Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

電子楽譜入門

2023-10-07 22:58:19 | ガジェット

 電子楽譜は急速に浸透した。かなり以前からアイディアはあったように思うが普及の要因として大画面で鮮明な画面のタブレットが登場したこと、撮影によるスキャン技術の進歩、流行に敏感な世代が取り入れ始めたこと、が挙げられると思う。紙の楽譜はフレキシブルなので少量であればちょっとしたスペースに詰め込むことができるのに比べて大型のタブレットは嵩張る上に重く現場でトラブルを発生する危険もありそれなりのリスクもある。一方で大量の嵩張る楽譜を保存できる、楽譜を探す手間がなくなる、楽譜の忘れ物がなくなる、セットリストを組めるので楽譜の管理が格段に楽になる、などメリットは多々あり一過性の流行ではないことは確実だ。導入に伴う出費は痛いがそろそろ取り入れようと重い腰を上げた。

 まず必要なもの筆頭の大画面タブレット、これは12.9inch iPad Pro 一択なのだが歴史があり現在は第6世代。新品はなかなか高価でもし挫折したら、、と考えるとやはり躊躇する。実は随分前のiOS8.3時代に一度iPadを購入したことがあったのだがiOSに馴染むことができず常用できなかった過去がある。電子楽譜の黎明期にA4見開きの専用タブレットが発売されたのだが専用品で高価だったこともあって普及しなかった。電子楽譜のためにiPadを購入したがやっぱり使いこなすことができなかった時の保険として楽譜として使えなくても普通にタブレットとして使えるじゃないか、、という安心感は大きい。それにしても新品は手が届かない。iPad Pro 12.9inchは特に第3世代から仕様が大きく変わったらしくそれ以降に絞って中古を探していた。各世代ごとの価格の差ははっきりしていて出物はほとんどない。いつまで迷っていても先に進めないので決心して選択したのはひとつ前の第5世代128GB。次の必需品はApple Pencilまたは互換製品、これも対応しているiPadを確認する(といっても2世代しかない)。そして譜面台に載せて使うことが多いと思うがこの高さから落下することを想定して画面保護フィルムや保護ケース(有効か否かは実際に落下しないとわからない)。ページめくりのためのフットスイッチ、これは活用できるようになってからにしよう(まだグダグダ言ってる、、)。

 ソフトウェアは定番があるらしく電子楽譜アプリPiascoreとスキャンソフトEvernotr Scannable 、これらは無料でappで入手できる。解説HPやyoutube動画もあり使用にあたってはほとんど困ることはない。特に便利に感じたのはスキャンソフトはタブレットを楽譜にかざすだけで自動的にシャッターが切れるので(タブレットを両手で持ちながら空いている指でシャッターボタンを押すのは至難の業)読み込みは非常にスピーディーに行うことができる。そしてスキャンソフト上で体裁を整えて一曲分の楽譜データとしてPiascoreに送ると電子楽譜アプリ上でリストに加わる。これらの作業はソフトを跨いでいるにも関わらず殆どシームレスで行うことができる。気をつけないといけないのはPiascoreで扱うファイルはPDFだけなのでもし他から画像データとして受け取る場合にはPDFに変換しないと読み込むことができない。この裏技まで紹介されていた。またスコアのネーミングも検索しやすいように最初三文字を仮名にしておくなどのノウハウは現場で鍛えられていることを感じさせる。

 

 実際に使ってみるとスムーズに行うことはできる。ただ品位の高いスコアを表示するにはそれなりの工夫が必要と思う。五線譜は横の直線なので画面が歪んでいるととても気になる。カメラで撮影するときにいかに歪みなくスピーディーに行えるかにかかっている。実は楽譜を「スキャナーで読み込むのではなくカメラで撮影する」というのもポイントで1ページごとにスキャナーで読み込んでいたのでは時間と手間がかかりすぎてここまでの普及は難しかったと思う。高性能のカメラも電子楽譜が普及するための後押しとなった。高品位に撮影するには楽譜を透明な板で押さえつけて平らにする、カメラ(タブレット)を一定の高さで固定するスタンド、適切な照明、などが必要になる。これについてもHPや動画でいろいろ工夫したことが紹介されているがちょっと大変そうでさてどうするかな、、。

 これは以前使っていたプリンター複合機の部品だが綺麗な透明のアクリル板なので捨てないでおいたもの。適当に重量もあるのでこれでA4までの原稿を抑え込むことができるが照明を工夫しないと写真のようにライトが映り込む。そうなると原稿の一部が消えてしまう。

 何曲か読み込むうちにちょっとくらい歪んでいても読めればいいかもしれない、、。と思うようになってきた。完璧に読み込むにはスキャナの出番だが時間がかかりとても使う気がしない。そういえば多くの楽譜をコピーするのもかなり面倒だったし時間がかかった。(反面紙を選ぶなどの工夫をしてオリジナルと見分けがつかないような不正コピー(!)ができた時は嬉しかった)タブレットのカメラを使うことで現場でスコアを撮影してその場で電子楽譜化することも容易にできる。PDF化することの補正は十分行われて画質を高める必要はあまり感じない。(ずぼら警報発動中)

 便利だったのは保護シートにオマケで付いていた軸が凹んだタッチペン。

 売り物にならないのでオマケになったと思うが編集時の切り抜きの範囲指定やページめくりなど数が多い場合には指を使うよりも格段に楽でこれは必需品になった。

 実際に使ってみるとやはりページめくりペダルは欲しい。1ページ表示ではめくりも頻繁なのは当たり前だ。私は白内障手術を受けた緑内障患者なのだがこのサイズでも十分に識別できて紙の楽譜との違和感も少ない。紙楽譜の時は照明が必需だったが電子楽譜では逆にライトが写り込んで見にくいことがある(これは画面保護ガラスシートの関係もあるかもしれない)ので照明を必要としない。レティナディスプレイのバックライトで浮かび上がる五線譜は美しくてなるほど急速に普及した理由も理解できた。

 ダウンロードなど紙楽譜以外の入手も今後は増えそうだがしばらくは教則本や紙楽譜との併用が続くと思う。紙楽譜に書き込まれたデータはとても貴重だが書き込みすぎると見難くなってしまう。基本的な書き込みが済んだらその後は電子楽譜にしてそこに書き込もうか、、などいろいろと工夫することになりそうです。

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

その後1

 画面を叩くとメニューが横と下に現れるのだがちょっと字が小さくて見にくい。

横メニュー

    

でもこの5つの項目は役立つものばかり。メトロノームとレコーダーは畳んでおけば楽譜が見えにくくなることもない。既存のアプリのようだがレコーダーだけ課金(900円)が必要。単体のチューナー、メトロノーム、レコーダーも要らなくなった。

 下メニューでは書き込み用のパレットが現れる。またページめくりの項目で表情を読み取ってめくる機能があるらしいがこれはちょっと不安だし演奏しながら変顔やウインクは勘弁して欲しい。それよりも縦にゆっくりとスクロールする機能が選択できてテンポが一定の曲などは非常に便利でもちろんスクロールのスピードも調節できる(数値の記入もできるが調節バーはもう少し長い方細かな設定がやりやすい)。演奏家の動画でいつまでたってもページめくりしていない(ペダルも踏まない)のがあって不思議だったのだがこの機能を使っているのかもしれない。

 

その後2

 ケースなどと一緒に注文していたフットスイッチがようやく届いた。

SKY TURNERという名前でワンフットスイッチ。通常は「めくりともどりの2スイッチ」なのだがスイッチの位置を確認しないと踏み間違いをしてしまいそうなのと1600円(送料込み)という安価にひかれた。Blue toothで40時間稼働、めくりは1回、もどりは2回踏む。たとえページに渡る繰り返し指示の楽譜でも指示されたページを並べるので演奏中は戻ることはほとんどない。欠点はスイッチ音が大きいことらしく交換も考えていたがそんなに気にならなかった。小さいので足元に置き忘れそう。紛失注意!

 

雑記1

 骨折の手術からもう少しで4ヶ月、最近は近所の丘を歩いたりのリハビリを続けている。当然釣りも行くことができなかったが先日誘われて河口の砂地にハゼ釣りに出かけた。竿は延べ竿、リール竿両方持っていったが延べ竿が使いやすそう。途中で砂虫200円分、そしてまだ暑いので腰に巻くタイプのライフジャケットを購入して向かった。

 早々に雨が降ってきて釣果はこれだけ、天ぷらで食べました。ファミリーフィッシングには最適なエリアで連休なので多くの釣り人で賑わってました。アウトドアにはいい季節。

雑記2

 エアコンが壊れました。近くの量販店で2007年に購入したらしい(お店に履歴があった)。この盛夏にはずいぶん無理をしたのでそのツケが回ってきた。早速修理をお願いしたが室外機はあまりにも汚いのでパネルをはずして掃除した。

 

症状は運転開始して30分から1時間でストップするというもの。しばらくは弱いながらも冷気は出ていたように思うがそのうち全く冷えなくなった。運転ランプが点滅して異常を知らせるがリモコンを操作するとエラーコードが出る。それによると冷媒が抜けている様子で電源プラグを抜くとリセットされる。修理は最初は量販店からそしてメーカーのサービスを手配してもらい再度診断してもらった。

 

 冷媒漏れは室内機からだそうで(このタイプの室外機からの漏れは非常に少ないのだそうです)部品も供給体制にある。修理費用は部品代金、交換費用、冷媒代金を合計すると多分8万円くらいとのこと。同程度の規模の新品のエアコンは20万円ほどで購入できること、このエアコンを購入してから16年経過していること、新しいエアコンは電気代が年間で5000円程度は安くなるとの説明があり修理をせずに交換することにした。実は最初からそのつもりだったが一応診てもらってからにしたのはもしかしたら些細な修理で復活しないかという淡い期待があったこと、最近は涼しくてエアコンのいらない季節だからそうあせって対応しなくても済んだことから。これが盛夏だったら1日も我慢はできなかっただろうと思う。もっともエアコンの取り付けは混み合っている時期は1ヶ月先みたいな告知もあったので盛夏の故障では修理一択だったかもしれない。(それも繁忙期のメーカーサービスがすぐに来てくれるかもわからない)でも今はなるべく安売りの時期を狙って購入しようと目論んでいます。2回の出張診断代金もサービスしてもらったし修理を考えるとやっぱり近所のお店からにしようかな。


Canon キャノーラ 130 (Canola130) について

2023-03-11 15:48:12 | ガジェット

 1回目の東京五輪が開催された1964年、東京晴海での日本ビジネスショーで日本国内4社から同時に日本初の電子卓上計算機が発表された。その年の6月には早川電機(シャープの前身)から国内で初めて市販された。

 以前よりカシオからリレー式計算機は市販されていたが初めてトランジスターやダイオードを用いた電子回路となった。その後IC化、LSI化され表示もニキシー管、点光表示 LED   液晶と変化した。価格競争も激化し各社毎年のように価格の下がった新製品が発売された。LSI化が進んだ頃には一時は数十社が市場に参入していたがあっという間に沈静化し太陽電池式のカード電卓に行き着いた頃にこの熱狂ぶりの終焉を迎える。また多機能化も進んで関数内蔵やBASICを積んだポケットコンピューターなどPC化していく流れもあった。

 Canon Canola 130は4社から発表された日本最初の電卓のうちの一台でCanonカメラ(Canonの前身)から1964年10月に市販された。開発期間は約2年間、13桁表示で1兆まで表示、「Canola」は最初同社のカメラの名称として用意されていたがこちらに転用された。また「130」は13桁表示から来ている。使われた半導体はゲルマニウムトランジスタ600本 ダイオード1600本で1964年当時の価格は北海道を除いて395,000円、北海道は415,000円。

 

(引用:http://www.dentaku-museum.com/calc/calc/3-canon/1-canond/canond.html)

 

 写真でしか見たことはなかったが縁あって拙宅にやって来た。予想はしていたが最初の印象はとにかく大きい。半導体が2200個収まっているのだから当然で昔のブラウン管一体型コンピュータくらいの大きさがある。しかし机には十分載るので「卓上」に偽りはない。表示方法は点光式という珍しいもので同社の初期の電卓数機種に採用された。数字のサイズは大きい。キーボードはまだフルキーが多かった時代に現在と同じスマートなテンキーが採用されスッキリしている。全体の佇まいは写真で見る他社製品と比べても非常に洗練されている印象。

 

   

早速掃除を兼ねて内部を見てみると

   

 点光式表示はCanola130以外でも同社のCanola製品で何台かに採用された。

    

キーボード下にある大きな電源トランスと電解コンデンサー、熟練のハーネス。

   

非常に大きな基板はコネクター接続ではなく側面のボードに差し込まれて21端子が裸線でハンダづけされている。チェックはこの部分で行うのだろうか。

          

 電圧は少々異なるところもあるが数種類いずれも出力している。

 幸い取扱説明書は入手することができた。

 現在電源スイッチを入れると表示が乱れCキーで0が並ぶが次にどのキーを押してもまた数字が重なったような乱れた表示となる。Cキーでまた0に戻る。矢印キーで小数点の位置は移動する。現在まで修理、メインテナンスの手が入った様子はなく稼働させるには修理が必要なようだが使用説明書以外の回路図やトラブルシューティングマニュアルなどの資料は入手できていない。

 Canola 130は日本の電子機器における歴史的に貴重な製品だと思われます。興味を持たれた方はコメント欄からもしくは koban@mx31.tiki.ne.jp までご連絡ください。


ニキシー管電卓 について

2023-01-10 09:17:26 | ガジェット

 ニキシー管はデジタル表示の歴史では最初期のもので現在まで70年近く経過したが今だに流通しているデバイス。ニキシー (Nixie) という名称の由来は、"Numeric Indicator eXperimental No.1"の省略形である"NIX I"で原理は100年ほど前には考えられていたがデジタル表示という需要が求め始められた1950年代に米国の小さな真空管製造会社で製品化された。各国で生産されたが1970年代には液晶やLEDに置き換わっていき1990年代に製造が終了した。しかし近年でもロシア、ウクライナなどで大量に生産されたものが入手できまた人気の再燃で再生産の動きが各国で見られる。

 ニキシー管はガラスバルブに納められた電極に100Vの商用電源を整流したDC140V〜170V程度をかけてネオン管のように発光させる。バルブは0.15気圧ほどの低圧でネオン、水銀、アルゴンなどのガスが封入され製品寿命は20万時間を超えるものもあるらしい。主に0から9までの数字や小数点などが表示され前後に不揃いに並んだ独特の揺らぎのある表示が見る人を和ませるのか現在でも採用した時計は多くの製品が販売されている。近年のロシア・ウクライナ情勢でかつての製品の入手が困難になり価格が高騰しているが日本や中国などで新たな製品開発の動きがあるらしい。

 ニキシー管を使った製品はかつては時計以外でも電卓、周波数カウンター、マルチメーターなど多数あったが現在ではほぼ時計に限られ実用的な手段から趣向品に存在価値を移した。機械式時計と異なりICやLSIを使用した回路は部品数も少なく基板があれば自作も比較的容易でキットも販売されていた。私も以前海外製のキットを組み立てて100均のディスプレイケースに入れて税に浸っていたが1年ほどで故障して表示しなくなりICなど交換したが復帰できず諦めた事がある。その後再び入手したニキシー管時計は寿命があるニキシー管の負担を軽減するため真夜中には消灯する機能(時間設定可)があった。また刻々と変わるLED照明付きの豪華な(派手な)製品でこれも細かく設定できた。大抵の時計は時刻表示のほか一定間隔で日付、室温などに表示が切り替わりその時のクシャクシャとなるギミックが楽しい。

 先日ニキシー管電卓を入手した。電卓は今ではどこにでも転がっているが最初に発売された当時は非常に高価な貴重品で現在の自家用車1台分といった感覚だった。事務作業ではまだ算盤が大活躍していてタイガーの機械式計算機もそれなりに稼働していた時代。このあたりは私にとってはリアルタイムでその後の目まぐるしい技術開発競争を目の当たりにした。PC出現前夜のカオスには夢と熱気が渦巻いていた気がする。

 日本最初の電卓は1964年にシャープやCanonなど同時に4社から東京晴海のビジネスショーで発表された。2年後の1966年にはIC化、2年後の1968年にはLSI化されその翌年頃から多数の企業が一気に参入した。電卓開発競争に伴う半導体、液晶技術はその後の最先端IT技術の礎となった。それ以前にも1957年にはカシオから日本初のリレー式計算機が発売されていた。1964年のビジネスショーにこのリレー式計算機の新製品を出展したところ記者会見で「時代遅れだ!」と言われ急遽会場で開発途中でバラック状態の電卓を動作させてその場を凌いだ、、というエピソードがあるらしい。

 Canon(当時はキャノンカメラ)の最初の電卓は前記の1964年の東京ビジネスショーに出品された「キャノーラ130」で2年の開発期間を経て初めてテンキーと点光式表示器を採用し大学卒初任給が10000円の時代に価格は40万円前後(国内でも地方格差があり全国統一価格ではなかった)だった。トランジスター600個 ダイオード1600個 13桁表示。業界最初の製品にしてすでに完成形と言えるような秀逸のデザインなのだがテンキーの大きさからかなり巨大な電卓だったという事がわかる。

  

               Canon キャノーラ130 (引用:https://news.mynavi.jp/article/20141020-canon_calculator/)

  

 9番目のCanonキャノーラ  L121は1970年に発売された。1968年頃から価格が急激に下げられて価格は139,800円と安く(!)なった。今回入手したのはその改良型のキャノーラ L121Aで1971年発売で価格は93,000円。

 

 

 表示はニキシー管、12桁、小数点の位置はダイヤルで手動で設定する。現在の視点でもとてもコンパクトで無駄のない美しいデザイン。ニキシー管表示は数字によって前後がありクールなボディに温かみを感じさせる。使い方がよくわからないがちょっと独特な部分もあって使いこなすには若干の慣れが必要。半世紀以上前の製品なので結構薄汚れているので掃除を兼ねて内部を探索してみましょう。

   

    

 ニキシー管の電極の位置は「6」が一番手前らしい。多分数mm程度の範囲だと思うが前後の配置は真っ平らなセグメント表示に慣れた目には新鮮というかちょっと見ずらい。冷たい数字なのにこころなしか暖かさを感じる。

 キーボタン下の薄いウレタンスポンジがボロボロで交換したいがキーが外れないので無理できない。キーボード部分のボディは金属製で質感が高い。そのほかはABS樹脂で外注らしく成形、接着の確認印がある。さすがにニキシー管が12個並ぶ景色は迫力がありその後の液晶製品と比べて高価格だったのは仕方ないと思う。一方でLSIのおかげで回路は簡素で2000個以上のトランジスターとダイオードで構成されていた時代に比べて価格が数分の1になった理由も理解できる。

 

 

  

 

 内外の状態は非常に良好で傷もなく酷使された様子はないが取説が未入手なのでキーの意味がわからずに(大体見当はつくのもあるが)十分に使いこなせていない。しっかりした構造に加えて全体に細やかな気配りが感じられ高額商品らしい上質な雰囲気が漂う。キーボードの位置関係が絶妙で間伸びしていない事も美しさに貢献している。

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 


Herman Miller Eames Aluminum Group Management Chair について

2021-05-27 11:40:05 | ガジェット

 チャールズ&レイ・イームズにより1958年に発表され60年以上経過した現在でもそのままの形で生産されているオフィスチェアーの原点。本家のHerman Miller社以外でもリプロとして他メーカーからも発売されているが本家の製品には12年(!)の保証がついている。発表年の1958年は私の誕生年ということも相まって簡素で堅牢、無駄のないシンプルな形に惹かれる。現在の価格は1脚324,500円(税込)というものだが長い間生産されていたこともあり中古市場も活発で以前から物色していた。一生ものと考えると思い切って新品購入もありかな、、と思っていたら手頃な出物があり早速購入、開封したら現物は期待以上のコンデション! でこれには喜んだ。

        

 座面の革の色はほとんど黒なのだが他に白、ベージュ、赤などのバリエーションがあったらしい(現在はフレーム塗装のバリエーションもある)。また革以外でもファブリックや合皮などのオーダーもできる。できれば黒白以外と思っていたのでこれも良かった。

 実は到着時に開封すると状態の良さに喜んだのも束の間、掲載されていた写真と異なる個体だったので慌てて売主に連絡した。Herman Miller社製かリプロかでは大違いなので出来る限りwebで画像を探して確認すると本家Herman Miller社製品と思われ売主の方からも間違いないとの連絡があり、写真の個体よりも状態は良好そうなのでこのまま受け取ることにした。

 将来寝たきり生活になるまでこの椅子に座る時間が一番長くなる予感がする。(お亡くなりになる方の10%はPPKとのこと。その中に入る事を期待している)

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 


SONY ZS-SN10 BOOMBOX について

2021-05-02 11:02:18 | ガジェット

 今年のGWも緊急事態宣言が出ている地域がある。当地はまだ該当ではないが隣県の感染者数が連日過去最高を記録していて全く安心できない。ワクチンの接種が諸外国と比べて遅れている事もあり不満の矛先は日本国政府に向けられている。対策は個人任せという無策の状況下にもかかわらずオリンピックだけは強行するらしく首相は「開催するかどうかはIOCが決めるのだから、、」という始末。国民を守るという姿勢は感じられずちょっと恥ずかしい状況だと思う。N501Yウィルスの感染状況を見ても1週間ごとでも状況は劇的に変化している。二重変異ウィルスも気になる。

 

 SONY ZS-SN10 BOOMBOX はかつて(マニュアルの日付は2005年)北米、ヨーロッパ、オーストラリア、シンガポール、韓国、タイなどで販売されていたSONY社製CDラジオで日本国内では未発売。スペースエイジの末裔のようなユニークな形態の製品だった。

 

機能:プログラムリピート、ランダムプレイ、シャッフル、レピートシャッフル、MEGA BASS
入出力端子:オーディオLINE IN、ヘッドフォン
対応規格:ATRAC3plus、MP3
ラジオプリセット数:AM10局、FM20局、バックライト付きLCDディスプレイ
出力:2.3W+2.3W(RMS)
寸法:幅19.7in(500mm) 奥行9.1in(230mm) 高さ5.7in(145mm) 重さ(乾電池含む)8.38lbs(3.8kg)

 海外仕様なのでFMラジオの受診周波数帯は87.5〜108MHzで当地ではかろうじて地元の88.7MHzのNHK FMが受信できるだけ。AMは問題ないように思えたが選局は10KHz単位となっている。マニュアルによれば地域ごとで帯域最低(開始)周波数とチューニングのスキップが10KHzと9KHzとに分かれていて現在は10kHz毎になっているためこのままでは国内のチューニングはジャストの周波数にならずこれもちょっと具合が悪い。多局のプリセットや文字入力もできるしCDの曲名表示もある。入手したmanualの日付は15年前の2006年となっていた。ほとんどが集積回路化されて外部の部品は少ない。技術力があればFMの受信周波数帯を変更できるかもしれないが手も足も出ない。

 入手した個体の表面の傷は少なく機能にも問題ないが一部に黄ばみがあり美しい外観を損ねていた。昨年Videoshereで酸素系の漂白剤を用いて樹脂の漂白を行なってうまくいったのに味をしめてもう一度行ってみることにした。

  

 酸素系の漂白剤を買ってきてペーパータオルを被せたボディに振りかけて屋外に放置すること1日。

 

肝心の漂白剤は強風に煽られてほとんど溢れてしまったが24時間は放っておいた。効果は絶大で真っ白になった。スポンジたわしだけに留めていた取手とバランスが取れなくなってその後取手も漂白した。これで仮組みしてみると

上半分が今回の漂白だったのだがこんなに差が出てしまって結局全ての外装を行う羽目になって追加の漂白剤を買って来た。装着部品の多い下半分はそんなに目立たないだろうと行わなかったのだがやっぱり手抜きはだめだということで漂白だけで3日もかかってしまった。

   

 写真ではあまり変わり映えしないがかなり改善して漂白は完了した。やはり造形は美しく何か特別なギミックが隠されているような期待を抱かせる。次にRadioをどうするか。

 こういうアダプターを購入した。FM周波を14MHz低く変換して出力するというもので入出力のアンテナ線と車載用の12V電源線があるだけだが海外FM周波数帯が日本の周波数帯に変換される。さっそく接続すると一応稼働する。内部は見ていないが電圧は12Vが必要なようで最初は内部に組み込むつもりで購入したのだがちょっと様子見になった。AMの10kHzステップと開始周波数の変更は達成されていない。。

 ということでちょっと寂しい結末となってしまいました。次の一手はあるのだろうか・・。

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。