ザ・コミュニスト

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年頭雑感2002

2002-01-01 | 年頭雑感

21世紀初年度という記念すべき昨年の漢字は、何と「戦」であった。これは、間違いなく、9月のアメリカ同時多発テロとそれに続くアメリカ有志連合軍による対アフガニスタン戦争を暗示するものである。

それにしても、何という始まり方をした世紀であろうか。20世紀は圧倒的に戦争の世紀であったが、21世紀はテロの世紀となるのであろうか。そうならず、初年度だけの異例に終わることを願うが、非常に暗い始まり方をした世紀となったことは間違いない。

ただ、予兆はすでに90年代にあり、1993年には昨年と同じニューヨークの世界貿易センタービルがイスラム過激派によって爆破される事件があった。二度の貿易センタービルへの攻撃は、ソ連崩壊後、「唯一の超大国」と豪語してきたアメリカ主導の世界秩序への強い拒絶反応である。

テロリストを褒めるつもりは全然ないが、彼らが世界貿易センタービルと国防総省庁舎を標的としたのは、この二つがアメリカ主導の世界経済と世界政治(軍事)を象徴する建造物であるからにほかならず、彼らはそうした象徴暴力の振るい方を心得ている。

しかし、そうした暴力手法によってアメリカ主導の世界秩序を変革することはできず、かえって「対テロ戦争」のような標語により、アメリカの主導性を強化するだけである。ソ連崩壊後、ライバルを失い、いささか退屈して新たな好敵手を探していたアメリカの前にイスラーム過激派とその支援国家という新たなライバルが現れたのである。

東西冷戦から東西文明の衝突へ。しかし、このような標語は認めたくない。テロも対テロ戦争も反文明的な蒙昧である。表向きとはいえイデオロギー対立という思想性を有していた冷戦のほうが、まだしも「文明」の香りがしていたではないか。

アメリカ本土が戦争レベルで損傷されるという“成果”を出した以上、破壊行動はこれにて打ち止めにしてもらいものである。今こそ、文明的な非暴力・非武装の抵抗が求められている。ビン‐ラディンよりガンジーを。

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