矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

「耳の聞こえない私が4ヶ国語しゃべれる理由」金修琳 キムスーリン著

2011-07-13 23:19:04 | 著書紹介
以前にもご紹介したと思うのですが、途中まで読んでそのままになっていた本を今日の名古屋往復の新幹線中で読み終えました。

「耳の聞こえない私が4ヶ国語しゃべれる理由」金修琳 著

通常、耳が聞こえないというとネガティブに思いがちですが、彼女には耳がきこえないことは最大のセールスポイントだそうです!すごいですね。


私の感性では壮絶ともいえる人生ですが、ポジティブに”波乱万丈”と著者は表現しています。私には想像もできないほど過酷で大変な境遇を、明るく生き抜いている著者に感動しました。たくましい!

両親の都合で韓国と日本の両方で住むことになり、さらに大変な思春期時代をすごしたことが書かれています。でも、決して暗いトーンでなくただただ淡々とユーモアいっぱいにつづっています。

自分自身の人生を振り返る機会にもなりました。

そしてまた世界を旅したいなあと強く思います。。
人種がごちゃまぜ状態の、なんでもありの、自分を頼りにするしかない状況、とてもexcitingです!


私は20代前半まで”日本という温室”しかしらない状況でした。

レジデントとして住んだNYで、世界の”地獄のような社会環境や状況”がありました。

当時私は病院に来る患者さんというフィルターを通して知りましたので、やっぱりいろんな世界を自分の目で、肌で感じることが大切と思いました。

安心して住める国があることの幸せ、逆に”半端でない貧困”の壮絶さ、Drug abuseの現実,教育機会がないことに起因する多くの悪循環、これらはNYにすまなければまったく無縁の世界でした。遭遇した患者さんの境遇から、貧困のすさまじさ、文字が読めない、
教育機会がないことによるdrug abuseなど、人間として同じ地球上に住んでいるのが想像できないほどの状況を何度も目の当たりにしました。

そんなことを思い出しながら、著者のキムさんの世界旅行の描写はたまらなく楽しく読みました。

若手の方、特に10代・20代の方にはぜひ読んでみてほしい本です。

世界が広がると思います。

結局、どこに住んでも、どんな状況、どんな条件でも、自分の思い次第でどうにでも可能性は広がるということです。


今の私は英語はもっとできるようになりたいですし、いまの世界でサバイバルするにはスペイン語か中国語は勉強開始したほうがいいなあと実感します。

先日の読売新聞に、近い将来、世界の貨幣がUS ドル、ユーロ、中国人民元の3極体制になる可能性について書いてありました。(日本円はスルーされていました)この辺の戦略も、個人として対応しはじめたほうがよいのではないかと危機感を持っています。




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