食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

日本を救った男

2015-08-05 05:22:33 | 日記
 今週土曜日、映画「 日本のいちばん長い日 」が封切られる。キーパーソンである陸軍大臣阿南惟幾をきちんと理解しているか否かで、解釈が軽率になるか、深淵に迫るかと感想が大きく揺れる、非常にデリケートな映画だと思う。 結論から言おう。このブログで過去、再三申し上げているとおり、陸軍大臣に阿南惟幾大将を得たことにより、鈴木貫太郎内閣は日本を救う、終戦に導くことができた。ポツダム宣言受託(日本の無条件降伏)によって、日本陸軍がどのような動きにでるかーもちろん徹底抗戦、本土決戦を叫び、日本を破滅に追いやることは必定だった。 これを食い止めたのが、阿南陸相の胸三寸だったのである。 語気を強めて言おう。阿南惟幾が日本を救ったのである。 詳述するなら、昭和天皇と鈴木首相と阿南陸相の巧みな連係プレーが日本を救ったのである。 阿南のうしろには、四百万という大きな陸軍がいた。その膨大な圧力が阿南を苦しめ続けていたのである。すでに戦場に散った幾多余多の英霊もいる。阿南自ら、「 本土決戦、徹底抗戦 」を主張することにより、陸軍の顔をたて暴発、反逆を防いだ。その言葉が英霊に対する感謝の誠をも含んでいることは論を待たないであろう。もちろん彼の本心は、天皇、首相が望む終戦である。つまり、阿南惟幾の二律背反が完全に機能することにより腹芸が成功し、戦争を終わらすことができたのである。
 8月15日早朝、阿南は割腹自決をする。悲報は全国に飛んだ。天皇の終戦放送とともに、陸相の自決は陸軍に対して強烈なダブルパンチとなった。いやがおうでも本土決戦を叫んでいた青年将校たちは、陸相の死によって腰砕けとなった。 阿南惟幾の死は、一死をもって故国を救ったのである。
 上述した内容をご理解いただいたうえで、映画をご覧いただきたい。