Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

HITACHI VL-S100 について

2024-04-27 09:32:05 | テレビ

 HITACHI VL-S100は1990年頃の業務用VHSポータブルビデオデッキ。同様の機器はPanasonic 、JVC製品がある。HITACHI VL-S100は過去にオークションに出品された記録は残っているが目にすることは少ない。随分前から探していたがこの度ようやく入手することができました。幸いwebでサービスマニュアルも公開されている。

 電源は内蔵のNi-Cd電池か外部電源。早速適当なスイッチング電源を繋いで動作を確認するとテープは挿入されたが再生ボタンを押すと動作しようとするがすぐに異音と共に止まる。そしてテープは絡まってしまい出てこなくなる。巻き戻し、早送りは機能しているがそういった状況なので映像、音声出力は未チェック、やはりすんなりとは動いてくれない。

 早速パネルを外すと内部に劣化ビニール(?)のかけらが溜まっている。パネル裏に貼り付けてあった何かが剥がれて散ったのだろうか?なるべく分解してまず内部の掃除を行う。

 

  

 この「LIFE METER」とは何だろう?積算計のような気がするがとう言う原理なのだろう。

 

  

 ポータブルのVHS業務機の集積度のすざまじさは他社と同様でもはや芸術的と言っていいほど。ただPanasonicのようなワンボード状に展開する構造ではなくメイン基板の周囲の壁に配した基板とコネクターで接続しさらにメイン基板に直接3枚の基板が直立する。詳細なサービスマニュアルは手に入るが修理や調整はなかなか大変そう。多くのコネクターを外して基板を分けてできるだけ掃除した。幸いに劣化スポンジに比べると破片が大きくあまり散らばっていなかった。また回転系は防塵、オイルミストの拡散とワイヤーとの接触を防ぐ目的と思われるアクリルケースでカバーされている。テープのローディング機構はシリコンスプレーで掃除を兼ねて給油した。これでまた組み立ててテープを挿入すると最初は異音の発生や動きもギクシャクしていたがそのうちスムーズに走行するようになった。

 

回転ドラム上面には最短の位置にプリアンプが搭載されて高速で回転している。HITACHIの技術レポートでもノイズを減らす取り組みとして開発されたとある。

 

 

 画質はヘッドの掃除をしたらもう少し良くなるのではないかと期待していたが再生時以外でも画面に細かいノイズが入り再生時にも影響が出ている。これが有名な「メダカノイズ」なのだろうか?ヘッド以外でもアンプ系統に問題があるのかもしれない。ドラムを清掃してみてもあまり変わらなかったがしばらく再生していたら気にならないレベルになった。しかし経年変化でいずれ再発する可能性が高いと思われる。詳細なサービスマニュアルがあるのでもし問題が出たらその時にまた考えましょう。

 Panasonic AG-7400と大きさを比べると高さ、奥行きはほぼ一緒で横幅がやや大きい。全体の雰囲気はAG-7400よりややプロユースっぽい感じがします。バブル絶頂期の潤沢な開発費と優秀な頭脳によって開発された当時の最先端のエレクトロニクスとメカニズムを詰め込んだポータブル業務用ビデオ機は「ものづくり日本」の象徴的な製品の一つでは。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

 


日産 LEAF 充電トラブル

2024-04-16 00:48:06 | 日記

 妻が乗っています。結構古い車で満充電での走行距離が130kmと表示されるのでよく分からないが最小容量24kWhのバッテリーらしい。当時エコカー補助金が50万円ほどあり予算がそろそろ枯渇しそうといわれて急いで購入したが補助金がなくなった途端に日産はLEAFの価格を補助金分値下げした(これには驚いた)。カーポートの充電ポストも日産の負担で設置された。それから10年、走行距離は80000km  9/12ポールでさすがにバッテリーの劣化はあると思うが表示される走行可能距離はほとんど変化がない。

 当時は今ほどガソリン価格も高くなかったのになぜ電気自動車にしたかだが目新しいのが好きな妻の趣向だったかもしれない。その前の車も発売されたばかりの2代目TOYOTA PRIUSだった。(この2代目PRIUSには強烈な思い出がある。ある日テレビを見ていたら新型PIRIUS発表会場からの生中継。係員が機能を説明しさあ始動させようとするが動かない、電源がはいらない。生中継でカメラはインパネを写しているが焦っている係員と必死でフォローしようとするアナウンサーの地獄図、それだけで中継は終わってしまった!原因はブレーキペダルを踏んでなかったという事だったがこんな前代未聞のトラブルなのに周りに大勢いただろうスタッフのだれもが解決策を知らなかったという事にも唖然。でも翌日その会場に夫婦で出向いて結局購入する事になる。セールスの人に昨日の中継のことを振ると「あの後全員で反省会しました、、」)LEAFは妻の生活スタイルに合っているのかとても気に入っていて充電も全て家で週2回ほどで急速充電はしたことがない。ガソリンスタンドに行かなくていいのがとても楽なのだという。

 ところが先日急に充電しなくなった。車本体のトラブルかと焦ったが充電器を見ると一番上の緑ランプが点滅している。充電しなくても点滅しているのでこれは充電側のトラブルのよう。早速ディーラーに連絡してみてもらうと「アースもしくは充電ケーブルの故障」だろうとのこと。とりあえず代わりの充電ケーブルに交換すると復帰したので充電器の故障と判断され修理も難しいらしく新たな充電ケーブルを注文した。

 1週間ほどして届いたが翌日にはまた点滅する。ところがすぐに復旧して何事もなく充電している。ちょっと解せなかったが代金65000円を支払った。ところが昨日また同様の症状が出た。すぐに連絡するとやはりアースが怪しいので点検が必要、しかし明日明後日はディーラーもお休みで担当者の訪問は3日後(!)になるという。今日中に取りに来れば(すでに夜)代車もあると言われたが妻は慣れない車の運転はしたくないとのことなので私が仕事の送り迎えをするかタクシーを使う旨を伝えて電話を切った。

 webを検索すると日産が昨年3月に出した「EV普通充電用電源回路ガイドライン(EV充電インフラ工事ガイドライン)」というマニュアルが見つかった。それによると緑ランプの点滅はアース不良となっている。家の中にある配電盤からの詳しい図解もありそれにもとづいて実際の配電盤を開けてみるが配電盤からのアース線が見当たらない。調べてみると古い家の配電盤には設置されていない場合もあるとのこと。(我が家は「古い家」でこれには少しがっかりした)改めて充電ポストの周囲をみると近くにアースされている。とりあえずアース棒が埋設されていると思われるあたりに水をかけるとあっけなく復旧した。故障と言われたいままでの充電器も正常動作している。

 念のためにアース棒を買ってきて接続し直して埋設した。接地抵抗が正常なのか測定してもらう予定。緑ランプの点滅は充電器の故障でなければ今回の購入は無駄だったということになる。ガイドラインマニュアルに記載してある日産と提携している充電ポスト設置会社に連絡すると確かに我が家の設置を10年前に行なっている。ところが今回の点検のアポイントはなく設置会社からの訪問ではない様子。そして緑色ランプの点滅はアース不備以外では経験はないという。10年前の古い充電ケーブルに問題なければ新たに購入したものはどういう扱いになるのだろう。日産とよく話し合いたい。

 ところでこの新旧の充電ケーブルだが外観は全く同じだった。最新のパンフレットを見ても充電設備は10年間変わっていないように見える。中身が10年間変ってないかどうかは不明だが最新の技術分野だと思うがこれはどういうことだろう?新製品開発の投資がされてないのだろうか?日本独自の充電方式に未来はないとメーカー自ら見切りをつけているのか?かつてガラパゴス化した日本の携帯電話を思い出してしまった。

 今朝2名の担当の方が来られました。車は妻が仕事で持ち出している。現在は復旧している事、充電器は故障と言われた古いものを使っている状況を説明した。早速接地抵抗を測ってもらうと100Ω以上あり動作はしているが現状では不十分とのこと。新しく長いアース棒を打ち込んで再度測定すると58Ωと良好になった。電話で問い合わせた設置専門会社の方だったが本社に問いあわせた時に今回のアポイントの登録はされていなかった旨を言うと日産から直接依頼されていた関係と説明された。「新たなアース設置費用が発生するので日産の担当者から連絡が入ります」と言われて帰って行った。やはり専門の方の作業は無駄がなく多分一瞬で解決しただろうになぜ最初に不具合が発生した時に来てくれなかったのだろうと思う。日産からの連絡を待つ事にします。

 なかなか連絡が来ないので2日後に担当の方に電話したら折り返しでかかってきた。今回の修理内容、緑ランプ点滅の原因の考察、故障と言われた古い充電ケーブルが問題なく使われていることを説明した。そして新たに購入した充電ケーブルは引き取って欲しい旨を伝えた。社内で検討させてほしいとのこと。

 同日電話があり一度使用したものであるから全額の返金は難しいかもしれないとのこと。こちらとしては車の購入、充電設備設置から10年経過しているが故障時にディーラーから来てもらったこと、代替の充電器を貸してもらった事、今回のアース設置についての料金発生は納得するが指示で購入した充電ケーブル代金を一部でも負担するのはおかしいと伝える。再度検討するとのこと。

 その後また1週間ほどして担当の方から返金に応じるという連絡がありしばらくモヤモヤした気分だったがようやく終結した。今回の問題点は故障についての診断が適切になされなかった事に端を発する。設置後10年も経てばいろいろな不具合が考えられるはずだが最初に専門のスタッフを派遣しなかったのは日産側としては悔やまれるところだと思う。こちら側としては代替えの充電ケーブルを持ってきてとりあえず復旧(たまたまだったかもしれないが)してくれた担当の方に感謝している。同じ自動車とはいえ内燃機関と電気モーターとは随分違うわけでEVに対する経験はこれから蓄積されていくのだろうと思います。

 

お読みいただきありがとうございました。