食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

吉原とそば

2010-06-10 05:55:53 | 日記
 江戸時代、吉原は唯一の官許の遊郭。


 悪所ではあったが、同時に江戸文化の一大中心地でもあった。


 高級遊女が、馴染の客から三つ布団を贈られた時、お祝いとして、郭内では盛大なそば配りが行われたそうだ。


 このそばを、敷初そばと呼んだらしい。


 また、大晦日にそばを食べる習慣は、民間一般の、年越しそばより早い時期に始まっていたという。


 そばの「 長くのびる 」という縁起を、「 客との縁が長く続くように 」とかついだものだそうだ。


 「 通 」とか 「 粋 」 といった概念も、吉原の遊びに由来し、そば嫌いの客は、遊女達から卑下されたようだ。


 勝手な想像を巡らすに、、、、、


 そばを、つるつるっと流し込む粋な食べ方は、遊女におだてられた客から色づき、それが江戸っ子、江戸自慢といった庶民の意識につながっていったのかもしれない。