書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

胡適 『中国哲学史大綱』 巻上 「古代哲学史」

2011年12月06日 | 東洋史
 「國民叢書」第一編-2。
 2011年11月24日「藪内清訳注 『墨子』」より続き。
 『墨子』の論理学を西洋の形式論理学あるいはインド論理学(因明)の三支作法に類似していると言い出したのは胡適というので、その言うところを確かめてみた。
 判ったことは、胡適は自分でテキストを読んで解釈したわけではなく孫詒譲『墨子間詁』の所説にそのまま乗ってさらに拡大解釈しているだけであるということだった。だから孫詒譲の言うことは本当に正しいのかって。胡適というのも案外ふやけたところのある人だな。
 ちなみにこの本、奥付がない。借りた某大学図書館のデータベースで出版年を確かめた。

(上海書店 1989年。もと商務印書館1926年初版 1934年再版の再刊。繁体字)