切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

「老後20,000,000円不足問題」について少し思うこと(雑感)

2019-06-18 23:44:24 | 社会



 先般金融庁が公表した年金生活者が、老後において生活する場合、平均的に見れば生活費約20,000,000円が不足するということが大きなインパクトを世間に与えた。

 そもそも麻生財務大臣が諮問機関で論議するように命じた結果、出されてきた1つの報告書だ。当然全体の文章を我々下々の者が読む余裕すらないが、全体の文章の構成としては結果的に、不足分を年金に頼らず、自助努力で自己責任でなんとかせよとの方向性が描かれていたようだ。
 その例として国や金融機関等などが運営する様々な金融商品に投資しろと言うふうなことが挙げられていた。投資して100%儲かると言うならば、人に言われずとも誰だって投資するはずだ。全体としてリスクの方が高いだけに、大半の人は手を出さないということがわかり切ってるし、当たり前の話だ。投資に関する詐欺事件も非常に多いし、騙されて全財産を失った人もいる。そんな状況であるだけに、投資などせずに貯蓄のほうに回すのが一般の人としては自然の流れだ。

 この報告書に対して世間が大騒ぎになり、メディアも連日取り上げるに至って、これはまずいと判断したのか、麻生財務大臣は報告書の受け取りを拒否すると言う、信じがたいような行動に出た。大臣が諮問機関を立ち上げて論議するようにとの指示を出しておきながら、その結果が政府にとって都合の悪いと言う内容になって、それが気に食わないからと言うことで、受け取り拒否なんて。こんなの学校であろうが、会社であろうが、どこの世界にこんな身勝手なやり方があると言うのか。その行為自体に大いに立腹した。

 そもそも今の日本の国民生活のあり方がかなり困難な状況になってきている、と言うのはずっと以前から予想されていたことだ。
 年金問題は人口問題や税金問題、社会保険問題などと密接に関連している。様々な学者が将来予想として、このままでは国民年金が立ち行かなくなる。人口が減少し経済的な厳しさがいっそう増してくる結果、税金を上げて年金を減らすような方向に行く、と言うことは私のようなど素人でもわかることだ。
 すでに数十年前に、中学校で社会科の地理の授業で、ヨーロッパの先進国が若年層が少なく、中高年層が人口構成比として多いと言うのは、資料として出されていたし、その説明もした。当時の日本はいわゆる、その人口ピラミッドがかなりきれいな二等辺三角形をしていた。日本もいずれヨーロッパ先進国のような、いびつな釣鐘型の人口構成比になっていくだろうと生徒たちに話したのを記憶している。
 ただその時には、この問題が年金や税金に関わってくる事は自分でも十分わかってなかったし、授業でも取り上げなかった。

そしてこの数十年間で、そのことが徐々に進行しというか、急激に進行し、今の日本の人口構成比は極めていびつな形になっている。
 当然年金問題については、現役の働いている人たちが、リタイヤした高齢者の年金の支給を支えていると言う形になる。メディアもよく言っている現役世代何人で高齢者1人を支えているのか、と言う問題だ。これがこのままいくと、現役世代1人が高齢者1人を支えなければならない状態にどんどん近づいている。立ち行かなくなるのは当たり前だ。
 政府は今までにこうなることが分かり切っていたにもかかわらず、何をしてきたのか。政治家の誰だったか忘れたが、「政府はこの30年間、この問題について何一つやってこなかった」と言うのはまさしくその通りだと思う。
 政府は目先の選挙のことをにらみながら、選挙に勝つための方策を取り続けてきたし、その結果国民には大事な問題については、ごまかし続けてきた。それが今も同じように続いていると言うことだ。

 諮問機関の報告書はまさに政府にとってみれば「不都合な真実」となってしまった。国会で追求されると麻生大門財務大臣は、自分は何も答弁せず金融庁に答弁させ、長官はただ謝るばかり。言い訳を並べて政府の大臣たちには責任がないと言わんばかりの姿勢だった。大臣連中の極めて卑劣で卑怯なやり方に怒りは頂点に達してしまう。
 さらに金融庁では独自に試算した報告書を作っており、そこでは老後生活に必要な金額は15,000,000から30,000,000円と言う数字が記されていた。
 本日の国会ではこの件を追求された麻生財務大臣は、またもや曖昧なごまかしの答弁を並べていた。要するに国民には根拠も何も示さず結果もあたかも適切かどうかわからないような認識を示す有様だ。テレビのニュースでその様子を見ていたが、麻生財務大臣のヘラヘラした喋り方での答弁に、もはや耐えられないほどの不信感しかない。

 今日、市の方から介護保険料天引き徴収の連絡が葉書でやってきた。自分も老人であるにもかかわらず、別の老人を支えるための保険料が徴収される。もはや保険も老々介護といったところだ。
 市の介護保険料率が載っていたのでそれをよく見てみると、私のようなごく平均的な老人は1年間でや67,000円払わなければならない。当然私のような年金生活だけでやってるものと違って、何らかの形で収入を得ている老人、あるいは金持ち老人は累進課税的な側面もあって、収入の多さに応じて介護保険料は高くなっていく。
 ところがその累進性があまりにも不公平な状態なのだ。私のケースの10倍以上の収入がある人は、介護保険料は私のたった3倍なのだ。収入が10倍ならば保険料も10倍にすべきではないか。

 介護保険料と言うのは、全国各自治体で人口構成比や就業率や自治体のインフラ整備等の状況に違いがあるために、各自治体が独自に金額を定めている。私が住んでいる宇治市は全国で見て、高い方なのか平均的なのか安い方なのかはわからない。しかし年金生活者にも、介護保険料と言う形で取られるほか、税金では特別な事情がある人を除いて、極めて無慈悲な分捕り型となっている。
 都道府県民税や市町村税を始めとする様々な名目の税金が取られ、さらに最も政府として税収入が期待できる「消費税」を、今度は10%にするとの話だ。消費税が設定されたときには、大臣どもは3%に設定するが、今後これを上げる事は無い、とのたまわっていた。私はその言葉を全く信じなかったが、予想通りなんだかんだ理由をつけて10%になろうとしている。
 こうして長い間、現役世代の給与は少しずつ減らされ、年金額はあげられ、受給者の年金は減らされ、国民はふんだりけったりの状況に追い詰められていく。それもこれも政府・国会議員たちのその場しのぎの無策が生んだ結果だ。
 特に行政府の無策振りの実態は、そして責任は許せないほど大きい。しかもさらに国民に無理を強いる分、国会議員たちも「身を切る」と言いながら全く何も切っていない。1年間で国会議員一人当たりにかかる経費は、約1億円。もともと歳費(給料)が高額な上に、政務活動費や文書費・・・なんだかんだこじつけて高額な収入を得ている。それもみんな国民の血税だ。
 そして産業経済を立て直す、活発にすると言う名目で、企業からの税金を減らすと言う事までやっている。一時銀行が危ない状況になったときには、政府が介入し莫大なお金をつぎ込んで救った挙句、法人税は免除すると言う超優遇策を取る。こういったところを1つ見ても、日本の行政府は、そして立法府は国民の方を向いていない。
 特に行政府の方はそれが極めて顕著に出ている。安倍総理の個人的な思いで政治をやっているとしか思えない。「美しい日本」とか「憲法を変える」とか、自分の名前をどのようにして歴史に残すのかと言う発想なんだろう。そのためには嘘と不誠実さで国民の期待を巧妙に裏切り続けるという姿が見えるわけだ。行政の失敗は国民側に責任を取ってもらう。こんな馬鹿な国はどこにあると言うのか。まぁ他にもあるんだろう。

 私自身は個人的には独居老人なので、贅沢さえしなければあの世に行くまでの生活は何とかなるんではないか、と漠然と思っている。実際にはどうなるかわからない。食道癌になったし、高額な手術料入院費を支払った。傷害保険に入っていたおかげでだいぶ助かったが、今後再発したりもっと深刻な状態になれば支払う保険金はもっと上がっていくだろう。
 そんなこと考えると、貯金などもどんどん食いつぶしていくことになるかもしれない。あながち金融庁が作成した資料と言うのはとんでもない数字ではないのではないかと思う。専門家が様々な分野から集まって話し合った結果があの数字なんだから、とりあえずはそのことを頭の片隅に入れて、贅沢は控えるようにする必要があるんだろう。

 長年一生懸命働き激務に耐えて、ようやく退職し老後の生活で、できなかったちょっとした贅沢や趣味などを楽しもうかと言う時に、こんな厳しい現実を突き付けられる。私より下の年代の人たちは、さらに厳しい状況になるのは明らかだ。
 そんなことを尻目に国会議員どもや市町村議会都道府県議会の御先生方は〇〇視察と言う名目で、日本各地あるいはヨーロッパなどに物見遊山の観光旅行に順番に行っている。報告書は随行した職員がパソコンで簡単に打ったものをコピーして全員が同じ内容のものを提出して、「はい、それまでよ」てな感じだ。
 国がやるべき事は真っ先に、国会議員数を減らすこと。減らせないなら報酬を半減させること。まずそれをやれと言いたい。都道府県自治体においても、御先生方は嘘とごまかしの金の使い方でやりたい放題。それこそ報酬を最低でも半額にしろと言いたい。報酬が低いんだったら議員になるものがいない。だったら各自治体ごとに直接民主制でもやれば良い。
 そして企業の法人税にしても個人の所得税にしても、完全に累進課税方式にして強いものを優遇し弱い者を懲らしめると言うやり方を即刻やめるべきで、国民はもっと怒りを出さなければならない。なんでこんなにおとなしいのか。諦めてるのか。やる気ないのか。どうせ言っても何も変わらない。そんな思いが日本全体を覆っているような感じだ。

 先日の香港のデモを見て、日本でもそのぐらいのことをやればいいのにと思うが、もはや国民一人一人が完全に骨抜きにされて腰抜け状態になってしまっている。こんな有様でも安倍内閣の支持率は47%と言うから、国民そのものに対しても不信感を持ってしまう。
 保守政府にとってみれば、今のこの状況は絶好のチャンスなんだろう。物言わの国民がどんどん増え、どんなひどい要求にも我慢してくれる。そして気がついたときにはマイナンバーなどを利用しつつ、国民全員の動向をデータ化して支配体制を築きあげていく。

 かなり話がずれてしまったが、あまりにも腹が立って本当は叫びたいところだが、スマホでブログ用の文章書いて気晴らしをする情けない自分がここにいる、と言うのも不様なものだ。
コメント
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