Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

トライアンフ T15テリアが来た!(10)

2016-01-28 01:06:47 | triumph t15

 月に一度の県北の出張です。山の上にある静かな公園で晩御飯を食べるのがマイブーム。数日前の大寒波の雪が残っている。

 帰宅して夜中まで娘と「ローマの休日」観た。TVのカット版しか知らなかったのでフルバージョンは新鮮だった。かなり説明が多い印象。
 世の中に「美人」は多いけど「気品のある美人」はやっぱり少ない。見事なメルヘンでした。
 お約束のベスパシーンでは思わず熱が入る。「ほら!あれが玄関のバイクだ!」「ふーん」でオシマイ。

 半月キー届きました。なんでもあるなぁモノタロウから。日之出スッピル製。

 1個63円~88円です。ただし代引き送料が800円。3000円以上で無料になるので一生懸命に探したが及ばず、、。数種類買いました。
 半月キーはスッピルというらしいのですが調べても出てきません。英語では単に「キー」
 規格が心配でしたがキーウェイの幅が3mmだったので3mmのものまた直線部の長さは10,13,16mmの3種類を購入した。ぴったり3mmが入るか心配だったので2.5mmも。
 結局3X13mmが適合した。安心の現地調達で良かったです。これでクラッチが組めます。

 クラッチの構造はVespaとほぼ一緒です。(というか2輪は大体がこうなのか?)クラッチ軸はクランク軸と一次チェーンで繋がれています。

 オイルポンプ届きました。英国から5日で。昨日は税関から電話あり。でも課税はない様子。

 MORGO製でよく見かけます。説明にはそのまま取り替えれば良い、とある。しかしボールとコイルスプリングの付属品あり。出口にはボールが弁として外側からスプリングで押し付けられて装着される写真がありまたポンプの凹みにボールをポンチで押し付けてメンテするという記事がHeynesにありました。

 2ヶ所の弁でポンプはできているわけですがテリアの分解図では弁は1ヶ所なのです。
 このポンプは1ポンプについて1個のボールのみが内蔵されてます。指先で出入り口のくっつき具合を見ると1個でも目的は達成しそう。
 改めて名称を見ると「プランジャーポンプ」プランジャーとはトイレが詰まった時のパコパコ。または棒ピストン。。
 プランジャーポンプを一生懸命調べると
 回転軸を前後運動と、回転運動に振り分けている。テリアのオイルポンプは回転運動から前後運動だけの変換。弁1個はそのためのものか。。
 分解図ではポンプ外のボール弁はスプリングとともに「auxiliary(補助)」となっています。ポンプ出口に内蔵のボール弁は吸引時に塞がれますがこの補助ボール弁も同様の役割を果たす。2重の弁となっています。(だから補助)テリアのころのポンプは内蔵のみだったのですがトラブルの頻発がありこの補助弁が追加されたと考えます。テリアのクランクケースは出口の穴を改造しなければ補助弁は取り付けることができない(と思います)。機会があればトラカブのと比較してみたいものです。オイル搬送のようすを見て必要であればやってみます。

 早速取り付けた。

 ギアを再度洗浄して組んでみる。ガスケット入れて

 カムシャフトは印を合わせます。

 仮組みしてみるが



 一次チェーンは虫食い状態。代替え品を地元で注文中。1ヶ月(!)かかります。

 でも引っかかってどうやっても車体にエンジン載らない。。おかしいな。
 仕方ないのでヘッド外して搭載した。ヘッドボルトのワッシャーを入手してたのでまあいいか、、。


 点火系統にかかります。イグニッションコイルはデンソー製!6V用。

 高圧コードも入手したのはNGK。コイル側の端子は無い。入手できなかったのでちょっと怪しいのを再使用。

 コードの隙間は一工夫して、、できました。

 コンタクトポイントのコンデンサーも適当なのが無いのでコードを修理して再使用。

 ホームセンターに6Vの鉛バッテリー買いに行ったら、、無い。そうか6Vの乗り物は絶滅危惧種だった。しょうがないのでBMW R26から借用。コイルにミノムシ繋いで手動でコンタクトポイントしてみる。

 バッテリーが弱ってるが割りとしっかり火花が飛んでくれます。デンソーは優秀。くるくる回る接点ケース(進角装置付き)でピストンの位置とコンタクトの位置を合わせて(テキトウに)
 この状態でパーツクリーナーをキャブに吹き入れてキックしてみる。。おー!回った!!とにかく良かった。

 夕方には雨が降ってきて寒くなりました。今日はこれでオシマイです。冬至の頃と比べても日の入りが1時間以上遅くなった。季節はあっという間に過ぎていきます。春を感じる。





トライアンフ T15テリアが来た!(9)

2016-01-23 17:48:27 | triumph t15
 10年に1度とかいう大寒波が来ています。「未だかつて経験した事がないような、、」とか「1000年に一度の、、」とか。。
 「人は過去の事はすぐに忘れる」ということは忘れないようにしよう。

 土曜日は午後から空いたので寒い玄関で作業する。耐えられなくなったら室内避難しながら。


 コッターピンはバルブコンプレッサーで外す時の方が要注意です。しっかりと食い込んでいて「バチッ」という弾けた音と共にすっ飛んで行きました。2カ所とも。必死で探した。。

 ロッカースピンドルにはOリング、ワッシャー(シム)3枚、スプリングそしてロッカーアームが並びます。狭い隙間ですのでロッカーアームはともかくワッシャーを入れるのはかなり大変です。
 (製造過程ではどうするのだろうか?)片方分解してみるとワッシャーが1枚しか入っていません。これは入れるのを諦めたか。パーツは一応流通はありますが代用で「C型止め輪」買ってきた。

 圧縮行程でオイルスプレーで圧縮もれチェックをしてみると以前よりは改善している。(漏れはあるけど)これでシリンダー部分は完了とします。

 入手できないガスケット作ります。まず光明丹を塗りつける。(役に立って良かった。。)

 買ってきたガスケットシート(これが結構高い。これで900円!)を押し付けてハンコ状態に。

 あとはロータリーカッターとポンチで切り抜く。「まず内側から切るべし」のアドバイスあり。

 汚れるのでゴム手袋して作業した。ウマくいきました。


 大小いろんな形状のガスケットであればムダが出ないがこういった形状が多い場合はやっぱり入手できるのは既製品を買った方が良さそう、、。

 もう一ヶ所作ります。このパネルは米国から買ったアウターパネルと一緒に来た不用品。役に立った。。ということにしておこう。。

 チェーンの掛かるスプロケットを止めるナットはポンチで固定してある為かびくともしません。一度は諦めかけましたがベアリングがゴロゴロいっているのでまたインパクトレンチでようやく外した。
 バルブの動きとコンタクトポイントの位置など確認しておく。またクラッチのシャフトの半月キー部分が壊れているので修復が必要。
 シリンダーヘッドのロッカーアームからのオイルルートを再確認です。
 ロッカーアーム内を通って接合部に到達したオイルはプッシュロッドカバー内をオイルで潤滑し(カバーの上下にはガスケットあり)プッシュロッド接合部のお皿に溜まって

 お皿に開いた穴から下に行きタペットを潤滑しタペットの油路や上部の穴からカムシャフト、ギアへ


 
 ところでオイルポンプは1ヶ所あたりボール2個のはずですが分解図によってはボール1個のみも存在するらしい、、。
 どっちにしても生命線なのでちゃんと稼働させねば。指先感覚では現物はどうもダメそう。。

 クラッチ軸ですが半月キーがねじ切れていて悪いことに除去できない。バーナーで炙ったり、ドライバーでほじったりしてもダメ。
 ちょっと人に言えない方法で取り除くことができました。

 半月キーを入手しなくては。


トライアンフ T15テリアが来た!(8)

2016-01-14 00:12:53 | triumph t15
 シリンダーヘッドからバルブを外さないとメンテできない。当たり前です。

 バルブコンプレッサー買ってきた。AP製。

 こんな風に装着。

 反対側はバルブの中心部に

 めでたくバルブと2重のスプリングの中側のは外れました。


 やはりロッカーアームを外さないと外側のスプリングが抜けません。ロッカースピンドルはどうやって抜くのだろう?
 ネジ穴などは無い。バーナーで熱してバルブコンプレッサーをかけてみる。

 しかし抜けない。後で気づいたのは抜く方向が逆!だった。でもコンプレッサー逆にしたが抜けず。こんど昼間にプラハンで叩いてみよう。
 テレビみながらヘッドのフィンのお掃除




 エヴァンゲリオンに見えてきた。。これでも3時間ほじってました。でもまだまだです。真鍮ブラシかけなくては。

 翌日バーナーで炙って木片介して叩いてみるも(また)びくともしない。ヘッドが割れる悪夢がよぎります。だいたいこの方向に叩いて抜けるのかも自信無い。
 あきらめて反対側をやってみるといとも簡単に抜けた。

 方向が合っていて良かった。webで調べると「ロッカースピンドルからオイル漏れ」などは見つかる。またヘインズマニュアル見てもロッカースピンドルを外すのは割愛されている。
 ということは難度が高い(?)のか必要無いということか。。しかしスピンドルに給油されたオイルはスピンドル内通ってロッカーアーム、バルブを潤滑。
 またロッカーアーム端のプラグからプッシュロッド、カムシャフト、クランク軸、ポンプ駆動ギアとポイント駆動ギア、と大航海する(と思う)
 分解はあきらめても油路の確認は最低限必要。バルブガイドの打ち替えが必要になったらまた考えましょう。

 排気側のポートです。噂通りバルブ大きい。煤が分厚くこびりついている。

 スス山ほど取れました。
 やっぱりスピンドル外してスプリング抜いてバルブガイド周りを掃除したい!
 翌日改めてプラハン買ってきて叩きましたがやっぱり動かず。。give up。。このまま整備を続けます。一つ気になるのは外れたロッカースピンドルのワッシャーが足りないこと。

 寒い日曜日です。貴重な休日。バット買ってきて灯油でお掃除が続く。

 こういった作業こそアマチュアの出番!のような気がする。。プロはサンドブラストかけるだろうが、嫌う業者もいるらしい。
 ロッカーアームとロッカースピンドルの油路を確認。


 いよいよバルブの研磨にかかります。軸に紙巻きつけてボール盤にそっと咥えさせる。


 カーボンを落としただけ。ペーパーは320番です。大事なとこには当てないように気を使う。
 webでは風景が映り込むような鏡面仕上げが誇らしげに。根性なしは寒さに負けましてここまでです。

 排気側のバルブは結構傷んでいます。。補修できるのだろうか?
 憧れのタコ棒!買ってきたら、、

 なんと大きすぎて適合せず!しょうがないのでタコの周囲をカットした。

 購入したコンパウンドは荒目と細目で量は少ないが十分すぎる。。


 光明丹が来てないので確認できないが、バルブ外側の腐食はとれていないので接触部は内側のよう。しかし情報では外側での接触が良いような事が書かれている。
 これはバルブが大きくなったような効果があるのかも。

 待ってた光明丹来ました。これで330円、送料120円

 ホントは探せば何処かにあるはずだったが、、早速バルブに着けてタンッと叩いてみる。


 量が多すぎて拭いてみたりするが、、全く分かりません。やっぱり。

 割れていたエンジン右側のカバーの換えが米国から届きました。

 必要のない内部のパネルも一緒に。送料込みで$100。これは高いと思う。おまけにきちゃないので


 洗面所でスチールウールで汚れ落とし。まあ良しとする。。
 





トライアンフ T15テリアが来た!(7)

2016-01-11 10:16:32 | triumph t15
 柚餅子つくりました。

 暖冬でカビ生えないか心配してましたが、このところの寒風でいい感じ(アクセントに注意)に。でもちょっと甘みが足りなかった。

 試運転用ガソリン点滴です。AP製!

 バイク屋で初めて見た時からの憧れの逸品。今回購入。灯油いれてキャブレターと繋いでみる。

 漏れてます。。やっぱり。。

 前回の分解ではスルーしてたフロート周り。やはり手抜きはいけませんね。

 銅製フロートは緑青がかなり発生して腐ったガソリンと共にグリーンガムとなってあちこちにこびりついてる。
 フロートとバルブ可動部は抜けたのですがフロート室下部のバルブは抜けない。多分内側からねじ込んでいるかと思います。このバルブを外しても穴掃除のし易さははあまり変わらないと判断。

 フロート室も出来る限りお掃除。バルブはスラッジ落としてコンパウンドで磨いてみる。光明丹いるか?

 フロートの位置はバルブ可動部のピンに凹みがあって一応決まっています。でも上下できるのでメインジェットの液面調整として有望。
 これで再び灯油いれてみるとなんとかいけそう。

 プッシュロットをいれてバルブの開閉を見ながらコンタクトポイントの様子を観察。実はプッシュロッド装着前に、エンジンを逆さまにしてヘッドを灯油に漬けて(!)ピストンを動かしてみるつもりでした。
バルブからのエアーのもれをパンク修理の穴発見の原理で確認してヘッドの分解をするかどうかを決める目論見。気が変わったのは入口、出口からオイルを吹いてピストン動かせば音で判断できると気づいたため。
 早速やってみたら、、ぐじぐじ漏れる音が聞こえる、、。これはアウトですね!やっぱりバルブの整備は避けられない。



 オイルポンプもクランク軸で動くのでオイルの流れを確認した。エンジンの底に溜まったのをスカベンジポンプでタンクへ戻す。その時の枝分かれでバルブ~ピストンへ給油する。
手回しでやってみたが反応なし。オイルポンプはこのエンジンの命なので慎重に対応しなくては、、。最悪入れ替えになるか。。

 改めてポンプについて整備書を調べると、パーツが足りてない。。ポンプには弁が2ヶ所必要なのは半世紀前の小学校の理科で教わった。なのに50年も経つのにまだ理解してなかった。
 このポンプの弁はボールとスプリングで構成されています。ボールは大小2種類で2つのポンプに共通。専用ボールとスプリングの流通はある様子。




トライアンフ T15テリアが来た!(6)

2016-01-07 10:22:05 | triumph t15
 注文してたテリア用マフラーが届きました。英国から航空便。


発送のお知らせから年末年始を挟んで9日間で。本体価格は14000円、送料は4000円くらい。やはりこれくらいの送料が適正かと思う。
オークションで提示されてるのは高すぎるのが多い。この業者はClassic Motorcycle Spares でかなりの品数扱ってます。
日本ではマイノリティーなバイクですが世界にはまだまだ愛好家がいるようでありがたいかぎり。

 メインベアリングは完全に終わってます。なんたって指では動かない。英国製。

T20トラカブ用のベアリングを注文したらマフラーと同じ日に来ました。19$送料別。

英国から届いたのはナチベアリング、日本製!品番6304(2NSE9)で検索すると1100円送料別でコメリでも入手可!やっぱりベアリングはしっかり採寸して地元調達がよさそう。

 インチ工具を購入したのですが全くと言って良いほど適合しない。仕方ないのでウィットワース規格というのを購入

2つを比べてみると全く違う寸法。分数表示の同じものも全く異なる。どうも根本から認識が間違ってたみたい。でも何故だ

 早速燃料コックを外してみる。工具がぴったりだと「気持ちよか~」デス。

 燃料コックも固着して動かなかったので分解したがストレイナーが千切れました。フィルター入れねば、、。


 連休1日目です。インナーパネルをバーナーで炙ってベアリング抜いてナチベアリングと入れ替え

 寒風の中、玄関で作業してたら英国から荷物到着。これはもしや、、

 やっぱりオークションで買ったテリア用ピストン、リング、シリンダーとサークリップ。スタンダードサイズの新品!が来た。


 全く同品のようです。


 説明では新品とあったが懐疑的でした。でもホントでした。でもなぜかピストンピンは含まず。仕方ないので古いのを使う。

 コンパウンドで磨いてピストンに挿入。カジリがあるけど大丈夫か?
 GSで灯油買ってきて(初めて買った)ピストン、シリンダーを洗浄したらこんなになった。

 結構汚れてます。ピストンピンとシリンダースリーブに薄くサビ発生か。洗浄に使った容器は塗装缶の中敷きで98円。これは使える。

 年末にシリンダー加工業者にスリーブの削り取り、新規作成、打ち替えと折れてたフィンの修復について質問し、親切な回答をいただきました。
 画像を送って見てもらったところ、打ち替えは可能で費用は概算で5万円ほど。フィン修理はアルミ製なら可能だが鋳鉄製は不可とのこと。
 これにスタンダードピストン料金が必要になる、、と思っていたらオークションでシリンダーの出物を複数発見。そのうちの一つを購入した次第。
 もう一つはシリンダーのみの出品で激安だったのですがすでにボーリングしてあった壁に大きな傷があり再度のボーリングが可能かまたオーバーサイズのピストンの入手が不安だったので見送りました。
 新品シリンダー、ピストンセットは150GBPで送料が75GBP。送料が高すぎとは思いましたが告知どうり5日で届いたのでまあ良かった。スリーブ打ち替えよりか随分安く上がりました。

 室内で暖を取っていたら


 英国から書留でガスケット到着。当時もの。でもサイドパネルのガスケットは含まれず。作ってもいいのですが、、。

 オイルを塗ったボトムガスケットを入れてピストン入れてみる。ピストンリングは結構大きいのですね。

 銅製のヘッドガスケットはバーナーで焼き鈍してからヘッド周りも組んで様子見。プッシュロッドは入れていません。
 実はバルブは未整備。分解方法が分からないのです。憧れの「光明丹とタコ棒」使ってみたい!


 連休1日目は怒涛のごとく部品が届いたおかげで作業が進みました。燃料タンク、オイルタンクも灯油で洗浄できました。
 今日はここまでです。玄関は灯油臭がプンプン。ガソリンのように揮発しないのでいつまでも濡れてて臭いが残る。。