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脂肪と筋肉が命を守る

2017-11-08 10:42:18 | 自然
人体をテーマにしたNHKの番組があり、今回は脂肪と筋肉を取り上げていました。

この二つは人体の中では予想外に多く、56kgの女性では筋肉が21kg、脂肪が18kgと約70%を占める最大の臓器と言えるようです。

体内の脂肪というと何となく脂が色々な臓器に付着しているようなイメージがありましたが、実際は脂肪細胞というちゃんと核まで持った細胞内に蓄積されていました。この脂肪細胞からは非常に多くのメッセージ物質、いわゆる情報伝達物質が放出されているようです。

ここでは生まれつき脂肪がない病気の男の子を例に出していましたが、脂肪がないと非常に旺盛な食欲が出てしまうようです。

体内に脂肪だけでなく糖質などの栄養源が入ってくると、脂肪細胞からレプチンという物質が出て、これが血管を通して脳の視床下部のレセプターに働きかけ、食欲を抑えるということをやっているようです。

この脂肪細胞から出るメッセージ物質は非常に多く、600種程度あるようです。例えば新たに血管を作る指令を出したり、外部から細菌などが入ってくると免疫細胞を活性化しこれを排除するようなことまでやっているようです。いわば外敵の見張り役をやっており、脂肪を極端に落としてしまうと、風邪をひきやすくなったり色々調子が悪くなるとしていました。

次が筋肉ですが、これもメッセージ物質は非常に多く、約400種も出しているようです。

筋肉細胞は細長い細胞ですが、これが運動などによって徐々に太くなっていきます。しかしある程度まで太くなるとミオスタチンという物質を出し、成長するなという指令を出すと言います。これはいわばエネルギーの浪費を抑えるためで、こういった調節機能により適正な体を保っています。

その他のメッセージ物質としては、例えばガンを抑制する物質や、カテプシンBという物質は脳内の海馬の神経を増やし、記憶力を高める働きがあるようです。しかしこの辺りについてはまだ反論もあり、研究が進んでいる分野のようです。

脂肪と筋肉というと肥満という問題が出てきます。肥満の人はレプチンが出ているのに食欲が治まらなくなります。これは血管中に脂肪や糖質がたまり、レプチンが脳に届きにくくなるようです。

またある程度以上脂肪が増加すると、脂肪細胞が敵が来たという誤ったメッセージを出し、これにより免疫細胞が活性化して脂肪などを敵とみなし食べることによって大きくなり破裂してしまいます。そうすると免疫細胞内の外敵をやっつけるための有害物質が放出され、血管や臓器を痛め心筋梗塞などを引き起こすとされています。

こういった免疫の暴走を抑えるのが筋肉で、IL-6などの物質でコントロールするようです。こういった人体には面白い機能がたくさんあるようで、次の番組も楽しみです。


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