書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

徳永和喜 『薩摩藩対外交渉史の研究』

2012年08月31日 | 地域研究
 江戸時代、鎖国令の発令後、次第に対外貿易への統制色を強めていく幕府のその裏を掻いて密貿易に励む薩摩藩、その薩摩藩の締め付けをかいくぐって私貿易を行おうとする琉球王国政府、その琉球政府の取り締まりの目を盗んで運び屋商売に励む進貢船の乗員すなわち琉球の士民、そして内地の需要をバックにその琉球士民から唐物を買い付け抜荷品を本土で売りさばこうとする海商――という構図があったそうな。

(九州大学出版会 2005年12月)