書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

石毛忠 「南北朝時代における天の思想 『梅松論』をめぐって」

2014年09月24日 | 日本史
 『日本思想史研究』1、1967年3月、同誌1-22頁。

 要するに『梅松論』においては、「天下」思想の立場から「天道」によって特定の為政者としての院(天皇)を批判することがあっても、王威の尊厳を否定しようとする意図は認めらめられず、「王土」思想の立場から臣下(武家)の「勅命」への服従を「天命」として重視しているのである。 (「三 『梅松論』における天の思想」13頁)

 そしてその天命の正統性を位置づけるのは「天照大神ノ御計」(18頁)であり、

 皇位系統はすべて「天照大神ノ御計」によるものであり、それに裏打された「天命」が本来「倫理」的正統性をも保証するものであるから、実は余計の観念を介さなくても、「シカルベキ天命」される〔ママ〕。 (18頁)

 という。
 では、南朝北朝両方ともに?