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イヌの尿からiPS細胞を作成、手法確立

2024-01-17 10:31:21 | 健康・医療
このブログでもiPS細胞を取り上げていますが、再生医療のツールとして期待していました。

発見から10年以上が経過しましたが、この実用化には高い壁が存在しているようです。そのひとつが高額の費用で、iPS細胞から色々な組織を作ってもすべて数千万円の費用が掛かっています。

私は具体的なことがよく分かりませんが、iPS細胞自身の作成やそれを目的の細胞に分化させることが難しいのかもしれません。この費用の問題をクリアできなければ、iPS細胞が再生医療として実用化することは難しいと感じており、かなり興味が薄れてきた気がします。

大阪公立大学などは、イヌの尿から採取した細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)の安定的な作製に成功したと発表しました。

イヌのiPS細胞の研究は、ヒトやマウスと比べて遅れていましたが、再生医療や遺伝子疾患の研究、治療薬開発などへの応用が期待されます。iPS細胞は、特定の遺伝子群を皮膚や血液などの体細胞に導入し、受精卵に近い未分化な状態にすること(初期化)で作成されます。

しかしイヌのiPS細胞は、初期化される割合(初期化効率)が低く、ヒトと同様の方法だとうまくできませんでした。大阪公立大学の研究チームは、ヒトのiPS細胞作製で使われている六種の遺伝子を使う手法をイヌに採用しました。

従来行われていた四種の遺伝子を使った手法と比べ、初期化効率が約9倍に増加しました。また尿から採取できる細胞にこれら遺伝子六種を導入したところ、皮膚などの細胞を用いた従来法と比べ、初期化効率が約120倍に向上しました。

皮膚からの採取や採血と比べ、ドナーへの負担が少ないメリットもあるとしています。ここでは尿からの細胞がなぜ効率よくiPS細胞になるのかなど触れていませんが、尿中に排泄される細胞は皮膚細胞などとどこか変化しているのかもしれません。

従来イヌのiPS細胞作製には、初期化を助けるマウス由来の細胞(フィーダー細胞)が必要でした。研究チームはフィーダー細胞を用いない作成にも初めて成功し、免疫拒絶などのリスクを避けることができました。

研究チームは、まだ基礎研究の域を出ないが、この技術でできたiPS細胞を使って色々な細胞に分化させる研究を進めていきたいとしています。

この研究成果がどのような進展を見せるか分かりませんが、iPS細胞の初期化効率が上がれば価格面の壁を破ることができるかもしれません。

さらにどんな細胞がiPS細胞に適しているかなど、再生医療の実用化にも貢献しそうな気もします。


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