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「性暴力被害・告発手記出版の詩織さん会見」書き起こし 〔望月 衣塑子さんFBより 2017.10.27〕

2017-10-27 13:34:30 | シェアー

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心から応援したい!潰されず、めげずに、正しい問いかけを続けて欲しいです。諦めて欲しくないです。(H・F氏)

 

望月 衣塑子さんFBより
 
2017.10.27 

元TBS記者の男性から受けた性暴力被害を告発し、手記「Black Box」(文芸春秋)を出版したジャーナリストの伊藤詩織さんが二十四日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。

詩織さんは「捜査や司法システムの改正に加えて社会の意識を変えること、そして被害者を救済するシステムの整備が必要だ」と手記に込めた思いを語っている。

 詩織さんは2015年4月、就職相談のため、当時TBSワシントン支局長の男性と都内で飲食後、意識を失ってホテルに連れて行かれ、「性的暴行を受けた」として警視庁に被害届を提出。高輪署が準強姦容疑で逮捕状を取ったものの、警視庁の中村格刑事部長(当時)の指示で逮捕が見送られた。

東京地検は昨年七月、嫌疑不十分で不起訴処分とした。これを不服として詩織さんは、検察審査会に審査を申し立てたが、今年九月に「不起訴相当」の議決を受けた。伊藤さんは同月、男性に一千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。一方、男性は一貫して犯罪行為を否定している。

24日の会見のメモを掲載。動画でも配信されているので関心のある方は是非みてほしい。今回の問題は、刑事罰としての準強姦が問えるか問えないかに留まる、問題ではない。

人事権を持った人間が、人事の話しを口実に若い女性を酒の席に誘い、酔わせた揚げ句、自宅に送るでもなく、自らが泊まるホテルへと連れ込み、性行為を行った。このことをもってしてだけでも、刑事罰に問えずとも、充分に元記者の取った行為は非難されるべき問題だ。

アメリカでは、著名な大物プロデューサーが、セクハラをしていたとモデルや女優らが告発したことで、映画界を追放処分された。それと連動して、性的被害に遭ったという人々が一斉にME・TOO(私も)と自分の体験を語り始めた。同様の動きが、フランスでも起きていると聞く。しかし、今もって、日本ではME・TOOと内なる叫びはあっても声をあげられないような閉塞した状況が続いている。実際、日本社会では、性的暴行を訴える人は受けた人の5%程度だという。

「被害に遭っても言うだけ無駄」「黙っておとなしくしておくのが一番」という暗黙の空気が日本の社会全体に漂っているのは事実だろう。「これを変えていくべきではないのか。そうでなければ、また第二の私をこの社会は産み出しかねない」、会見での言葉には、彼女の切実な思いが溢れていた。

「どういう動機があなたをここまで動せるのか」。記者に聞かれ、詩織さんは「個人的な話しでないからこそ話せた。個人的な話しだと思ったら思い出さなくてもよい。思い出したくない。被害者の状況を周りの人が理解することが大切。これが自分の妹や友人におきたらどういう道を辿るのかなと思った時、同じことが起きて繰り返される事の方が苦しい。私のケースが特別なことと思っていない。友達や家族のケースに置き換えて考えることが大切なことだと思う」と話した。

自分のことだけのためだったらここまで詩織さんは事件に関して、練り強く調べ、書き上げ、会見することなぞ、到底できなかったと思う。彼女の勇気にそして「我慢し黙っていればいいんだ」とただただ沈黙する日本の社会を変えたいという、その切実な思いに応えなくてはいけない、沈黙こそが、いまこの日本社会の闇そのものではないか。会見での詩織さんの言葉を聞き、感じた。

会見起こしは以下(一部省略)

詩織さん 

私は、二年前にレイプされた。NYで写真の勉強後に戻ってきた。ロイター通信で大きな夢であるジャーナリストになろうと思っていた。2015年4月TBSのワシントン支局長と就労ビザの話しをするために会った。食事をしたあとに目を覚ました。そして、起きた時は、今日まで私が直面している悪夢のはじまりだった。

食事をしたあとに意識を失った。気付いたら元記者がのっていた。病院、レイプ救援センターに助けを求めたが、助けてくれなかった。日本の社会や司法は、性犯罪の被害者のためには機能していないことがわかった。そして、こういうことはよく起きていることがわかった。警察はこの事件の被害届けを出すことも(初めは)許してくれなかった。事件化することも、性犯罪を捜査することも難しいと言っていた。

私は沢山の疑問をもっていた。警察は何故、私の被害届けを出してくれないのか。捜査するようお願いした。ホテルのカメラ、DNAの検査結果、タクシー運転手、ホテルの従業員の証言などを調べてくれることになった。捜査員の努力により、捜査も終わり、裁判所から逮捕令状も出された。しかし、成田空港で捜査員が元記者を逮捕しようとしたら上からの命令で逮捕が見送られた。

中村格、当時の刑事部長が捜査員に逮捕やめるよう命令したということだった。説明もないまま、そういった命令が許される警察組織の在り方に疑問をもっている。中村氏にインタビューするよう努力してきたが、質問にいまだに答えてくれていない。

世界中で報告されないことがある、日本でも5%しか(性的被害は)報告されないことはよくあること。スティグマとタブーがすごい。私はこのタブーを破りたくて顔も名前も出して告白することを決めた。

日本では、社会もメディアも隠した方が言いと言われた、それは私達のためでもあると言われる。実際、捜査員にも「告訴しないように」と、勧められた。「報告すれば、ジャーナリストとしての仕事も失い、業界としての仕事もできなくなる。人生もこれで終わりだよ」と言われた。

その主な理由が、私が訴えた人が、知名度が高く、業界でも尊敬されている人だからです。公にしてからは、バッシングも迫害も受けた。前のように生活することもできなくなった。でも隠れなければいけないのは、私達被害者ではない。問題は私達を受け入れてそして信用する準備ができていない、この社会にある。私達は、話しをすることで良い変化をもたらすことができる。そして性暴力を無視することはもうできません。

 先週10月18日にブラックボックスを出した。2015年に私が経験した性暴力を被害と、そのあとの、病院やホットラインの体制問題、捜査の在り方、司法のシステム、会見後の社会の様々な反応を、これまでの記録や調査、経験もとに書いたノンフィクション。

密室の出来事であり、ブラックボックスということを検察や捜査員からうかがった。警察や検察そのものにも沢山のブラックボックスが存在していることに気付いた。

このブラックボックスにいかに光を宛て、箱を開くか、少しでもそのきっかけとなればとこの本を執筆した。本の中で自分の経験をさらすことになったが、その結果、身近に似た経験をされ、その傷みとともに生きている沢山の方々が居ることを知った。これは遠い誰かのはなしではないと知って頂きたい。どんな時代でもどんななところでもおこることだし、それについてはどう改善できるかを考えて行く必要がある。

ただ特定の誰かやシステムを非難するだけれは改善できない、私達一人一人がどう改善できるかを考えていかなくてはならない。本書ではたまたま私の身に起こったことを例にして話しているにしか過ぎない。でも何がこれから必要かを話すため、過去の話をする必要がある。

前回5月29日の(顔出し)会見で話したように、検察審査会の申し立てを行った。検察審査会より不起訴相当の議決が出された。現在の司法では私の訴えた準強姦の事件は起訴ができないとなった。

 検察審査会は検事が出した答えを再度見直し、精査するもの。そのため必要な資料や証言を集めて提出した。審査会の場には申立人が呼ばれ、事情を聞かれることもある、代理人が呼ばれることもある。今回は私も弁護士も検察審査会に呼ばれることなく、議決が出た後もそれに対する説明はなかった。

不起訴を覆す理由がないということだったか、その内容の具体的説明はなかった。申し立てを行った際にとくに注意をつけてお願いしたことある、私がタクシーを出て引きずられ、降ろされる映像を静止画ではなく、防犯カメラを動画でみて頂きたいといった。しかし、動画が証拠で出たかどうかもわかりません。

検察審査会に質問を出したが、検察審査会法26条を根拠に一切の回答を貰えなかった。検察審査会は非公開であるとはいえ、説明の機会がなかったことはさらに疑問を得た。この時に聞いた質問のうち審査員の男女比と平均年齢には回答をもらった。
 
それは男性が7人女性が4人、平均年齢は50.45歳だった。男女で問題のとらえ方が異なるものについて男女比を半々に近づけていただけなかったことは大変残念に思う。
この本の最後に書いたが、認めている事実は以下だ。

1 当時TBSの元記者と私が働くために必要なビザを話すために話し合った。

2 元記者に会ったのはそれが三回目。二人きりであったのはそれが初めて。

3 そこに恋愛感情はなかった。

4 私が泥酔した状態だと元記者は認識していた。

5 元記者は自身の滞在しているホテルに私をつれていきました。

6 性行為があった。

7 私の下着のDNAの染色体が、元記者のものと過不足なく一致した。

8 意識のないまま引きずられる私がうつった映像、降ろして欲しいと繰り返し言っていた証言を集め、逮捕状を請求、裁判所がそれを許可した。

9 逮捕の当日、捜査員が成田空港で待ち伏せる中、中村格刑事部長の指示で、逮捕が突然とりやめられた。

これだけの事実があってもいまの日本の司法は起訴することさえできない。中村格氏には逮捕の当日やめた理由を何度も聞いているが、何の回答も得られていない。先日おこした民事訴訟の場ではこれまでと違い、初めて法廷でお互いに事実関係をのべあい、第三者による公平な判断がくだされる、このブラックボックスが少しでも開かれることを祈っている。

 そして外国特派員協会で話せる今日、この問題を報じるメディアの問題についてです。判断が見送られて以来、二年間メディアに協力してきたが、この問題を正面から報じてくれるメディアはいなかった。逮捕見送りの問題点を報じてくれたのは、週刊新潮だけだった。

今回の経験から、仮に国や司法で間違った判断が行われた場合、メディアがどう検証するのか。本当に正しい判断が出されたのか。という視点を持ってくれることを願う。それだけで沢山の人が救われる可能性があるのです。

 最後に私がこの本で一番述べたかったのは、捜査や司法のシステムの改正に加えて社会の意識を変えて行くこと。そしてレイプにあった人々への救済システムへの整備が必要だということ。

これについては他国の取り組みを取材した内容も記載したので是非、本書を読んで欲しい。7月から改正刑法が施行され、強姦罪は強制性交等罪と言われるようになった。まだ不十分な所はあるが、変化したという事実は多くの人に希望を与えました。今回、強姦罪に大幅な改正を加えるには110年という長い時間がかかったが、性被害にあった方が声を上げた結果、変えることができた。

私達が広く問題意識を持つことでこのように長い間待たなくてもきっと変化が起こせることになると思った。今回の改正法では、暴行や脅迫要件の緩和がされませんでした。被害者が抵抗できないほどの暴力、脅迫がなければ罪に問われないという現状はかわっていません。

しかし、ある調査結果ではレイプ被害者の7割がフリーズ(膠着)状態に陥るという結果が出ている。この点については三年後の見直しの機会についてさらなる見直しの議論が行われると言われている。この本がその助けになればいいと思う。

イタリア人記者の質問
 日本の女性からの連帯など、言葉などはないのかあるのか。

詩織さん
日本の中では女性の弁護士からは連絡ある。団体からはない。イギリスからはあった、日本の動きについて話しをした。

イタリア人記者
 週刊新潮に出ていた中村格・刑事部長の引用「女も就職の世話が欲しいという思惑があったから飲みに行ったのであって所詮男女のもめ事。彼女は二軒目にも同行しているんだしさ」とあるが、どういう意図があると思うのか。

詩織さん
 中村氏の言葉の意味はわからないが、NHKの「あさイチ」のリポートで、二人きりで食事をしたら、性行為の同意があっても仕方がないと思うもの、という調査で11%もいる。中村氏もそういう風に思うのか。

(告発後に)女性からのバッシングも受けた、ネガティブなコメントもうけた。(日本社会の女性達は)この社会で生きるためには忍耐しかないと思っているのではないか。スウェーデンの職場での男女平等が進み、高いポジションの人も3割を占めている。女性の地位、権力、高いものを占めている。自分とは、違う意見の人とももっと話しをできたらと思っている。

 ブラックボックスが沢山ある。検察にもある。警察にもある。中村氏から答えを貰っていない。国会で議論していってもらえればと思う。スウェーデンには30%女性の警察官がいる。日本ではわずか8%のみだ。

ジェームズ・ディフェンス・ウィーク記者
日本では、アクセスジャーナリズム 権力にすりよって出世していくジャーナリズムはある。それは、権力や権威に強い人が上がっていく。けれど、社会の苦しみや葛藤から、下から救い上げていくような、ジャーナリズムが少ないのではないか。

 

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「月刊Hanada」(飛鳥新社)12月号

 ・・・元TBS記者・山口敬之氏からのレイプ被害を告発したジャーナリストの伊藤詩織さんが、今月24日、外国特派員協会で記者会見を行った。会見で詩織さんは、日本の司法や社会システムが性犯罪被害者のために機能していないことを指摘しながら、捜査の過程で明らかにされない「ブラックボックス」に光をあてることの必要性をあらためて語った。

 そんななか、本日発売の「月刊Hanada」(飛鳥新社)12月号が、「私を訴えた伊藤詩織さんへ」と題した山口氏の“独占手記”を掲載。「週刊新潮」(新潮社)の第一報後に雲隠れしていた山口氏は、Facebookや代理人弁護士を通じてしかコメントを出しておらず、本人がメディアに寄稿して“反論”するのは初のことだ。

 しかし、その内容は、自分の一切の非を認めないだけでなく、詩織さんへの誹謗中傷・人格攻撃と陰謀論、そして矛盾だらけの自己弁護が混在したもの。納得できる反論どころか、山口氏の行為の悪質性を逆に浮き彫りにしている。

 

 

 

 


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