切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

2011年 大津市立皇子山中学校2年生生徒の自殺事件について

2017-11-29 18:06:08 | 社会
 先日、京都新聞の記事として 2011年に起こった 、大津市立皇子山中学校の 中学2年生男子生徒が 、マンションから飛び降り自殺した事件について 報じられていた。
 内容は 被害者の両親が 、加害者に対して 民事賠償請求をする 公判の様子の内容だった。 事前の聞き取りで、 加害者及びその親は「 いじめではなかったので、 認める気もないし、謝罪する気もない」と言ったらしい。
 この損害賠償請求は 2012年に始まり もう既に5年経っている。 なんでこんなに長くかかるのか。

 事件そのものは 2011年に起こった。 内容については当時、 全国的に大きく報道され、 新聞や雑誌、テレビも含めて 大きく報道されたので大半の人が知っているはずだ。 2年生のワルの奴らが 3人中心になって 、一人の同級生に 暴力暴言窃盗 などなど、 あらゆる いじめを繰り返し、 本人も いじめられていることを 教員に訴えていたにも関わらず相手にされず、 最終的に 飛び降り自殺したという事件。

 この事件に対して 学校側は、 いじめは気がつかなかった、 などと言い教育委員会も同調して、 いじめではなく、 本人の家庭環境の問題ではなかったのか、という始末だった。
 両親は その後 、警察にも被害届を出したが、 本人が亡くなっているので 受理しなかった。 この事が報道されると一転、警察は 受理する。 学校の方も世間の大きな非難を浴びて アンケートを取り始める。 その結果、 膨大な数のいじめの実態が明らかになるが 、学校と教育委員会は、 いじめと自殺との関係は 断定できないとして、 うやむやにしようとした。 しかも驚くべきことに、 加害者とされる3人の ワルの奴らどもには、 人権があるとして、 何の指導もされなかった。 このことも報道されるや 学校は2回目のアンケートを取り、さらに細かな 記名アンケートも現れて、 もはや周りの生徒たちは随分 いじめを知っていたことが明らかになる 。
 このような経過を経て 学校はようやく いじめの存在を認めて、 担任や 校長、 教育長等に 処分を下したが 、びっくりするほどの軽微な処分でしかなかった。
 今では ネットによる犯人探しで 、加害者の 名前、住所、 親 、顔写真 などが全部ネット上にさらされている。 当初は 人違いの 写真がブログなどにアップされて、 人権侵害で訴えられ逮捕者も出たらしいが 、ネットで調べると、簡単に そのワルの連中の 顔写真はすぐに見られる。 中心だった一人は 親がPTA会長で、 後に京都市内の O中学校に転校して、 そこでも 暴力行為を起こし補導されている。
 まさに いじめという行為による殺人事件に等しい、 悪質な 行為以外の何者でもない。 ただ単に 13歳及び14歳と言う 中学生と言う 年齢のために、 13歳の生徒は 不処分。 14歳は 一応処分を受けるが軽微なもの 。もうまもなく二十歳になる彼らはぬくぬくと、 この世間の中で生活している。 誰がどう見ても許せるはずがない。
 こういう奴らの行為に対して、 皇子山中学校に対して 爆破予告や殺人予告などが行われ、また教育長が実際に 襲撃を受けるという事件まで発生した。 全国から大津市の教育委員会には抗議の電話等が殺到し、大変な騒ぎになった 。こんな中で 当時の教育長は退任し、 何の責任もとっていない。 中学校の校長も、そして 最も近くでいじめた悪い奴らと いじめられた被害者の少年に接していた担任は、未だに 親に一言の謝罪もしていない。 1ヶ月ほどの処分を受けただけで、今では 他の中学校に転勤して ぬけぬけと教員を続けていると言う。

 自分も長い間中学校に勤めていたが、 いじめの問題は 何度も何度も目の前で見てきた。 自分の性格から 人権侵害や いじめの問題には 極めて敏感で、どんなことがあっても許さないという強い信念があったために、 少々やりすぎのこともあったが、 血相を変えて 加害者側に向かっていったことは何度もある。 胸ぐらを掴んで地面に引き倒して、 「お前のやったことは何だ。謝れ」 などというのは軽い方で、かなり強烈なやり方で 迫って行ったことが多かった。 と言いながら 実際には 、見過ごしてしまったことも多分多かった。頭に血が上って やりすぎたことが多かったのも事実だ。 そういった点は反省しなければならないが 、場合によっては 死者が出るというのが、いじめ問題なのだ。

 大津の事件は 全国的な大ニュースになって、 これがきっかけになって国会でも いじめ対策法みたいなものができたが、 今現在 各学校で どんな実態にあるのか。 退職してからもう何年も経つので、最新の様子はよくわからないが 、時々新聞に統計資料が出てる。 それによると学校内でのいじめ件数は やはり相当な高止まりで推移しているみたいだ。 大体教師っていうのは この事件の時にも問題になったが、 教師個人も校長も 、学校側も 教育委員会が、こういうことを 表沙汰にすることを極めて嫌う。 非常に強い隠蔽体質があるのは事実だ。 これはもうはっきり断言できる。 実際に目の前でそういう場面を何回も見てきた。
 学校というのはある意味、治外法権のような性格のあるところと言える。 生徒が少々を暴力を振って相手を怪我させても、 ほとんどお咎めなし。場合によっては反省文をちょろっと書いて終わり 何て言うことも多いし 、皇子山中学校の このワルの奴らは 女性教諭に 全治1カ月の重傷を負わせている。 それも ほとんどお咎めなしで通り過ぎている。 自殺事件が明らかになってから、過去のそういう事件も 炙り出された形だ。
 ではどうすればいいのか。 文科省などは警察との連携を言っているが、 ある意味 多数の生徒に対して、少数の教師による指導が成立しない場面は いくらでもあるし 、けが人が出る、あるいは 場合によっては死者が出る可能性がある場合には、 警察権力の導入もやむを得ないケースもあると思う。 実際に自分の勤務校でも 警察を導入して 四人が逮捕されたという事件があった。
 皇子山中学校の事件から 丸6年。 もうすぐ7年経つ 。教育委員会と学校側の和解は成立したとは言うが 、加害者たちとの 民事賠償請求が未だに続いてるというのは 一体どう考えたらいいのか。 裁判はなぜこんなにもたらたらしているのか。 あまりにも加害者側の言い分を聞きすぎているのではないか 。
 加害者側の人権などというふざけた言い方が先行して、 被害者の人権はそっちのけ。 そういう実態が裁判を長引かせ 、被害者のご両親を苦しめていることになる。
 それにしても 加害者本人及び 親の言い分というのが、 どっからどう考えても信じられない。 いじめとは思っていない。 あれはいじめではない。 従って 加害者側の言い分は認められない。 どんな頭の思考からこんな言葉が出てくるんだろうか。 このまま最後まで逃げ切って 損害賠償請求を少しでも安く仕上げようと思っているのか。
 この親は事件当時、 いじめではなく 自殺した少年の家庭環境が問題なんだと言う ビラを自分で作って、 校門で 配布していたと言う とんでもない 行動に出ていた奴だ。
 おそらく来年中には 民事賠償請求の判決が出るだろうが、 マスコミは最後の最後まできちっと 報道してもらいたいと思うし、 万人誰もが 納得できる判決を 出してもらいたい 。損害賠償請求額は約7700万円。 一人の少年の一生の 代償がわずかこんな金額というのも納得できないが 、おそらく 裁判に勝ったとしても、大幅に減額され、 この半分以下になるだろう。 そしてさらに被害者側の奴らは、 一銭も払わずに またどこかに行ってしまうだろう。 こういう奴らが大手を振ってこの世の中に生活していること自体が許しがたい 。
 今回の報道を見て改めて事件を思い出し、 こういうことを想った。また同時に 自分自身が 中学校教員時代に 味わった様々な 同様の問題に、 自分なりにはかなり頑張って取り組めたことを 思い出したりしていた。 当時は 少しでもいじめがあると、特に 女子生徒達がすぐに訴えに来てくれていた 。聞いた途端に自分は職員室を飛び出して現場に向かった、などというのはしょっちゅうだった。

 そんなふうに考えてみると、 担任がいじめに気がつかなかったなどというのは、 真っ赤な嘘だということが いやが応にもわかる。 よくこんな平然と嘘をついて、教員というものをやってられるもんだと、 呆れることを通り越して、 信じられないとしか言いようがない。 まあこの担任一人だけではなく、学校側も教育委員会も見て見ぬふり。 知っていても 指導できないということで、わざとを知らん顔をしたとしか思えない 。まったくもってやりきれない事件だ。
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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2021-05-25 13:25:20
全ては教師の体罰を過剰に禁じた事が根っこにある。
教師が生徒を叩くと下手すると懲戒免職だが、
生徒が複数で教師をリンチし、殺しかけても反省文で終わり。

これでは教師はやってられない。
まずここから直さなければ、立て直しなんかできるはずもない。
まずはモンスターペアレンツへの対処法をキッチリ決めてからだ。

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