電子楽譜は急速に浸透した。かなり以前からアイディアはあったように思うが普及の要因として大画面で鮮明な画面のタブレットが登場したこと、撮影によるスキャン技術の進歩、流行に敏感な世代が取り入れ始めたこと、が挙げられると思う。紙の楽譜はフレキシブルなので少量であればちょっとしたスペースに詰め込むことができるのに比べて大型のタブレットは嵩張る上に重く現場でトラブルを発生する危険もありそれなりのリスクもある。一方で大量の嵩張る楽譜を保存できる、楽譜を探す手間がなくなる、楽譜の忘れ物がなくなる、セットリストを組めるので楽譜の管理が格段に楽になる、などメリットは多々あり一過性の流行ではないことは確実だ。導入に伴う出費は痛いがそろそろ取り入れようと重い腰を上げた。
まず必要なもの筆頭の大画面タブレット、これは12.9inch iPad Pro 一択なのだが歴史があり現在は第6世代。新品はなかなか高価でもし挫折したら、、と考えるとやはり躊躇する。実は随分前のiOS8.3時代に一度iPadを購入したことがあったのだがiOSに馴染むことができず常用できなかった過去がある。電子楽譜の黎明期にA4見開きの専用タブレットが発売されたのだが専用品で高価だったこともあって普及しなかった。電子楽譜のためにiPadを購入したがやっぱり使いこなすことができなかった時の保険として楽譜として使えなくても普通にタブレットとして使えるじゃないか、、という安心感は大きい。それにしても新品は手が届かない。iPad Pro 12.9inchは特に第3世代から仕様が大きく変わったらしくそれ以降に絞って中古を探していた。各世代ごとの価格の差ははっきりしていて出物はほとんどない。いつまで迷っていても先に進めないので決心して選択したのはひとつ前の第5世代128GB。次の必需品はApple Pencilまたは互換製品、これも対応しているiPadを確認する(といっても2世代しかない)。そして譜面台に載せて使うことが多いと思うがこの高さから落下することを想定して画面保護フィルムや保護ケース(有効か否かは実際に落下しないとわからない)。ページめくりのためのフットスイッチ、これは活用できるようになってからにしよう(まだグダグダ言ってる、、)。
ソフトウェアは定番があるらしく電子楽譜アプリPiascoreとスキャンソフトEvernotr Scannable 、これらは無料でappで入手できる。解説HPやyoutube動画もあり使用にあたってはほとんど困ることはない。特に便利に感じたのはスキャンソフトはタブレットを楽譜にかざすだけで自動的にシャッターが切れるので(タブレットを両手で持ちながら空いている指でシャッターボタンを押すのは至難の業)読み込みは非常にスピーディーに行うことができる。そしてスキャンソフト上で体裁を整えて一曲分の楽譜データとしてPiascoreに送ると電子楽譜アプリ上でリストに加わる。これらの作業はソフトを跨いでいるにも関わらず殆どシームレスで行うことができる。気をつけないといけないのはPiascoreで扱うファイルはPDFだけなのでもし他から画像データとして受け取る場合にはPDFに変換しないと読み込むことができない。この裏技まで紹介されていた。またスコアのネーミングも検索しやすいように最初三文字を仮名にしておくなどのノウハウは現場で鍛えられていることを感じさせる。
実際に使ってみるとスムーズに行うことはできる。ただ品位の高いスコアを表示するにはそれなりの工夫が必要と思う。五線譜は横の直線なので画面が歪んでいるととても気になる。カメラで撮影するときにいかに歪みなくスピーディーに行えるかにかかっている。実は楽譜を「スキャナーで読み込むのではなくカメラで撮影する」というのもポイントで1ページごとにスキャナーで読み込んでいたのでは時間と手間がかかりすぎてここまでの普及は難しかったと思う。高性能のカメラも電子楽譜が普及するための後押しとなった。高品位に撮影するには楽譜を透明な板で押さえつけて平らにする、カメラ(タブレット)を一定の高さで固定するスタンド、適切な照明、などが必要になる。これについてもHPや動画でいろいろ工夫したことが紹介されているがちょっと大変そうでさてどうするかな、、。
これは以前使っていたプリンター複合機の部品だが綺麗な透明のアクリル板なので捨てないでおいたもの。適当に重量もあるのでこれでA4までの原稿を抑え込むことができるが照明を工夫しないと写真のようにライトが映り込む。そうなると原稿の一部が消えてしまう。
何曲か読み込むうちにちょっとくらい歪んでいても読めればいいかもしれない、、。と思うようになってきた。完璧に読み込むにはスキャナの出番だが時間がかかりとても使う気がしない。そういえば多くの楽譜をコピーするのもかなり面倒だったし時間がかかった。(反面紙を選ぶなどの工夫をしてオリジナルと見分けがつかないような不正コピー(!)ができた時は嬉しかった)タブレットのカメラを使うことで現場でスコアを撮影してその場で電子楽譜化することも容易にできる。PDF化することの補正は十分行われて画質を高める必要はあまり感じない。(ずぼら警報発動中)
便利だったのは保護シートにオマケで付いていた軸が凹んだタッチペン。
売り物にならないのでオマケになったと思うが編集時の切り抜きの範囲指定やページめくりなど数が多い場合には指を使うよりも格段に楽でこれは必需品になった。
実際に使ってみるとやはりページめくりペダルは欲しい。1ページ表示ではめくりも頻繁なのは当たり前だ。私は白内障手術を受けた緑内障患者なのだがこのサイズでも十分に識別できて紙の楽譜との違和感も少ない。紙楽譜の時は照明が必需だったが電子楽譜では逆にライトが写り込んで見にくいことがある(これは画面保護ガラスシートの関係もあるかもしれない)ので照明を必要としない。レティナディスプレイのバックライトで浮かび上がる五線譜は美しくてなるほど急速に普及した理由も理解できた。
ダウンロードなど紙楽譜以外の入手も今後は増えそうだがしばらくは教則本や紙楽譜との併用が続くと思う。紙楽譜に書き込まれたデータはとても貴重だが書き込みすぎると見難くなってしまう。基本的な書き込みが済んだらその後は電子楽譜にしてそこに書き込もうか、、などいろいろと工夫することになりそうです。
お読みいただきありがとうございました。
その後1
画面を叩くとメニューが横と下に現れるのだがちょっと字が小さくて見にくい。
横メニュー
でもこの5つの項目は役立つものばかり。メトロノームとレコーダーは畳んでおけば楽譜が見えにくくなることもない。既存のアプリのようだがレコーダーだけ課金(900円)が必要。単体のチューナー、メトロノーム、レコーダーも要らなくなった。
下メニューでは書き込み用のパレットが現れる。またページめくりの項目で表情を読み取ってめくる機能があるらしいがこれはちょっと不安だし演奏しながら変顔やウインクは勘弁して欲しい。それよりも縦にゆっくりとスクロールする機能が選択できてテンポが一定の曲などは非常に便利でもちろんスクロールのスピードも調節できる(数値の記入もできるが調節バーはもう少し長い方細かな設定がやりやすい)。演奏家の動画でいつまでたってもページめくりしていない(ペダルも踏まない)のがあって不思議だったのだがこの機能を使っているのかもしれない。
その後2
ケースなどと一緒に注文していたフットスイッチがようやく届いた。
SKY TURNERという名前でワンフットスイッチ。通常は「めくりともどりの2スイッチ」なのだがスイッチの位置を確認しないと踏み間違いをしてしまいそうなのと1600円(送料込み)という安価にひかれた。Blue toothで40時間稼働、めくりは1回、もどりは2回踏む。たとえページに渡る繰り返し指示の楽譜でも指示されたページを並べるので演奏中は戻ることはほとんどない。欠点はスイッチ音が大きいことらしく交換も考えていたがそんなに気にならなかった。小さいので足元に置き忘れそう。紛失注意!
雑記1
骨折の手術からもう少しで4ヶ月、最近は近所の丘を歩いたりのリハビリを続けている。当然釣りも行くことができなかったが先日誘われて河口の砂地にハゼ釣りに出かけた。竿は延べ竿、リール竿両方持っていったが延べ竿が使いやすそう。途中で砂虫200円分、そしてまだ暑いので腰に巻くタイプのライフジャケットを購入して向かった。
早々に雨が降ってきて釣果はこれだけ、天ぷらで食べました。ファミリーフィッシングには最適なエリアで連休なので多くの釣り人で賑わってました。アウトドアにはいい季節。
雑記2
エアコンが壊れました。近くの量販店で2007年に購入したらしい(お店に履歴があった)。この盛夏にはずいぶん無理をしたのでそのツケが回ってきた。早速修理をお願いしたが室外機はあまりにも汚いのでパネルをはずして掃除した。
症状は運転開始して30分から1時間でストップするというもの。しばらくは弱いながらも冷気は出ていたように思うがそのうち全く冷えなくなった。運転ランプが点滅して異常を知らせるがリモコンを操作するとエラーコードが出る。それによると冷媒が抜けている様子で電源プラグを抜くとリセットされる。修理は最初は量販店からそしてメーカーのサービスを手配してもらい再度診断してもらった。
冷媒漏れは室内機からだそうで(このタイプの室外機からの漏れは非常に少ないのだそうです)部品も供給体制にある。修理費用は部品代金、交換費用、冷媒代金を合計すると多分8万円くらいとのこと。同程度の規模の新品のエアコンは20万円ほどで購入できること、このエアコンを購入してから16年経過していること、新しいエアコンは電気代が年間で5000円程度は安くなるとの説明があり修理をせずに交換することにした。実は最初からそのつもりだったが一応診てもらってからにしたのはもしかしたら些細な修理で復活しないかという淡い期待があったこと、最近は涼しくてエアコンのいらない季節だからそうあせって対応しなくても済んだことから。これが盛夏だったら1日も我慢はできなかっただろうと思う。もっともエアコンの取り付けは混み合っている時期は1ヶ月先みたいな告知もあったので盛夏の故障では修理一択だったかもしれない。(それも繁忙期のメーカーサービスがすぐに来てくれるかもわからない)でも今はなるべく安売りの時期を狙って購入しようと目論んでいます。2回の出張診断代金もサービスしてもらったし修理を考えるとやっぱり近所のお店からにしようかな。