☆言葉も文化も宗教も違う場所でこれほどまでの成果を上げることができたのは、アフガン人が中村医師の中に信ずるに足る信義を見たからだ。それが日本への信頼であり、優れた安全保障になってきた。だれも成し遂げることができなかったアフガン和平への一つの解答がここには示されている。
谷津 賢二さんFBより 7月14日
集団的自衛権の名のもとに不毛な戦争が行われ、惨憺たる結末をむかえたアフガニスタンのことを今、思い出す。
アメリカの分別無き行動に多くの国々が従い、アフガニスタンに侵攻した。この集団行動が醜悪だったのは軍事行動を「アフガン復興」という名の元に行ったことだ。そして、その結果は何をアフガニスタンにもたらしただろうか?4万人もの死者と無数の負傷者、闇に消えた膨大な援助金、破壊された田畑、そして踏みにじられた人心。
これほどのインチキが国際協調の美名のもとに行われれば、アフガニスタンの人々が怒らないはずはない。そしてそのまっとうな怒りを国際社会は再び「原理主義者の暴走」と誤解する。そこには凄まじい憎しみと暴力の連鎖しか残らない。安倍政権はこの負の連鎖の中に入ろうとしていることを私達は肝に銘じていたい。
しかし、一方で私はその地で希望も見てきた。何度も紹介してきたペシャワール会の中村哲医師の活動だ。12年の歳月をかけ中村医師とアフガン人によって作られた用水路の水で今、60万人の命が支えられている。アメリカの集団的自衛権行使によって極端に悪化した治安の中、用水路沿いだけは奇跡的な平安が保たれている。
アフガンの人々の望みは大それたものではない。家族が一緒に暮らし、1日3回ご飯が食べられること。その望みと中村医師が真摯に向き合ってきた結果がもたらした平安だ。言葉も文化も宗教も違う場所でこれほどまでの成果を上げることができたのは、アフガン人が中村医師の中に信ずるに足る信義を見たからだ。それが日本への信頼であり、優れた安全保障になってきた。だれも成し遂げることができなかったアフガン和平への一つの解答がここには示されている。さらに言えば中村医師の活動には、日本が今後、国際社会のなかで生きていく上での道筋が示されている。