中断していたバイオリンレッスンを再開した。私のレッスン歴は7歳〜15歳の8年間のスズキメソッド、42歳〜57歳の15年間のSバイオリン教室で合計23年間(!)受けている。才能のなさと生来の怠癖と逃避癖で腕の方はサッパリで今だに人前で演奏できるレベルでは無い。小さい子が素晴らしい演奏をしている動画を見るたびに世の不条理を呪う日々。レッスンは退職前あたりから中断していたのだがそろそろ再開したくなって久しぶりにS先生の門を叩いた。第6波のコロナ禍で私は3回目のワクチンもまだだったのでどうかな、、とは思ったが幸い再入門を許されて昨日再開第一回目のレッスンを6年ぶりに受けてきた。前回(6年前)までは週1回のレッスンだったが仕事の関係でなかなか全出席はできずレッスン日の変更も難しく平均しても月3回には届かなかったと思う。今は時間の余裕はあるが精神的な負担も顧慮して月2回のレッスンとさせていただいた。
6年ぶりの教室は時間が止まっていたのでは無いかと思うほど変わっておらずこれには驚いた。唯一バイオリン販売店が配る写真入りのカレンダーだけが違う。私を欺くなにか大きな力を感じる(病気かも)。何から再開するかだがこちらの希望で新しいバイオリン教本4巻からとさせていただいた。小野アンナ先生(オノヨーコさんの叔母さん)の音階エチュードをしてから曲を、、という流れは以前と同じ。今日は4巻2曲目の「ロッシーニの主題によるエア・バリエ」から。
この日記ではレッスンされた内容に加えてyoutubeなどでも解説される動画を参考にレッスンメモとして記録しておこうと思います
4-2「ロッシーニの主題によるエア・バリエ / Dancla」
2022/3/2(wed)(初回) 2022/3/17(thr)(2回目)
Andante(ゆっくり歩くような速さ)
ゆっくり 松葉を意識 休符を意識 シ-ラ、ミ-ファは松葉 ミ-ファはあざとくならない エコーはやりすぎない
1-3 レード ニュアンス 3-1 から3-2 に向かって
Piu lento(今までより速く)
3小節目シーラ シーソ 気持ちを込める。3段目下降音程 次の上行は3連譜弾き ラーシは1拍ゆったりと ただし演奏は譜割り通りでないことも 4段目最初の1拍しっかり
2-3 16分音符タイム 3-2 2つの駆け上がりは繰り返しではない
cantabile(歌うように)
1小節目 弓小さく 3小節目1拍目切る 3段目の下降そよそよと タータ タータ 5段2小節目拍の頭しっかり
Brillante(輝かしく)
3段目音程 2小節目スピッカートのリズム スピッカート後の音符の長さ 弓の根元を使ってコントロール
coda
下降は4より0を多用
2022/3/3(thr)
香川県高松市で開催された高松亜衣さんのコンサートに行ってきた。
会場のサンポートホール高松 となりは30階建ての高松シンボルタワーで時間があったので高速エレベーターで最上階まで行ってみたがほぼ無人。閉店したレストランもあって見た目の華やかさと裏腹に実態はきびしそうだ。
氏は東京芸大生時代からのyoutuberで23歳の現在も活発にアップしている。今回は全国6ヶ所の無伴奏ツアーで4名の作曲家の作品とアンコール1曲の実質1時間程度の内容。コロナ禍で心配されたが今日は無事に開催されて観客は60名くらい、6列目の真正面でいい席だった。超絶技巧オンパレード、ほとんどノーミスの演奏に圧倒されたが特に感心したのはボウイングで弓の端から端までのスピードが速く正確、音がキンキンせずに柔らかい。重音が縦横無尽に鳴り響くといった感じであまりの凄さに参考にすらならない。私と同じスズキメソッド出身というから彼女もきらきら星から始めたと思うが同じ楽器なのに違う世界に住んでいる事を実感させられた。「BACHは今後人生の年輪を重ねていくとどういう演奏になっていくのか楽しみだ」などと評論家みたいな事をむりくり思いながら聴いていた。
さすがクラシック界のアイドルで演奏が済んでの撮影タイム、客もおじさんが多い。CD買ったがコロナのせいでサイン会はなし。そのかわり1000円高いおなじCDがあってオンラインサイン会とある。購入すると自分の名前入りCDが送られてくるらしく商魂逞しい音楽事務所。ただしちょっと納得できるのはこの状況下の観客数ではチケットの売り上げだけではなかなかペイしないのではないかということ。どのアーティストも物品販売は収益を支える大きな柱だろうと思う。
2022/3/5(sat)
プロの音が掠れないのは何故だろう。今日は最近知った地元の弦楽器工房に普段使わない弓を毛替えに出した。以前に他店で替えたのだがどうもしっくりこなかった弓。今回のお店に別の1本を先月毛替えして調子が良かったので本命の弓も替えてもらうことにした。腕の悪さは棚に上げてできることはやっておこう。この工房は数年前に開設されたらしいが弦楽器担当のM氏は偶然にも私が楽器を購入した名古屋のお店に勤めていた方。この大手の販売店は年一回岡山の会場でメンテナンスや毛替えを行なっていて利用していたのだがコロナ禍での中止もあってしばらく受けていなかった。帰省の新幹線を途中下車してお願いしようかと思っていた矢先だったので本当にラッキーだし今後も安心。古いオーディオ機器や車などと一緒でメンテナンスショップの有無が趣味を続けられるか否かを大きく左右する。
2022/3/13(sun)
張り替えた弓は好調。不調の時は松脂と相性が悪いかもしれないと思って数個買い込んでいた。1個当たり2000〜3000円なのだが1個だけ数倍高いのがある。レザーウッド(だったかな?)というメーカーで松脂がレザーに包まれた木製の樋に入っていて見るからに高級そう。最近youtubeを見ていたら松脂による出音の違いというのがあってこの松脂がダントツに良いという。実力がないので違いがわからないのが本音だがそう言われたら使わない手はなく早速筆頭常用となった。
2022/3/17(thr)
今日はレッスン日で朝から落ち着かない。ただし今回は「鬼練」はしないと誓っている。鬼練とはレッスン直前の猛練習のことでレッスンで恥をかかないように体裁を保って切り抜けるためのあがきで今まではこの連続だった。今回は心を入れ替えて鬼練脱却宣言して有言実行。退職して自由になる時間が増えたし体裁を保つだけような行動は自分を貶めるだけだと信じて。。いつまで続くかわからんが。今日でダンクラのエアバリエが終わってしまった。次回まで3週間あるのでちょっと大曲に取り組んで次回のレッスンを受ける事にした。
2回で終了を告げられて最初は次の曲は、、となっていたがやはりもうしばらく続ける事にした。綺麗な音色、スピッカートを安定させる、早いパッセージも粒が揃うように。ちゃんと音楽になっているか?他の人に聴いてもらえるレベルをめざす。
2022/3/24(thr)
深々とした美しい音を出すのはどうしたいいのだろうと思う。私の指は昔の巨匠のように大きくて太い。特にハイポジションでは指を退かさないと隣の音を押さえることができないのでこれがとても嫌だったし音程が定まらない言い訳にしていた(と思います)。しかし太い指による大きなビブラートが彼ら独特の音を創っていたとも言われるのであながち欠点ばかりではなさそうに思う(いや思いたい)。ビブラートの練習は最近はしたことがなかったが意識して大きくかける練習をしています。意識すると難しく自然にできるようになるには時間がかかりそう。
最近メンテナンス時に今まで使ったことのない弦に張り替えてもらったのだが短期間でちょっと冴えなくなってしまった。弦に付着した松脂のせいかもしれないと思って念入りに掃除するもあまり変わらない。弦の張り替えは私くらいのレベルなら年1回発表会の前の交換が普通ではないかと思います。4本交換すると高いものは¥10,000もしくはそれ以上掛かるので練習しかしないものにとっては頻繁には交換できない。現在はたくさんの種類が流通しているので弦による違いは気になる所です。性能を長く維持するか否かは大きな要素にちがいない。
2022/4/7(thr)
前半は音階Edur ダンクラ 後半は
4-3「アンダンテ・レジリオーソ / F.Thome」
最近メンテナンス時に3/24(半回)4/7(半回)
祈り、宗教的
Andante
1-3小節目 3-5小節 ドレ 丁寧に
Poco piu mosso
8-5 丁寧に 10-2 ファはミのフラジオで確認
Tempo 1
音符はしっかり伸ばす。
Largamente
1-6シのあとしっかり間
Tempo 1
1-2 0ではなくG2を
次回(2週間後)から4-4 コンチェルト イ短調 No,1 /Accolay
2022/4/16(sat)
コンチェルト イ短調 No,1 /Accolay は練習曲として「新しい、、」と「篠崎、、」の各々4巻に掲載されている。日本の三大バイオリン教則本はこれに「SUZUKI」を加えたもので各々に特徴があるらしい。現在のレッスンは主に「新しい、、」を使っているが私の持っている一番古い「SUZUKI」教則本は1964年発刊と書いてある。半世紀以上経っている酸性紙は結構脆く古文書のようになっているのもあって買い直した巻もある。子供の頃は教則本は永遠に続く道みたいな印象だったが本来は短期間で効率良く技術が習得できることを目標にしていて改めて見渡すと確かにそう感じる。半世紀前のレッスンを思い出して(昔の記憶は結構鮮明、最近のはすぐに忘れる)もどかしく感じる事もあるし教則本に収められている曲には変更はなくちょっと不思議な気もする。
同じ曲が異なる教則本に載っている場合運指やスラー、編曲が異なっていることがある。あるYouTubeチャンネルを見ていたらこの曲の楽譜は「SUZUKIより篠崎の方が良い」という意見でこの機会に篠崎教則本全巻を大人買いした。。
早速「新しい、、」と「篠崎、、」の同曲の譜面を比較すると結構違いがある。出だしから「新しい、、」はp(ピアノ)だが「篠崎、、」はf(フォルテ)!で真逆だし拍の頭をスラーに入れるかなど。参考にさせていただきます。
netに掲載されていた楽譜の冒頭の記号はmf(メゾフォルテ)で作曲者の指示がなければなんでもありだ。他にも途中三連符が続くところもその冒頭がサルタートなのかテヌートなのかなど。
コンチェルト イ短調 No,1 /Accolayは練習曲として知られているがパールマンなども弾いている映像も(多分観客へのアンコールサービスだと思うが)あってさすがに巨匠が弾くと全く違った曲に聞こえる。こんな風に弾きたいので解釈はできるだけ真似しよう。この曲はコンチェルトの練習曲と言われるが魅力的な旋律と構成で個人的にはとても好きな曲。頑張って練習しよう。
2022/4/30(sat)
今年のGWは久しぶりに旅行に出かける人が多いらしい。2年続けて外出自粛が叫ばれていた反動かと思うがまだまだオミクロン株による新型コロナ感染は続いている。もし自分が感染しても命に対するリスクは低いのだろうという認識が若い人を中心に広まっての行動でwith colonaの観点からこれは仕方ないしマスク着用の習慣も次第に緩和されていくのだと思う。ただ自分も家族も十分に老人だという認識は忘れないようにしたい。リスク回避のための行動制限は個人の意識によってレベルは違うがこの先ずっと続いていく。
この次のレッスンは5月5日。以前はレッスン日が近づくと憂鬱な気分になっていた(!)が最近は楽しみに思う。ちょっと気になるのはここしばらく左手の小指の第2関節が痛むこと。練習のしすぎではないが気になる。
スピッカートがうまくできない。サルタートは元弓で何とか。弓を弦に落とすのではなく掴んで離す感覚と言われる。どの弓の位置でも方向でもスピードでも自在にコントロールできるようにしたい。
2022/5/9(mon)
GWが終わってやはりコロナ陽性者は増加した。観光地はどこも賑わっていてこれは予想通りらしい。日本では外出時はほぼ100%の人がマスク装着している。法事があって県外に移動したがカミさんはフェイスシールド付きのマスクを使っていてちょっと浮いてる。逆に海外の映像を見るとマスク姿が全くないのもあって(結構感染者が出ている国なのに)考え方の違いが鮮明。今後しばらくは海外へは行きずらそうに思う。
左手小指の不調に加えてアウトドアで右手親指を少し痛めてしまった。指を使うアーティストは家事を一切せずにドアの開け閉めもマネージャーが行うみたいな話を聞いたことがある。本当であればそこまで意識を高めて芸術に対峙する姿勢には感心するが芸術の特別感にちょっとうざくも感じる。指が痛いと練習に支障が出てちょっと気持ちが滅入った。次回のレッスンは5/12に変更になった。
2022/5/10(tue)
3ヶ月前にバイオリンのメンテナンスを行なっていただいた際に弦を交換した。勧められたのは分数バイオリンの時は使ってたような気がするがこのバイオリンになってからは初めての弦「ドミナント」。一番ポピュラーではないかとおもうし価格も比較的リーズナブル。ところが交換直後は輝かしい音で良かったのだが2週間ぐらいでくぐもった音になってしまいがっかりして早くも次の弦の物色をしていた。そのまま弾き続けて現在に至るのだが不思議なことに最近は良く鳴っている気がするし深みが増したような音になってきている。皐月の天候の関係も大きいとは思うがこれが本来のドミナント弦の音かもしれない。音色のコントロールが手の内にあるような感じで練習が楽しく感じる。
2022/5/13(fri)
コンチェルト イ短調 No,1 /Accolay 2022/4/21 2022/5/13
場面転換に伴う細かなニュアンスの指示が多い。膝を柔らかく細かなフレーズに気持ちを。繰り返し時の表現、三連符のカウントはきっちりと(伸ばす)。2小節ごとの輪郭を考える。到達する音がキーならばきちんと意識する。音の終わりを丁寧に。弓のスピードを必要に応じて、ゆっくりすぎると音が詰まる。録音してのチェックは有効だと思う。
一応2回のレッスンで終了。
次回から(すでに行なっているが)セヴィシックop.1 No,11 をレッスンに取り入れることになった。クロイツェルよりセヴィシックを。エックレスのソナタに。
左小指が以前から痛む事を相談するとオーケストラでも悩んでいる人は多いとのこと。やはり小指の問題が多く運指を変更して対応する場合があるらしい。手の大きさと小指が割と動くのが数少ない利点だと思っていた自分だがやはり加齢でいろいろと問題が出るみたい。
2022/5/19(thr)
ヘンリー・エックレス(1660〜1742)は江戸時代中期の英国の作曲家。エックレスの名前はあまり一般的ではないと思うがこの曲はバイオリン学習者にとっては有名な曲で誰もが一度は弾いていると思う。検索するとヨセフ・スークが弾いているのが見つかって参考になる。
エックレスのソナタの楽譜はバイオリン教則本の「新しいバイオリン教則本」4巻 「スズキメソッド」8巻に載っている。youtubeの解説でこれらはオリジナルとかなり異なっているとあったので新たに楽譜を購入した。出版はインターナショナル社だが同社からはエックレスのソナタのコントラバス版も発売していてうっかりそっちを買いそうになった。ちなみにTheodore Presser Companyからはアルトサックス版が出版されている。インターナショナル版は曲の構成は同じだが音はかなり異なっている。盛り上がる部分がオクターブ低くなっていてこれならコントラバスで弾いたら迫力があるだろうな、、と思う。バイオリンの場合は教則本のオクターブ高い方が華やかに聞こえる。どちらがオリジナルに近いかはわからないがインターナショナル版には教則本にはなかったテンポの指定があるので購入してよかったと思う。YouTubeで検索するとコントラバス、ビオラの演奏が聴ける。やはり素晴らしく思わず聴き入ってしまったがコントラバスはハイポジションが多くビオラはかなり編曲がされていて各々難易度が高そう。
2022/5/27(fri)
なぜか今頃(5月末)になってバイオリン教室に今年のカレンダーが送られてきたらしく受け取った。バイオリン専門店が毎年制作しているのだが非常に美しい過去の名器といわれる写真が載っている。今年はアマティの弟子だったジョヴァンニ・バッティスタ・ロジェリ。全盛期は1690年頃らしいのでこのバイオリンも作られて330年くらいは経過しているのだろうと思う。拙宅にある一番古いバイオリンカレンダーはレッスンを始めた2001年でそれから随分経過した。
今日からレッスンでセヴィシックのop1 NO,11をする事になった。毎日練習して臨んだがダメ出しが多く練習したところまで行き着けず。準備運動のようなものだからレッスンの一番初めに行う。完成はなくてアスリートの準備運動のように日々繰り返して行うもの。
エックレスのソナタレッスン1回目。弓大きく、休符しっかり、音符通りしっかり伸ばす、 重音は単音で終わらない、重音の弓は手前に傾けて。重音後に弓が離れると次の単音がばたつく、(ピアノの伴奏から)タイトとレガートをしっかり分ける。やはり2楽章が難しい。先生には申し訳ないが自分が納得するまで続ける事にします。
2022/6/6(mon)
倉敷演劇鑑賞会 例会 「アルジャーノンに花束を」劇団昴公演 倉敷芸文館
ダニエル・キイス原作の本作は何回かテレビ、舞台化されている。テレビではユースケ・サンタマリア(2002年)、ヤマP(2015年)主演、演劇も複数の演出があるらしい。この公演はキャストを交代しながらすでに450回以上のロングランとのこと。無駄のない素晴らしい舞台に引き込まれて原作本も購入してしまった。舞台の余韻に浸りながらこれからじっくり読む事にします。コロナ禍がひと段落なのか観客も結構多い。前回例会の「くず〜い 屑屋でござい」(もともと子供向け演劇)もよかった。
2022/6/10(fri)
エックレスソナタ2回目。3,4楽章の予定だったがもう一度最初から聴いてもらう。第1楽章まあまあ、第2楽章やっぱりダメ。重音に勢いがない、食い気味に弾くのはOK、低減2本を引っ掛けてから鞭を打つように高弦2本を重音に。もっと張りのある音で。伴奏をよく聴いて。第3楽章フレーズ感しっかり。退屈な。ダメ出し多い。第4楽章ヴィバーチェ速すぎないで。アクセントは1拍目。キコキコだめ。
一応次の曲へとなったがやはりダメだと思う。弾き込んだら上手くなるのだろうか、、?私のような高齢の上達法は感性のままに弾いてもダメだと思う。ちょっと情けないがお手本の演奏があってそれをコピーするようなやり方が良いように思う。また弦楽器は発する音にニュアンスを付け加える事ができるわけなので(弓の速さ、強さ、ビブラート、左手の動きなど)1音に気持ちを込めて弾き飛ばさない。
2022/6/16(thr)
先生からのアドバイスで練習の一番初めにセヴィシック op1 NO,11を弾いている。右手のウォーミングアップなのだが欠かさず行なっていると少しづつの進歩を感じる(気がする)。弓が弦を擦って振動させてその振動が弓を伝って弓を持つ指をはじめとする身体に感じるわけだが何となくその道筋がはっきりしてきた。振動のループの過程で発声されるがこのループが強固であるほど揺るぎない安定した音が出る。決して一方通行の一発勝負ではない。
2022/6/24(fri)
今日からHendel Violin Sonata 2 。HendelのViolin Sonataは6曲あるが本人作は1と4の2曲のみと言われているらしい。聞く事があるのはこの2曲と2と3の第2楽章くらい。楽譜もそれしか持っていない。そのうち全曲入手しようと思っていたがそのままになっている。緩徐な第1、第3楽章とアレグロな第2、第4楽章なのだがやはり第1楽章が難しい。しっかり歌う(歌わせる)にはどうすればいいのか?まず立って弾こう。つい座って練習する事が多いが気がつくと姿勢が悪くなっているし足裏への体重のかけ方が疎かになる。立った方がニュアンスがとりやすい。次に自分の演奏する姿を録画してみよう。以前は録音だけだったが画像があった方が良いとのアドバイス。試しにiPhoneで撮ってみたが音質の悪さに閉口した(腕の悪さも当然だが)。そこで外付けのマイクを注文した。Lightningに挿すタイプなのでステレオ録音には縦置きに限られるかもしれない。ちょっと映像を見てみると音だけの時も「棒」だったが映像が加わると余計に感じる。音の溜め、しなやかさ、送り込みいずれも不足している。早いパッセージをアップアップしながら機械のように弾いている。酷さ加減に今更ながら暗い気分になった。
2022/6/27(mon)
PLAN75 早川千絵監督 倍賞千恵子主演
座席は半数ほど埋まっていた。PLAN75とは高齢化社会に対応するために国家が推進する制度で75歳になったら自死を選べるというディストピア映画。現実に迫りくる深刻さに自分を重ねてとても嫌な気分になったのは予想通り。身寄りのない倍賞千恵子は当事者、磯村勇斗は進める側の公務員、、、、はPLAN75を申し込んだ老人を緩和ケアする若者、ジェニファー・、、はフィリピンから日本に出稼ぎに来て介護職からより高給な死体処理業務に転職した手術が必要な病気の子供を持つ母親。
テーマや人物設定は良いと思うし印象的なシーンもあった。しかし圧倒的にもの足りないのは何故か。安楽死や尊厳死などと共に多くの議論や深い考察が必要だろうし本人の希望とはいえ死刑執行のような扱いを受ける様子は現実味が薄い。このテーマで韓国映画がリメイクしたらと考えてしまう。
2022/9/17(sat)
事情で10週間ほど留守にしていた。楽器を持っていかなかったので帰宅して久しぶりに音出しをした。おそるおそるケースを開けてみる。昼間は家人は居ないので夏場のダメージを心配していたが糸巻きと弓のネジが少し張り付いていた。発音はそう変わっていない気がするがしばらく弾いていくうちに様子が変わるのかもしれない。指が動かず運指を忘れているのは予想通りだったが練習のパターンまで考えないと出てこないのは練習が身についていない証拠だと思う。頭の悪さは今に始まった事ではない。
2022/10/21(fri)
3ヶ月お休みしていた月2回のレッスンは10月から再開した。今日でHendel Violin Sonata 2は終了。やはり当たり前に曲の解釈の大切さを感じた。曲想を意識するだけで発音が変わる。今日のレッスンでは音階の指のタッチをもっと鋭くして音を明瞭にと。次回から4巻モーツァルトのアダージョで以前のレッスンでは跳ばした曲。
2022/11/7(mon)
渋柿をたくさんもらったので例年の干し柿と今年はじめての柿酢を作った。
柿酢の作り方は簡単でヘタをとって瓶に入れるだけ。洗ってもいけない。これで時々かき混ぜて1ヶ月から3ヶ月でできる。1ヶ月過ぎたのをザルで濾した。梅酒用に売ってる瓶2個で1升くらいか。少し飲んでみたがアルコール発酵もあってちょっと酔っ払ってしまった。私は酒が全く飲めない。瓶に移しても発酵は進むらしいのでちょっと加熱してアルコール分をとばさないといけない。早速生姜の微塵切りと混ぜて調味料を作ったり、ワカメの酢の物にしたり。しばらく楽しめそう。干し柿は第2弾が50個ほど吊されている。搾りかすは肥料にした。
2022/11/11(fri)
4巻モーツァルトのアダージョのレッスン。やっぱりCDの模範演奏だけでは分からなかった細かな指示があった。ボゥイング、トリルの入り、初音の入り、抜けのニュアンス、など。3週間あったので結構弾き込んで行ったのだが音楽にするには「大雑把に弾ける」ではとても届かない。でも次曲のヴィニアスキーに行くことになった。
「スペシャルエディション」と称してThe Beatlesの新譜のCDとLPが出ている。今までも当人たちも不満だったと言われているアルバム「LET IT BE」が別テイクを用いたりやリミックスされてCD化されたことはある。
今回はLPを購入した。LPレコードは米国ではCDの1.7倍の売り上げだそう。サブスクで無料感覚で聞くかお金出してLPで聴くかの2極化しつつある。今回のバージョンの特徴は音源を分解してデジタルミックスし直していること。当時はモノラルからステレオへの移行期であれだけ凝りまくって製作したモノラル音源だがステレオパッケージにする時はエンジニア任せだったという。今聞いてもむりやり不自然に左右に振り分けられた物が多く(それも当時を偲ぶものとしては悪くないのだが)今回は演奏、ボーカルを抜き出して再構成するという現代ならではの手法。サブスクでも聞くことはできるが古くからのファンはパッケージが欲しい。ちょっと迷ったがLPバージョンを入手した。Beatlesのアナログレコードは希少価値のあるもの(初版、回収された版など)は100万円以上する物がある。
すでにリミックス音源は聴いていたので新たな感激は薄かったが重量版レコードだったこと、綺麗なジャケットでやはり所有することの喜びを感じる。スクラッチノイズのない新品レコードはやっぱり新鮮で気持ち良い。ジャケットは飾っておいても十分にオサレだし。数十年前に購入したLPは米Capital版だったので「Dr,Robert」などが勝手にカットされていたものだった。(そういえばJONEが亡くなった時の追悼文に「Dr.Robertはもう間に合わない、、」と言うのがあったのを思い出します。)
2022/12/2(fri)
数日前に弦を張り替えた。今年初めに楽器を久々のメインテナンスに出した時以来なので10ヶ月ぶり。弦や弓の毛替えは1年に一度くらいがアマチュアの標準だと思っている。その時は「ドミナント」という多分最も多く使われていると思われる弦を張っていただいた。こちらから指定したわけではなくお店のスタンダードなのだが実は私は初めて使う弦だった。どの弦もそうなのだが張り替えたばかりは輝かしい音がして嬉しくなる。ところがこのドミナント弦は10日位で最初の輝きは失われてしまった。これには少し驚いて何が原因だろうかと考えたが思い当たる事はない。価格がリーズナブルということもあってこういう性格のものだとその時は納得した。ところがそのまま使い続けていくと次第にまた変化していった。燻んだように感じていた音がまた燻銀のように輝き始めたと言えばちょっと大袈裟かもしれない。音を表現するのは難しいが外に向かって響きすぎない、暴れない音、コントロールがしやすい音。弱音器をつけると自分が上手くなったように感じる事がある。これはギターにエフェクターとしてコンプレッサーを入れるとアタックが弱まって音が持続するのだがそんな状況に近いのかもしれない。そしてその状態は長く続いたと思う。これが本来のドミナントの音かもしれないと思った。
今回採用したのは「エヴァ・ピラッツィ」
これも良く使われている製品で価格は11,500円程度、円安のためか以前より値上げしていた。早速張り替えると予想通り全く違う。まず大きな音が出る。高音がキンキンする。オクターブで隣の解放弦が大きく振動してちょっと気持ち悪いくらい。ドミナント弦では弱音はいい加減な演奏でもでもそれなりに聞こえてたのがアラが曝け出される。。誰に聞かせるわけでもないが変な癖がつかないためにもやっぱり弦の張り替えは必要だ。
前回のレッスンはWineiawskie オベルタス だったがダメ出しが多かった。付点スタッカートのリズム、重音の音程、、トリッキーな曲をカッコよく弾くのは難しい。結構ハッタリもありと思うがそれでは練習にならない。また重音時に解放E線が鳴らない事が多い。これには本当に悩んでいて弦の交換で解決するかと思ったがやはり変化ない。少し太めのE線を選んのだが。調整で何とかなるのだろうか?
2022/12/9(fri)
Wineiawskie オベルタス はやっぱり難しい。不満足だったが私のギブアップで終了となった。この曲は過去一度レッスンを受けていてその時もギブアップだったので二度目の、、となるがこの先三度目のレッスンはあるのだろうか?。次の曲はビバルディ。オベルタスがうまくいかなかったので腹が立って(だと思うが)「この曲(次のレッスン曲)にはビバルディらしい魔法を感じない!」などという暴言を先生に吐いてしまって後悔した。ビバルディ先生ホントに失礼しました
エヴァ・ピラッツィは次第に落ち着いてきてキンキンしなくなった。
2022/12/15(thr)
Handel(ヘンデル)のViolin Sonataは6曲あるのだが真作は1番と4番のみとされている。この2曲はSUZUKIのバイオリン教本に掲載されている。新しいバイオリン教本には2番と3番の第2楽章が載っているのだがそれら以外の曲も弾きたくなって6曲を網羅しているinternational出版の上下2冊の楽譜を入手した。バイオリン教本と比較すると運指やボウイングが結構異なり今まで身についているのを変更するのはちょっと面倒だと思う(老人のアマチュアは融通が効かない)。3番の2楽章は有名な曲で子供たちの発表会ピースなのだがそれ以外の楽章を初めて弾いてみた。参考にしようとyoutubeを探すがさほど演奏動画は多くない。ところがそのうちの1本の解説にSUZUKIの教本6巻に載っている曲と書いてある!これはどういうことだろうか?私のSUZUKI教本6巻(1967年)には載っていない。Amazonで検索して掲載曲を比較すると確かに3番全曲が載っていてその代わり旧教則本の後半の数曲がカットされていた。internationa版と比べて運指も多分易しいのだろうという期待を込めて早速注文した。SUZUKIの教本は1960年に発刊されたと聞いている。途中で改訂されたということを初めて知った。曲目以外でも運指やボウイングが変更になっている曲があるかもしれない。出版社の楽譜は昔からの巨匠が監修しているものが多くアマチュアには結構弾きにくいものもある。うまくなれば表現の幅が広がるのだろうが道は険しくつい安易な方を採ってしまう。
届いたSUZUKI教本の巻末に改訂のことが記載してあった。1970年代に現在の内容に変更されたらしい。旧版に収められている曲も指導者と相談して弾いてみたらどうか、、とあった。そのほかの曲のボウイングもやはり変更されている箇所は多い。
2022/12/23(fri)
最後の曲ビバルディのソナタ。ダメ出し多いがいちいち納得する。
2023/1/13(fri)
年が明けて最初のレッスン日。10日ほど帰省していたのでその間楽器に触ってなくてやっぱり先生に見破られた。でもビバルディは今日で終わってしまった。レッスン時に完結しないのは残念だが普段もう少し弾き込みたい。次回から「新しいバイオリン教本」5巻に
2023/1/27(fri)
ビオっティのコンチェルト。結構弾き込んでいったのだがやはり表現について細かい指示があった。ローラ・ボベスコのレコードがあるはずなのだが最近見当たらない。もう少し探してみよう。ジェットコースターのようなフレーズが多いのだが「スチューデントコンチェルト」的な曲だと聞いて少しがっかりする。SUZUKI教本でも4巻にザイツのそれが数曲あるが最近はあまり弾かなくなっている。1回のレッスンでOKがでて次回からローデに。
2023/1/29(sun)
岡山市にあるシンフォニーホールで行われた角野隼人コンサート
ここでのコンサートは3回目だそう。席は3階だがステージ真正面。満席の観客の男女比は2:8くらい。写真撮影OKの時間帯で
今回はフルコンとアップライトという変わった編成。とくにこのアップライトピアノは左手で何か操作していたが音色が変えられる機能があるらしい。籠ったピアノらしからぬ木管楽器のような音が出ていた。youtubeではトイピアノや鍵盤ハーモニカまで駆使している氏の演奏は自身の作曲も交えてクラシックにとどまらず。アンコールもバズった曲をやっていた。
昨年は有名youtuberのかてぃん氏がショパンピアノコンクールに出場したりファイナル以外の演奏がwebで公開されたりで世間のピアノへの関心が高まったと感じる。やはりスターはジャンルを問わず不可欠な存在だ。
2023/1/30(mon)
解放時のE線が調子悪い。十分に鳴らずに掠れてしまう。全体の正弦振動にならず分割振動になる。特に重音で顕著でしばらく前からこれには悩んでいた。市内にある弦楽器修理工房にメンテナンスを兼ねて診てもらうことにした。すると今日電話があり「テールピースの位置が低弦方向に少し(1〜1.5mmほど)ずれている」『!』この楽器を弾き始めて20年以上になるが初めて指摘された。指板がずれているわけではなく製作時からのものらしい。処置はテールピースの穴を埋めて新たに穴を開け直すというもの。表裏板を剥がさなくてもよいらしく早速お願いした。1903年製造のPecchini Vasco というmantova(イタリア)の楽器なのだが製作者の年表からちょっと辻褄が合わず(8歳時の作になってしまう)そのうち販売店に質問してみよう。これで悩みが解消すればいいのだが出来上がりは5日後、楽しみに待ちます。
2023/2/7(mon)
4日ほどで作業完了の連絡があった。エンドピンの位置移動は2mmほどで早速弾いてみると若干の改善が認められる。特に4弦同時に鳴らす時に解放のE線が鳴らなかったのだが弾いていると様子が変わるのがわかるのでもう少し時間の経過を待ちたいと思います。そしてA線、E線の鳴りが良くなっている。クリアでメリハリのある音でこれは家族にもわかったほど。楽器のポテンシャルはまだある予感がした。そして大発見が、、この楽器の製造年はずっと(入手当時から)1903年だと思っていたのだがそうではなく1973年らしい!そうすればPecchini Vascodさんの没年が1975年なので亡くなる2年前の作品という事で辻褄は合う。ラベルの文字が見えにくく'0'と'7'を取り違えていたらしくこれは本当に驚いた。丁度50歳の楽器はまだ伸び代があるのではないかとすら感じる。響きの良い楽器で弾くと発せられた音に耳が行き、音のコントロールの幅を広げることを意識するようになる。
2023/2/12(sun)
弦によって発音が異なるのは当たり前だが最近は特に気になっている。弦は大きく3つに分類されガット弦、スチール弦、ナイロン弦。ガットは腸のことで天然素材。ただいずれもe線以外の話でこれらを芯にして金属線でワウンドされている。各々の定番があって例えばガット弦ではpirastro社のolive、ナイロン弦ではドミナントなど。この2種類がバイオリン界では双璧だと思うが現在それ以外でも数十種類が販売されている。私は以前はolive,そして昨年ドミナント、pirastro社のエヴァピラッツィと変更したのだが違いは大きくまた時間の経過と主に変化する様子も異なっていた。今回のエヴァピラッツィはとにかく爆音、大きな音が出て大きなホールでバリバリ弾くソリスト向きかもしれない。反面ちょっと影がない明るい音は私にはちょっと眩しすぎるかもしれない。また弦の裏返り(こういうらしい)も気になるところで弦のカタログを見ると「裏返りにくい」という特徴の弦も紹介されていて困っている人は私だけではなさそうで少し安心した。
「HOMARE」という肩当てを注文した。バイオリンの肩当てはKUNというメーカーが有名だが私は20年ほど前からMACH ONEという木製のものを小改造して使っている。ただ私の肩への適合はちょっと不安定ではないかと常々感じていた。youtubeのあるチャンネルで紹介されていたHOMARE(ほまれ)は国産のアクリル製肩当てで肩当てとしては非常に高価。購入してもし合わなければ勿体無いことになるがその時はまた考えよう。
2023/2/26(sun)
HOMAREが届いて使っている。話題の製品だがとても良いと思う。バイオリンの振動を体で感じて音を体によって響かせるような意識は初めて持った。そして左腕が動かしやすくバイオリンの下の空間が広く感じる。高いのが難だが長期間使えて弦2セット分と考えれば納得かも。
エヴァピラッツィの音が冴えなくなったがこれは急激に来た。あっという間にカサカサで弦以外の原因があるかもしれない。弦は交換してまだ3ヶ月経っていない。一応もう1セット注文したのだがもし交換してもあまり状況が変わらなければ弓の毛替えも考えよう。というかこちらを先にすべきだったかも。
ビオッティとローデが終わった。両方ともスチューデントコンチェルトだそうでちょっとガッカリする。しっかり引き込んでレッスンに臨むのだが緊張して普段つかえないところで止まったりする。適当に弾いてたのが曝け出される。
2023/3/2(thr)
今日弓の毛替えに出した。受け取りは明日。先日はエヴァピラッツィ交換時になんとA線が破断してしまってoooo円が消えた、、。古い弦も頻繁に切れるがなぜだろう? 弦を替えても以前のような爆音にならず毛替えを決意した次第。ところがあまり使っていないもう一本の弓で弾くがやはり冴えない。。とりあえず明日弓が帰って来てからまた考えよう。
2023/3/1(tue)
3年ぶりに開催された倉敷音楽祭。倉敷管弦楽団コンサートに行ってきた。
前半はクラシック、後半はジブリの映画音楽。久しぶりに大編成のオーケストラを楽しんだ。サン・サーンスの「死の舞踏」は高松亜衣さんのyutube動画演奏に感銘を受けてこれからレッスンをお願いしていた曲だが今回のコンサートではソロバイオリンをフューチャーしたオーケストラバージョン。おどろおどろしい題名だがマイケルジャクソンのスリラーみたいな楽しい曲。途中でウクライナにルーツを持つ少女の「ふるさと」の歌唱があったりマンドリン、アコーディオン、ピアノの客演があったりと色々と内容があるプログラムだった。
2023/3/24(fri)
「死の舞踏」のレッスン。事前にボウイングは指示されていたので弾き込んで臨むが指示修正多数。弓の木部で弾く部分もあったがここは通常通りに。相変わらず緊張してうまくいかず歯がゆい思い。後にあたらめてリベンジするとしてこの曲のレッスンは終了した。最近このパターンが多いのが情けないが自分の中で熟成させてあらためて指導を受けたいと思います。プロのように鮮やかに弾きこなしたいが現実は厳しい。
2023/4/5(wed)
Weirのジプシーダンス レッスン初日。冒頭のリズム間違いほかダメ出し多数。「ギトリスみたいに弾きたい!」という願い虚しく勝手な解釈は即修正される。それにしても前にも増してフラジオが出ない。音も冴えなくて悶々として練習していたが2ヶ月前にエンドピンの位置替えをしてもらったばかりだったが決心して市内のバイオリン工房さんにメンテをお願いすることにした。そうしたら、、「D線のところにA線が張ってあります、、」『!!』前回の張り替え時にA線を切ってしまって焦ったのだがまさかそんなことになっていようとは、、。その場でD線だけ在庫のエヴァ・ピラッツィに交換すると当たり前にあっけなく改善した。
バイオリンは顎当てのずれの修正やクリーニングもおねがいすることにして数日預けることにしたのだが顎当てはオリジナルの製品を見せていただいた。凹凸がはっきりしていてなかなかよさそうだがお値段も結構して悩む。そしてその顎当てが装着されていたオリジナルブランドのバイオリンをその間に貸していただくことになった。製品は新作の中国製品で30万円台のもの。お店で試奏すると特にD線の音の抜けが気持ちいい。雑音が少ない。高音域がうるさくない。自分以外のバイオリンを引く機会が滅多にないのでこれは新鮮だった。
近年バイオリンの価格が高騰しているのはよく聞くが実際のところはどうなのだろう?と常々思っていた。バイオリンなど弦楽器はイタリア製品が頂点とされているが1丁が数百万円で売れるのであれば年に数丁制作するだけで十分に生活できそうでそんな世界なのだろうか。クレモナなどイタリアの代表的な産地の工房数は一時はかなり少なくなってしまったらしい。これは日本産の普及製品が大量に出回ったためらしいが1950年以降はクレモナを含めて復興されている。しかし近年のヨーロッパではイタリア産新作はあまり売れていないという話をきいた。イタリア産の新作の売価は200万円程度らしいが工房に入るお金はずっと少ない。特に日本ではクレモナがブランド化されているために高額で売買される。バイオリンは古くなっても捨てられることがない。数百年前のものでもメンテナンスを施すことで使用に耐える状態に維持される。適切な材料と技術で製作された楽器は年数を経て良い音になるとされる。その期間は数十年以上100年単位で自分の人生だけでは達成できないためすでに年数を経て熟成されたオールド製品がもてはやされる。また近年の中国産は技術的な進歩があって新作の比較ではイタリア新作と差が少ないどころか上回っている場合も多いという話を聞いた
2023/4/11(tue)
連絡があってバイオリンを受け取りに伺った。顎当てのクッションがずれていたのを修正されていた。顎当てのバイオリンに接する部分の面積が大きすぎてバイオリンを傷めることもあるらしく削るのも金具に当たって難しい事が多いらしい。お借りしていた中国製の新作もお返しした。数日間弾いた感想は、D線の抜けが良くて箱鳴りがする。弓の違いがわかりやすい。高音がキンキンしないので長く練習しても耳が疲れない。気になった点は音の密度が(比較して)低い。A線の輝きが少ない。高音域全体の倍音成分が少ない 全体の重心が高い感じがする。オーディオ装置の周波数特性はよく測定されるが楽器も可能ではないだろうか。弓で弾いた比較でもいいしボディに発信機を取り付けて離れたところで測定しても良いかもしれない。これらは行っている研究者もいると思う。
楽器の良し悪しの判断は難しい。たまたま不調の場合もあるだろうし弦の状態でも全く異なる発音となる。しっかりメンテされて弦もいい状態の時に比較しないと正確な判断は難しい。多くの楽器を弾き比べている人は弱点を補正した状態まで想像して判断している。新しい楽器が弾き込まれることによってこれからどのような変化が起こるかまで予測する。オールドの場合は当てにならないラベルと楽器を見比べて真贋の見極めまで加わる。素人の出番は全くない。
数日ぶりに帰ってきたPecchini Vascoは予想以上の鳴りで嬉しくなった。G線の量感のなさは相変わらずだがそれ以外は輝かしい音がする。この間オークションを覗いたり目についた製作者を検索したりと楽しい時間を過ごさせてもらった。どのバイオリンもほぼ同じ形をしているが値段は全く異なる。ひょっとするととんでもない掘り出し物があるのではないかという期待で射幸心は刺激される。インターネットオークションがひろまって楽器の掘り出し物を見つけたいという傾向は美術品、骨董品などと共に高まっていると考える。内部に貼ってあるラベルも写真付き鑑定書も当てにならない。楽器なのだからもし新たに購入する時は労力を惜しまずに現物を手に取って試奏してからにしよう。試奏を断るような業者はロクでもないと思って間違いない。しかしお店ではとんでもない価格で売られているのであろう名器(らしきもの)が安価で出品されていると理性が吹っ飛んで湧き上がってくる欲望を抑えるのに必死だ。特にバイオリンをはじめとする弦楽器は高価なので危険なことこの上ない。
例えば今出品されている200年前のフレンチオールドバイオリン「******」は百件以上の入札が続いているが元は昨年12月に他の業者が弓、松脂、肩当て、ケースなど細々したものを含めて1円で出品し今回出品されている方が10万円程度で落札し10日後に本体、ケースだけ出品したもの(古いバイオリンは1丁づつ特徴があるので写真で十分に判断できる)。即売価格は80万円から70万円に下げられたが大勢の人々がオークションに群がっている。元の写真や説明では大きな傷や剥がれなど丁寧に説明してあったが落札後に弦だけ張り替えて写真を撮り直しての出品と思われる。最近の取引だったので元々の写真や説明が残っているのでわかったことだが期間が経過すれば経歴は閲覧できなくなり闇の中に。オークションの骨董取引きは(もちろん全部とは言わないが)多分こういった事例が横行しているのだと思う。一攫千金を夢見て落札した人は送られてきた現物を見てびっくりすると思うが本当に価値のあるものだという可能性は0%ではない。
2023/4/18(tue)
結局オールドフレンチバイオリンは200件以上の入札の末に本体、ケースのみで入手時の2.5倍の金額で落札されていた。お金をかけてメンテナンスしてしっかり素性を調べたらとても良いものだったというシナリオも残っている。幸運を祈ります。
今週県外に出かける用事があるので楽器店を訪問しようと思っていてとても楽しみにしています。今弾いている楽器を購入したお店なのでが店舗に行ったことはない。(バイオリン教室に何本か持って来られてその中から選択した)もしグレードアップするとしたらどの程度のものになるのか?持参する予定の現在の楽器の評価はどの程度か?(このお店で購入したのだからボロクソには言われないだろうし下取りの場合でも極端な安値の提示はないのではないか思うが)。実際に音を出してみて納得するものがあるのだろうかという不安と期待。
2023/4/22(sat)
名古屋市にある弦楽器専門店 ◯ャコンヌ名古屋店 を訪れた。愛知県で行われた法事の帰りに寄ったのだが名古屋駅から地下鉄東山線で一駅の伏見駅から徒歩10分といったところにあるビルの3F。名古屋市科学館の球状プラネタリウムの真正面でわかりやすい所にある。事前の予約をして苗字を伝えていたら初めての訪店だったのだが過去の販売記録があるらしく現在のバイオリンをグレードアップするなら、、と見繕ったバイオリンが5丁用意してあった。価格の低い方から新作シャコンヌ2丁、チューリッヒ、忘れた、フィレンツェ。新作シャコンヌは以前のようなドロッとしたニスではなくなっていてちょっとオールドがかった雰囲気になっていた。価格は180万円程度でよく音が出ていたと思う。シャコンヌ独自のチューンで表裏側板全てにコツコツ叩いた時に同じ音になるように製作、調整するのが基本らしい。次のチューリッヒ(作家がチューリッヒに居た時に製作)は現在使用しているマントバのものに一番近い鳴りだった。特にG線にその傾向で価格は◯00万円。一つ飛ばしてフィレンツェ(実はこれを最初に試奏した)の価格は◯50万円で税込で◯00万円を超える。形は非常に独特で表裏の隆起が大きくボリュームがある。F字孔の形が独特。1700年代のものでイタリア産だが形はドイツのシュタイナー派に似ているというもの。価格も飛び抜けていたが音も他とは随分異なって個性的だった。箱の容量の大きさが表れているようで低域の量感がありそのうえ高域もよく伸びる。気になったのは表板に長い筋があってひょっとしたら割れているのを裏から補修してあるかもしれない(適切な処理であれば問題ない)。
現在のバイオリンの評価だがコツコツ叩くと異なった音の部分あったり(表板をはずして削って調整するのだろうか?)ブリッジ、魂柱も改善の余地ありとのこと。調整の方法は日々進化している(歴史がある楽器だが調整のスタンダードは引き継がれなかったということか)。下取り時の買取価格を尋ねると(色々と理由があるらしいが)残念ながら購入した当時の半額以下になるらしく少しがっかりする。有名な専門店から購入する大きなメリットの一つに「価値が保証されていること」があると思っていたがそうでもないらしい。他のお店に持ち込んでの買取価格は情け容赦なくもっと叩かれるのかもしれない。バイオリンなどの弦楽器は一般の商品と違って古くなっても価値は下がらないというのは幻想だということがわかる。インフレかカテゴリーの市場価格が上がり続けなければ高値下取りは成り立たない。そういえばオーディオブーム真っ盛りの頃に古いオーディオ機器を扱っているお店の広告で「10年後に同価格で引き取ります」というのがあった。広告主は市場価格が上がり続けると信じていたわけだが残念ながら10年たたないうちにこのお店は閉店してしまった。
自分以外の楽器の音色にあまり関心がないまま随分長い期間が経過した(その方が幸せかもしれない)が今回の訪問で楽器の実力が少し分かったように思う。同じように見えるバイオリンも同じ音は2つと存在しないのも納得した。これは自分で弾き比べないと聴いているだけではなかなか分かりづらいかもしれない。さてこれからどうなるだろうか。
2023/4/23(sun)
Weirのジプシーダンスの次の客は同じ教則本の次曲 Tchaikovsky Meditation にしていたのだが先生からメールがあって「この曲は今まで指導曲として用いた事がなく難解な割に得るものが少ないと思うので違う曲にしませんか」 という内容。そこで急遽クライスラーの前奏曲とアレグロ に変更になった。この曲は初めての発表会で弾いた曲だが後半のクロマチックで登っていくところで1段階すっ飛ばしてしまっていつかリベンジしたいと思っていた。もともとイツァーク・パールマンの演奏に感動してバイオリンを再開したという思い出の曲。全く弾けなくなっていたので思い出すのに四苦八苦している。
2023/5/3(wed)
オークションでバイオリンを購入した。ラベルには「シュタイナーのコピー ドイツ製」とだけ英語で書いてある。シュタイナーコピーらしく胴の厚みはあるがいろいろ問題を抱えている。工房の方に見てもらい問題点を指摘してもらうとネックの取り付けが角度がつきすぎていて再セットが必要とのこと。その他にもいろいろと問題がありそうでやはり安価で良いバイオリンというのはなかなか望めない。このあたりは古い車の修理に似ているようにも思うがすべてお任せすると部品代金と工賃で思わぬ出費となり修理完了の車とかかった費用の合計が釣り合うかを取りかかる前に検討する必要がある。現物を前に舞い上がってしまったアマチュアは後先考えずに食いついてしまう。プロはこの点はシビアで利益が出ない車には決して手を出さない。古い車の場合はパーツの手配に苦労するがバイオリンのパーツは少なく場合によっては手作りできる場合もありアマチュアがいじるにはもってこいかもしれない。今回のように自ら駒、魂柱交換、指板の削合、ペグ調整から交換と色々楽しんでいるのは高額楽器ではないから。ただ素人の作業で状態が改善するかは疑問で逆に破壊することが多いわけで常に可逆的な作業なのかを考えながらおこなう。今回も肝心の音質改善はうまくいかず最初より悪くなっていると思う部分もある。
2023/5/4(thr)
ヘンデル バイオリンソナタ 6番をチェロのO氏と合わせた。たまたま教則本の楽譜がチェロとのアンサンブルの記載だったのでお誘いした。熱心なO氏はご自分のレッスンでこの曲を指導を受けていた。練習初日は第一楽章がやっとだったが楽しい時間を過ごすことができた。続きをぜひやりましょう。
2023/5/9(tue)
GWは入手した古いバイオリンの整備を楽しんだ。ペグの交換が残っているし肝心の音は冴えないままなのだが専門家に頼ろうかもうすこし遊んでみるか迷っている。
5月のレッスンは今日からで前奏曲とアレグロ(クライスラー)を開始した。早速いろいろとダメ出しが入る。左指も直しがありもっともだと納得した。ピアノ伴奏はコードのみでテンポもリズムも自分次第という場所があるがいかに音楽性がないかが露呈する。NHKのど自慢の横森良造さんのアコーディオン伴奏を気にかけずに自分の世界に浸るおじいさんに全然敵わない。体の中に音楽がある人とそうでない人との差だろうが、子供の頃は「このお爺さんはなんて音痴なんだろう!」などと笑って見ていたが自分がジジイになってみるとあまりの空虚さに我ながら驚くくらい。仕方ないのでまずある程度のテンポで余裕を持って弾くくらいまでは自主練で到達しておきたい。表現はその先のはなし。
2023/5/21(sat)
メインのバイオリンを交代することにした。現バイオリンは1999年5月25日購入のものだったで24年ぶりとなる。新たなバイオリンはG.B.Gabrielliと思われるノーラベルのオールドで今日受け取った。今までのバイオリンも整備して使い続けることにした。整備の内容は確定していないがかなりの大手術になるらしい。
2023/5/24(wed)
メルカリでバイオリンケースを入手した。かなり古くて一部壊れているがなんとか修理して使います。もともと良いものらしいのでこちらも大切にします。
新しい楽器はいろいろな音を持っているようでその時に必要なものを演奏者が取り出すわけだが繊細なコントロールが求められる。やはり楽器の選択は自分のステップアップのためにも重要だと再認識したしだい。また弾いてみると弓の違いがよくわかる。美しい響きのためには溜めが必要で溜めのためには準備が必要。今更ながらだが新たな発見がある。
2023/6/2(fri)
前のバイオリンのメンテナンスメニューとその見積もり、そしてメンテした場合の予想できるパフォーマンスについてのコメントをお願いした。やはり弾く機会は減っているので手を入れて持ち続けるか潔く手放すかの思案のしどころ。長く弾いていたので愛着があるが決別できないのは私の性格からでバイオリンに限ったことではない。一方で相変わらずハイアーチのバイオリンに目がいってしまう。
2023/7/7(fri)
不慮のトラブルで足を骨折して1ヶ月ほど入院していた。入院中はG.B.Gabrielliよりも怪我をする直前にオークションで入手した古いバイオリンが気になって仕方がなかった。退院して真っ先に仮のセットアップをして音を出してみた。
弦はドミナント、駒の調整は全く不十分だが全体のバランスも良く大きな音が出る。A線の量感が少し足りない気がするがもう少し弾いてみてから(外出できるようになって)専門家に相談しようと思います。今回入手したメインのバイオリンはちょっと精彩がない音で少し心配している。とりあえず弦を交換してみようと注文した。
2023/7/18(tue)
弦は届いたがまだ交換せずにいる。最近はオークションで入手したバイオリンのセットアップ、調整ばかりでGabrielliを弾く機会が少なかった。暑い日が続いているので昼間はなるべくエアコンを切らないようにしている。高温はもちろん有害だが乾燥のほうが問題が大きいのではと感じる。エアコンの冷気が直接かからないようにこまめにケースへの出し入れをおこなうのだがケースに内蔵されている湿度計の針の動きを気にかけている。たまに弾くとますます冴えない気がして気が滅入る。オークションバイオリンの音がとても華やかなのでハイアーチのオールドバイオリンの控えめな音が余計そう思わせるのかもしれないと思っていた。ところが昨日は久しぶりに時間をかけて弾いてみたのだが最初はくぐもった音だったのがしばらくすると外へ出てくるような音に変わっていく。この傾向はA線が特に顕著なのだがすべての弦に認められた。Gabrielliは環境の影響を受けやすくまたスロースターターらしい。しばらく引き込まないと本来の音が出てこないのは古いバイオリン全般に言えるのだろうか。そういえばバイオリン販売店の方が地方出張する際に先生宅を訪れてしばらく弾き込んでもらってから向かうみたいな話を聞いたことがある。やはり毎日の音出しが状態を良好に保つには必要なのは確実だ。
オークションバイオリンは魂柱、駒の調整をした。ペグボックス内でペグと弦が当たっているところがあってこれは問題。このバイオリンのスクロールは小さくペグボックスも華奢に見える。一応ペグシェーパーを注文したが根本解決にはならない。上ナットを外して少しかさ上げしたがまだ当たっている。
2023/8/14(mon)
明日は台風が接近する。セッセとリハビリに通っているが悪いことは重なり帯状疱疹が発症した。初発症状は腹痛だったのだが受診すると異常なし、次の日に帯状疱疹が現れた。バラシクロビルとアセトアミノフェンの処方で瘢痕化したが腹痛はを始めとする痛みは一時より軽くなったとはいえまだ続いている。そんなわけでどこへも出かけることができない夏になったので冷房の効いている室内でバイオリン三昧の日々を送っている。
2台目のオークションバイオリンはその後ペグ交換を2回行って何とかペグボックス内の弦の干渉を無くした。一応セットアップが済んでGabriellと交互に弾いている。車の運転ができるようになったら工房に持ち込んで今後のことを相談しようと思っている。レッスンはお休み中なのでクライスラー、バッハ、ヘンデルを中心にさらう毎日。
バイオリン日記(2)に続きます。