6年前、子供と一緒に2つの学童(公立)を見学した。
最初は近めの学童。
庭がなくて外で遊べず、ちょっと窮屈そうだった。
もう一つは家からは少し遠いけれど、外で遊べる学童。
子供は外で遊べる学童を選んだ。
自分もその方がよいと思った。
その施設長の先生の印象が優しそうで、とにかく子供好きな感じだったから。
その先生は学童に入る際の集団説明会の時に、
「前任の施設長の方は長くやってこられ、自分は同じようにはできないですが子供たちと楽しくやっていきます。」
などと言われていたのをよく覚えている。
かなり後になってから、その施設長の先生が小中学校で校長までつとめた方だったと知った。
子供や保護者対応のプロだったのにそういったプライドを微塵も出さず、学童の長として一から始めようとする謙虚さに驚いたものだった。
指導力もさすがだった。
子供が入った頃はまだ四年生までの受入だったのだが、その頃の女子はグループにはっきり分かれていた。
そして一年生のかわいい子を選んでグループに入れたりなど、いかにもなことをやっていた。
でも、施設長が変わってそういったことはなくなっていった。
そして子供達はかなり自由に遊んでいた。
最初の頃は、夏休みはカードゲームもOKだった。(トラブルが起きてすぐ禁止になったけど)
男の子は泥だらけになっていたし、うちの子供もカエルをつかまえたり、近くの公園にみんなで行ってボールで遊んだりなどなど。
一輪車も乗れるようになった。
子供は夏休みや冬休みはお弁当を持って朝から夕方まで楽しそうに通っていた。
外で遊べない学童から移ってくる子もちょくちょくいた。
勉強は自習が平日一時間。
長期休みは二時間。
先生達は教えることはなく、見守る。
古い公民館で勉強している様子は寺子屋のようだと思った。
何より自学自習。
これは子供にとってすごく良かったと思う。
親に勉強しろと言われることなく自然に勉強の習慣がついたから。
最初は宿題だけやっていたが、次第に問題集を自分で進めていくようになった。
「教えてもらう」という受け身の勉強になる塾に通うよりも良かった。
本屋に行き自分で問題集を選び、それを進めていくというスタイルはこれから先も役立つだろうと思う。
子供は学童で本もよく読んでいた。
施設長の先生も本好きで、学童の本だけでなく高学年になったら個人的に本を頂いたり借りたりしていた。
こんな感じで低学年の時は月額3500円、長期休みも同じだった。
途中から段階的に値上げして、今では倍以上になっている。
真冬に妻が大雪のせいで渋滞に巻き込まれ時間内に車で迎えに行けず、自分が一時間ぐらいかかって歩いて迎えに行ったのも今となってはいい思い出だ。
うちの子供が最後の一人でも先生達に全く嫌な顔をされなかったし、子供も不安な様子はなかった。
最後の二年間は新コロ対策で禁止事項が増え続けて、みんなで遊べず楽しさが減じたようだった。
学童に行かず帰ってくる日が増えはじめて、特に最後の一年間は家に帰ってくる方が多くなった。
公立学童なので市の方針にガッチリ従うのは仕方ないとは思っていた。
その分、子供は友達の家で遊んだりして学童とは違う遊び方を身につけていったようだった。
いろいろあったが、楽しくためになった六年間の学童ライフだったと思う。
感謝。