Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

Western Electric WE91A レプリカ(7)

2014-12-21 23:21:59 | Western Electric
 入力トランス WE285Aです。

引き出し線が5本。
RD RD+WH BL BL+WH BLK の5色
30Ω平衡入力のRD(赤)こちらがトランスの上側 RD+WH(赤+白)アース側
2次側BL+WH(青+白)WE310Aのグリッド BL(青)アース側 
BLKアース



18GAのより線を入手し延長しました。

電解コンデンサーがようやく揃いました。またカップリングコンデンサーは中央のケースに入れます。NFBのオイルコンデンサーは位置をずらしてケースの反対側にあります。また通称ウエスタン繋ぎの1μFはケースの外部の電解コンデンサーとの間に設置しました。

これで主要部品は組めたのでこれから配線にかかります。


入出力プラグ(コネクター)はUZとUYなのですがUYソケットがまだ入手できないのでUZとUXのウェファーソケットと金属プラグでとりあえず代用しています。この金属プラグは外観的には結構大きな要素だと思っています。

アースポイントはこの位置なのでとりあえず塗装削ってラグを立てておきました。あとで追加しました。

電源とデカップリングの配線が終わりました。この状態でAC通電してみます。整流管5Z3のみ入れています。ここで問題発生、、。
電解コンデンサの分圧がうまくいきません。平滑前は500V以上ありますが、1/2になるはずの電圧が100Vと400V(!)です。これでは耐圧オーバー。。プラス側が電圧が上がります。
また400V側には計25KΩの分圧抵抗が接続されているので400/25000 X 400=6.4Wとなり100KΩの抵抗4本で割っても1本あたり1.4Wの電力消費です。これでは発熱もばかにならない。
なんで分圧できないのか?これは電解コンデンサーの漏洩電流が大きいのが原因。メグオームメーターではなんとかなるかと思ったのですが組み合わせて使う場合はよりシビアな性能が求められるようです。
とりあえず電源トランスのB電圧を落とした状態で進めることにします。。
っとやはり電圧が足らず元にもどしました。
回路図では300Bのカソード抵抗は880Ωで電圧降下は70Vで70/880=80mA
WE310AとWE300BにB電源を加えない状態で整流管からの電流は実測56mAでうちフィールドコイル前は20mA,その後は36mAでした。
56mA+80mA=126mAなのでWE274Aにとってはそう無理な電流ではありません。
しかし電解コンデンサーの耐圧が気になります。

回路図からブリーダー部の電圧、ブリーダー抵抗の電流を計算してみます。フィールドコイル前は520V、後は440Vです。
前:10.4mA 後:25.0mA 電圧は回路図に記入してある通りです。ちなみに前段WE310Aの電流は0.98mAと2.6mAでした。
そうするとブリーダー抵抗の電流は約35mAとなり実測56mAとの差 56-35=21mAがコンデンサーの漏れ電流
詳しく見るとフィールドコイル前は実測20mA 計算値10.4mA 後は実測36mA 計算値25.0mA
となりやはり古い電解コンデンサーを使用したあたりが多くなっています。それにしても漏れなしの状態でも総電流の半分近くをブリーダーとして消費しているわけでこれにより全体の安定化を図っているということかもしれません。
特に2段目のWE310Aのスクリーングリッドのブリーダー電流は4.6mAととても多くなっています。

もう一度測定しました。
フィールドコイルの代わりに可変抵抗器を挿入してOUT側を440Vにしてみます。この時のDCRは5.0KΩで総電流は46mA(すでに先ほどの値と異なっている)
この状態でデカップリング部の電圧を回路図と比べます。初段のプレートが若干高め。
5KΩの電圧降下は140Vなので140/5000=28mA そうすると後は28-25=3mAの漏れ電流。これだと前は18mAで18-10.4=7.6mAの漏れ電流。
結構少ないイメージ。。

Western Electric WE91A レプリカ(6)

2014-12-07 20:30:37 | Western Electric
 今日は日曜日。部品はまだまだ揃わないけどできるところを進めます。
複合抵抗はよくDALEを組み合わせて作りましたがありがたいことに今回はシャーシセットに含まれています。

でも気に入らないのは色とマウント金具です。

オリジナルはこんな感じです。

加工しました。我ながらヒマだなぁ。。塗装は耐熱塗料ではありません。煙が出るかも。マウントはネジ穴を開け直して高さを低くします。

こんな感じになりました。


入力トランスWE285Aです。引き出し線が短いので延長の必要あり。取り付け金具は適当なLアングル金具を加工して取り付けました。
今日はAC周りの配線だけしました。完成はいつの日か、、、。

とウェファー型のUZソケットが2個手に入りました。というか持ってました。残念ながらピン配置が異なりますが仕方ありません。

抵抗器が集まってきました。ボードに装着。


国産抵抗とA&Bの混成部隊。表と裏両方に抵抗器があります。写真を参考にしています。

CINCHのUZソケットが4個手に入りました。WE301AソケットとチョークとスピーカーOUTソケットとして取り付けます。シャーシのネジ穴間隔は40mm、ソケットは38mmだったのですが少々の加工で事足りました。

こんどはウェファー型UXソケットが手に入りました。激安だったので心配していたのですが品質は悪くありません。つい、、おとな買いです。大人気(おとなげ)ない。

これで真空管のソケットは揃いましたのでヒーターなど配線しました。

OUTPUTトランスの出口はオリジナルは14Ωと9Ωです。このレプリカトランスも2種類出ているのでそのまま配線しています。







Western Electric WE91A レプリカ(5)

2014-12-04 12:13:47 | Western Electric
 WE91Aの内部で目を引くのは大量の抵抗器です。ほとんどがボードに取り付けてありシャーシ側面に3本のネジで固定されています。ボードの抵抗器はほとんど電源、デカップリングのブリーダー抵抗で写真によって構成が異なっているのは仕様変更なのか回路変更されたものかは不明。
WEの結線図と部品表から書き出した抵抗の配置図は

黒丸が端子で下側5対はボードの幅が狭くなっています。R27,26,23,22,10,7は本来100KΩですが結線図で50KΩになっているのはボードの裏側にR35,34,33,32,30,31(赤字)がパラに接続されているので半分の50KΩとなっています。またホーロー抵抗の複合抵抗R6は10KΩ+10KΩ+15KΩ R20は50KΩ+60KΩ+880Ω となっています。100KΩが片CHだけで13本+1本(NF用)です。回路図によっては1本の抵抗器に置き換えているものもありますが、なるべく省略しないでいきたいと思います。

抵抗器一覧です。

書き換えたもの。これを元に発注します。この表は1台分なので2倍量必要。

Western Electric WE91A レプリカ(4)

2014-12-03 23:22:52 | Western Electric

 WE91はチョークコイルが搭載されておらず単独で動作させることができません。レプリカ91はどうやっているのかは不明ですが(内部に隠れているのか抵抗で代用しているのか)いつもフィールドスピーカーを用意するのも無理なので別シャーシにチョークコイルを用意します。

 レプリカ91では内部にチョークらしきパーツが組み込まれています。
 もしオリジナルの整流用電解コンデンサの容量が足りなければチョークの出口に設置すればよい。ただしチョーク入り口は不可。本体のWE274A直後のコンデンサー容量は25μFでかなり無理していると思われますのでこれ以上どころか減らしたいくらいです。回路図ではチョーク入り口は520V、出口では440Vとなっています。総電流を80mAくらいと仮定すると(520-440)/0.08=1000Ω と結構な直流抵抗が必要です。
 WE91は500Aシステムという名称でラック内にWE12B電源、スピーカーはWE4172というモニタースピーカーと一緒に組み込まれていました。

(内臓のフィールドコイルスピーカーはWE91AではGE製、WE91Bではジェンセン製だったという記述もあります)フィールドコイルのDCRは1KΩで80Vの電圧降下では80/1000=80mAとなり 80X0.08=6.4Wのフィールド電力となりますので映写室のモニターとしてはこの程度のスピーカーで十分だったのでしょう。

映写室のモニタースピーカーも興味がつきませんが初期の頃はWE551またはWE555+WE14A(ホーン)、もう少し後ではホーンがKS6368という現在でもよくみかけるラコーン製のファブリックホーンでした。WE12B電源は映写機のエキサイターランプ、WE555とTA4191ウーファーのフィールド電源で、そうするとこのシステムはフォトセル増幅も含めてオールインワンのスーパーなシステムでした!




300Bの動作電圧は自己バイアスなので420-70=350Vとなります。チョークコイルで1KΩものDCRを持つものは皆無なので達人がよくやっているフィールド電源のチョークのように大量に直列に入れることも考えられますがアンプではシステム的、音的にこれが優れているかはわかりません。管球王国Vol22で紹介されていたレプリカキットの記事にある回路図では電源トランスは465V,整流回路はチョークと200Ω25WのDALE抵抗が入っていて440Vまで落としています。

これはレプリカの電源トランスの裏面で高圧は470Vと350Vが出ています。負荷をかけた時にどの程度の電圧降下になるかは不明ですので入手できるチョークコイルのDCRと相談して最終決定することにします。300Bの動作条件はオリジナルと一緒になるようにします。


Western Electric WE91A レプリカ(3)

2014-12-03 19:38:29 | Western Electric
 真空管アンプの最重要部品の一つにソケットがあります。WEアンプでは1930年代から最高品質なソケットが使われていたわけで、レプリカ製作でもできれば同様なソケットを使いたい!のは誰しもです。信頼性の低いソケットは電気的な問題だけでなく真空管の足を壊してしまう!という指摘もあります。現在かつてのような高品質なソケットを入手することは困難で、ジャンク屋で目にしたら買い占めろ!などと言われるほどです。
 台湾製レプリカシャーシを販売している会社は外装パーツとしてソケット、スイッチなどを供給しています。それもかなり安価で。品質には目を瞑らなくては、、。
本物のシャーシ内の写真を見るとWE300B,WE310Aのソケット共にヒーター配線は内部方向に向いています。でもこの写真も300Bのソケット以外は交換されているようです。ウェファー型はたまに目にしても並3ラジオか!みたいのしかありません。上質なウェファー型が入手できればいいのですが。






「ヒーターはシャーシの隅をより合わせて配線する」という常識は通用しないようです。残念ながらレプリカソケットは90度ずれた配置になっています。

何とかしてみよう。

リムのかしめを起こしてセラミック部分と切り離します。この直線部が左右にはまり込んで位置決めされています。

リューターで円弧部分を削って直線状にして

90度回転させてソケットを組み立ててシャーシに戻しました。めでたくヒーターが内側になりました。ソケットもいいのが入手できたら交換したいです。その時のためにピン配置は一致させておきましょう?

その後すべてウェファー型ソケットが入手できましたのでこの加工は無駄になりました。良かったと思うことにします。