かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

政治の「神は細部に宿る」だけで良いの?

2018-01-29 21:15:13 | ニュース
「神は細部に宿る」という言葉をよく聞く。建築とか芸術の世界で「細かいところまでキチンと仕上げてこそ良い仕事が出来る」という意味だ。私が製造業で仕事をしている頃日本はモノづくり大国と言われ、現場で良く言われていたと記憶している。だが、当時技術者の私はそれ程実感することはなかった。

というのは、私が勤めた会社で受けた教育は「木を見て森を見ず」になるなかれ、(優先順位をつけず)細部にこだわり全体像を見失うのは管理者として失格と教えられたからだ。細部にこだわる職人仕事は重要だが、全体を眺めて会社が間違えた方向に向かわないようにすることの重要さを躾けられた。

ここまでが前置き。会社勤め時代に教わった相反する教えが政治の世界でも感じられる。

年が明けていよいよ通常国会が始まった。先ずは安倍首相の施政方針演説を皮切りに野党の代表質問が始まった。報道によれば、首相は時間をさいて(1)賃上げによりデフレ脱却する経済優先の方針を強調、(2)北朝鮮情勢等の安全保障環境の変化への対応と絡め憲法改正を目指す姿勢を明らかにした。

対して野党は国をどういう方向に持って行こうとしているのかよく見えて来ない。「働き方改革」の背景はこの20年日本の潜在成長率が低下し欧米先進国どころかアジア諸国の後塵を拝すようになったのを改善する狙いがある。政府提案をただ「残業代ゼロ法案」と非難する野党は国の成長性をどう考えるのか。

「モリ・加計・スパ」問題をただすというのは正しい。放置できない問題だ。しかし、それは「政治の細部」をキチンとさせる効果はあるが、それだけでは国の舵取りを放置することになる。国会議員の責任を十分に果たしているとは思えない。このように野党が基本的な問題に踏み込めないのは、深く議論すれば各党の考え方の違いに突き当り共闘出来ないからとマスコミは指摘する。その通りだと思うがそれでいいのか。

「神は細部に宿る」はモノづくりにも政治にも当てはまるが、政権を揺さぶる目的だけでスキャンダルを追求して終わりという政治では困る。安倍政権に対抗して真正面から国のあるべき姿を議論する、それをやって初めて国民は政策を比較判断でき、多数に支持されれば政権交代が起こる。今のままでは判断しようがなく消去法で与党が支持される。国会論戦が始まると5年前の民主党政権の無為無策の悪夢が甦ってきた。

昨日の日経の記事「風見鶏」は欧米の経営者の「日本の政治は安定し、株価もかなり上がった。安倍政権は北朝鮮の脅威にも機敏に対応しているのに野党は批判一色。あと何が足りないというのか」という問いかけに驚いたと始め、あれやこれやと政策論を展開していた。私も記事を読んで政策論よりこの問いかけにショックを受けた。問いかけは「森」が何か聞いている、政治家やマスコミは理解して取り組んで欲しい。■

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 内なるトランプ | トップ | 2周回遅れのダボス会議評 »

コメントを投稿

ニュース」カテゴリの最新記事