写がとてもリアルに感じた。
そして治りかけの時に、
『「そこをむしったらだめ」ネトルはリネットにきっぱりいった。
「肌がはがれちゃうから。かさぶたみたいにあつかうの 治ったら自然にはがれるから」』
これもまさにその通りだと思った。
治っていく過程で焦って急激な変化を求めると大抵悪化していく。
また、石の呪いから解放された後も、高地人(呪い人の集団)をかばうリネットに対して、
『ケレンはリネットの隣人たちの言葉を思い出した。あの子は、恐れるべきときがわかってないんだよ。もしヘビに歯が痛いといわれようものなら、牙の掃除をしてやるだろうからね。』
とリネットの自他境界が不健全であることを示している。
長年の緊張が解けても、それから学んで境界を発達させていかなければならない。