グノシー https://gunosy.com/articles/aLxO3より転載
「なんて微笑ましい領土争いなんだ!」デンマークとカナダの『ハンス島』をめぐる主張のしかた
- らばQ
- 更新日:2015/11/23
領土問題は、国際関係を何かとギクシャクさせるものです。
カナダとデンマークの間でも、100年にわたって「ハンス島」と呼ばれる小さな無人島の領有権が争われてきました。
ところが、両国の主張のしかたが、かなり変わっていると注目を浴びています。
どんな主張なのかというと……
なんと両国の軍隊がたびたびこの島を訪れては、自国の旗を立て、さらに自国のお酒のボトルを置いていくという手法なのです。
デンマークの軍隊が上陸した時にはシュナップスを、カナダの軍隊が上陸したときにはカナディアンウィスキーに置き換えていくとのこと。
「ウィスキー戦争」と呼ばれるこの主張合戦。もともと友好的な国民性と言われる両国なだけに、領地の取り合いもユニークで平和的な方法となるようです。
ハンス島は、グリーンランド(デンマークの自治領)と、カナダのエルズミーア島との間のネアズ海峡に位置します。
デンマークは1815年にはグリーンランドの支配を確立しており、長期にわたって北極地方の存在は明らかにされてきました。
カナダは、16世紀ごろから領有権を保持していたイギリスからの独立プロセスが1867年に始まり、同年にアメリカがロシア帝国からアラスカを購入したことから、イギリス人とアメリカ人のこの地域への興味が強まりました。
(※当時の探検地図はイヌイット族やグリーンランド在住のデンマーク人を頼っており、ハンス島の名前はアメリカ人探検家のハンス・ヘンドリック氏が由来)
しかし1880年に、イギリスが領有権をカナダに移譲した際には、ハンス島は含まれていませんでした。
一方のデンマークも地図にようやく含めることができたのが1920年代と、地図上では面積がたった1.3平方キロメートルであることから、ないがしろにされてきたような小さな点だったのです。
そうした曖昧な歴史があるものの、その位置が国益が生じる可能性のある国際海域にあることから、この奇妙な領有権の主張が続いているそうです。
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昔は、日中とも、尖閣諸島問題は”紛争のタネ”にならないよう、常に棚上げで合意してきた。しかし、今は…
安倍政権の広告塔となってしまった、あの読売新聞の、《昔の》社説です。(1979年5月31日)
「尖閣問題を紛争のタネにするな」
画像by上野 俊一さんFB