◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

今日の秀句/6月11日~20日

2016-06-10 10:51:04 | Weblog

[6月20日]

★青梅の丸く良き色かご一杯に/河野啓一
青梅は丸くて、ころころしていてかわいらしい。その上、緑の色が青梅独特の色合いで美しい。それが籠に一杯あることもうれしさの一つ。(高橋正子)

[6月19日]

★草笛や心をこめた響きあり/迫田和代
草笛を聞くことも珍しくなったこの頃だが、里山公園で草笛を吹いている人に出会うことがある。思うよりも遠く響き、吹く人の思いそのままの音色のように思える。心を込めて吹く歌は何のうただろうか。(高橋正子)

[6月18日]

★揺れているアガパンサスの涼しさよ/谷口博望(満天星)
アガパンサスの大ぶりな薄紫の花は、花茎が長いだけに揺れやすい。揺れていると辺りに涼しさが漂うようだ。(高橋正子)


[6月17日]

★雨止みて送迎車の窓緑濃し/河野啓一
デイケアセンターからの送迎車だろう。雨が止んだあと、木々の緑は、青々と深まり、季節は夏本番へと向かう。週一回の通所であろうから、季節の小さな移り変わりが楽しめる送迎車の窓だ。72候は、5日で変わる。(高橋正子)

[6月16日]
★レガッタやボート漕ぐ腕揃いけり/廣田洋一
ボートは学生時代の寮祭でわけもわからずコックスをやらさえた経験があるだけでよく知らないが、レガッタで思い出すのは、日本では4月の早慶レガッタ。6月なら全日本。若い人たちがたくましく鍛えた腕を光らせて、オールを揃えて漕ぐ。かなりのスピードで、見ていて美しい。水の季節と相俟って、はつらつと、美しい光景だ。(高橋正子)

[6月15日]

★三川の集う中洲やさみだるる/桑本栄太郎
三川と言ってすぐ思い起こすのは木曽三川である。揖斐川、長良川、木曽川。これらの川の治水では、薩摩藩の藩運をかけた治水事業が忍ばれるが、豊かな水は、また災害をもたらす。中州に降りこむ五月雨を見て、「荒々し」とも思える。余談だが、花冠に薩摩藩の家老の末裔の平田弘さんがおられたので、薩摩藩の治水事業は、氏の句集『翔ける』で知った。(高橋正子)

[6月14日]

★今年竹葉擦れの音も青々と/河野啓一
今年竹は、すくすくと天を突くように伸びる。風が吹けばさやさやと葉を鳴らす。その葉擦れの音さえも青々としたイメージで聞き取れる。今年竹のすがすがしさ。(高橋正子)

[6月13日]

★旅にして茅花流しに逢いしかな/小川和子
「茅花流し」は梅雨のころ茅花の白い穂を吹き流す南風。旅にして、「茅花流し」に逢う偶然に感動して生まれた一句。。長く俳句に親しんでいればこそ生まれた句。(高橋正子)

[6月12日]

★用水の流れ豊かに夏つばめ/小川和子
用水が豊かなに流れるところは、生き生きとした青田のある農村の姿ともいえる。夏つばめが田の上や、用水を自在に飛んで、夏を楽しんでいる。生き生きとした楽しさがある句だ。(高橋正子)

[6月11日]

★しんじゃがを配りて歩く朝は晴れ/古田敬二
梅雨入りごろは、新じゃがいもが取れる季節。雨の合間に掘り起こし、たくさんとれたので、知り合いに配って歩く。配って歩く日がさわやかに晴れればなおうれしい。朝の晴れが笑顔に思える。(高橋正子)
コメント (9)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 6月11日~20日 | トップ | ●自由な投句箱/6月11日~... »

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お礼 (小川和子)
2016-06-13 15:10:07
信之先生、正子先生
「夏つばめ」の句を正子先生には添削して頂き、秀句の選と貴重なご講評を頂きまして有難うございます。5月の末に愛知県豊橋を中心に吉田城や三河路などを散策した時の作品ですが、お言葉どおり心楽しい旅でした。ありがとうございました。
御礼 (河野啓一)
2016-06-15 17:41:32
高橋信之先生、正子先生
6/14の投句「今年竹」を今日の秀句にお取り下され、その上正子先生の素晴らしいご句評をお添えくださいまして誠に有難うございました。今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。
御礼 (河野啓一)
2016-06-15 17:42:35
高橋信之先生、正子先生
6/14の投句「今年竹」を今日の秀句にお取り下され、その上正子先生の素晴らしいご句評をお添えくださいまして誠に有難うございました。今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。
お礼 (小川和子)
2016-06-15 20:39:50
信之先生、正子先生
「茅花流し」の句に秀句の選を頂きまして有難うございます。今回の旅に同行した友から、「これが茅花よ」と教えていただき詠んだものです。私にとっては初めて使った季語です。ありがとうございました。
御礼 (桑本栄太郎)
2016-06-16 20:04:27
高橋信之先生、正子先生
6月15日の今日の秀句に「三川の集う中洲や
さみだるる」の句をお選び頂き、嬉しいエピソード
もお聞かせ頂き、大変有難うございます。
天王山の近くでは、木津川、宇治川、桂川の
三川が合流して、淀川になります。
その川に囲まれた大きな中洲となっている
所には桜の隠れた名所もあります。
御礼 (廣田洋一)
2016-06-17 18:12:29
高橋信之先生、正子先生
6/16の投句「レガッタや」を今日の秀句にお取り下され、その上正子先生の思い出も入れた素晴らしいご句評を頂き誠に有難うございました。私も会社のボート祭りではコックスをやらされました。今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。
御礼 (河野啓一)
2016-06-18 17:44:54
高橋信之先生、正子先生
6月17日の投句「雨止みて送迎車の窓緑濃し」を今日の秀句にお選びくださった上、正子先生の素晴らしいコメントも頂戴しまして誠に有難うございます。
実はデイケアに週3回ほど通っており、窓の緑も少し眺めらますので、病院通いしかほとんど機会のない身として、それを句作の一つのヒント/モチベーションにしている次第です。今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
お礼 (迫田和代)
2016-06-20 13:44:03
信之先生
正子先生
6/19の草笛の句に 今日の秀句 にお選びいただき有難うございました。嬉しかったです。これからもご指導をお願い致します

御礼 (河野啓一)
2016-06-21 17:41:11
高橋信之先生、正子先生
6月1日投句の「青梅」を今日の秀句にお採りくだされ、その上、正子先生の嬉しい軽やかなコメントもお添え下さいまして誠に有難うございました。今年は大変実つきがよく、ちょっとオーバーに表現させていただきました。今後ともご指導のほど宜しくお願い申し上げます。

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事