書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

伊東乾 「試験の高得点を喜ぶ人の危機は我が子に及ぶ」

2015年12月11日 | 哲学
 副題「子供の創造力を育む幾何学の精神」 
 『JBpress』2015.12.11(金)発表。

 元来の農地面積と同じ条理を割つけ、それに当たる分だけの年貢を取り立てる、といった原始的な行政による農地管理、あるいは課税管理で非常に重要な役割を果たしたのが「測地学」つまり幾何でした。
 何しろ年貢とか食料とか、生存の基本に関わることですから、誰もが真剣です。そこで、基本的な前提を認めるなら、そのあと誰が見ても絶対に文句がつけられない論理が構築されねばならなかった。
 それが『幾何学』という論理の体系を生み出した社会的背景であったと思われます。


 伝統中国で幾何学がほとんど発達しなかったことと、論理(形式論理)的な思惟とその自覚的な分析(論理学)の未発達とは、関連はあるかどうか。