矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

Ottawa Conferenceの日本招聘へ向けて始動!

2019-08-30 23:48:36 | 医学教育
2019年3月末に、日本政府観光局(JNTO)のMICEアンバセダーに就任しました。
(MICEとは、カンファレンスなどの招聘大使という意味です)

(日本政府観光局websiteより)
MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議 (Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字を使った造語で、これらのビジネスイベントの総称です。JNTOはMICEの日本への誘致に取り組んでおります。


2026年を目標に日本にOttawa Conferenceの招聘に向けて、始動します。

医学教育の基本を、多くの方と共有できれば、と願っております!

細雪 (上中下) 読了

2019-08-23 04:04:21 | 医学教育
日本文学の名作である谷崎潤一郎の「細雪」(上中下巻)を読了しました。

戦争中から戦後にかけて執筆された本で、当時の日本の様子や、日本人としての感性、
人との関わり方、など日本文化を学ぶ上でも、最高傑作と感じました。
(すでに高く評価されている小説ですが、改めまして、長く残る小説の本質を感じました)

感染症科医師としても、医療関係の描写が多く、

猩紅熱、
壊死性筋膜炎
結核
赤痢
死産

それに当時使われていた、いろいろな薬

上巻を終了するのにかなり時間がかかりましたが、上巻の終盤から展開や文体に魅せられて、一気に読むようになりました。中巻も非常にスリリングでおもしろく、下巻が400ページを超えていたので、あらすじをwebで先取りしてしまいました。
(展開を知らずに読み進めたら、もっと楽しめたと思いました)

20代-30代は実用書を読むことが多く、特に指南書や啓発本、ビジネス関連本を
移動中に数冊まとめ読みすることが多かったです。当時は、文学の意味や意義がまだ
わかっていませんでした。

大きな転機となったのが、Kazuo Ishiguroがノーベル文学賞を受賞し、日本でTV番組に出て、日本人の大学生向けに、face-to-faceの対話をした番組を見てからです。

文学の中にある「真理」について、明快に解説してくださいました。
また、読者へのメッセージのため、「時代背景」「場所」「登場人物」「ストーリー」などの設定する過程を話していたのがとても印象的でした。

フィクションだからこそ表現できる「真理」truthなどについても言及されていました。

そこから、文学の芸術性についても考えるようになり、遅ればせながらも、できれば「世界の名作」を読んでみたいと思っています。

しかしまずは、母国語の名作からと、中学生・高校生の頃、読んでみたかった本から
読み始めました。

「細雪」は、高校生の方から、文体が美しい、と教えていただいたことがきっかけです。

文学にひたる機会が少なかったため、「教養」や自身の考え方の幅を広げるためにも
読んで行きたいです。

次は、島崎藤村の「破戒」
シュリーマンの「古代への情熱」が途中になっています。

祝 Menteeの先生がご活躍です@Cleveland Clinic

2019-08-22 17:28:11 | 医学教育
うれしいニュースが入りました。

もう数年来になりますが、学生時代にお会いして、その先生が私をmentorとして
色々なご相談や進路の近況などをご連絡いただいておりました。

卒後6-7年目で渡米され、今度、内科系のフェローシップが決まりました。
研修医時代および米国での内科レジデント時代に多数のpublicationを出され、
高く評価されたとのことです。

今度、クリーブランドクリニックでフェローシップをされるそうです。

素晴らしいですね!

自分の限界に挑戦すること、最大限を発揮すること、

このような経験が、人生を大きく展開させると思います。

感染症科コンサルトの醍醐味

2019-08-14 10:12:30 | 医学教育
感染症科の仲間と会話するととても楽しいです。

感染症科医師としてチャレンジングな感染症の一つに、非結核性抗酸菌があります。

テクノロジーが高度に発達している日本でも、医学的な検査の領域では、様々な理由から、世界の最先端には追いついていない部分があり、抗酸菌の同定や感受性検査はその一つです。

微生物検査は、今、「革命的」に進化しています。
一刻も目が離せない状況です。
予定が合わず、今年はID Weekに参加できないので、非常に残念です。

微生物の同定検査で、大学病院でも導入が開始されたMALDI-TOF(質量分析)、
遺伝子sequencingの検査など多数、新しい検査方法があります。
実臨床レベルでルーティン化するまでには時間がかかります。

一部では、血液培養が陽性化後の同定検査が遺伝子レベルで1-2時間でできる時代になりました。 MALDI-TOFでもできます。 検査には、感度、特異度を加味したvalidityの観点からの評価が必須です。さらにcost effectiveness(経済学的効率性)の分析も必須です。

医療者の教育、医師のみならず、医療者教育も非常に進化しており、全職種で、
臨床現場に即した、最新の成人学習理論に基づいた教育の提供が求められる時代です。

教育とテクノロジーが相乗効果となるよう、今後もさらに、現場で働きかけたいと思っております。


小説 「細雪」の感染症の描写

2019-08-11 19:08:48 | 芸術 Art

夏休みの課題図書のように 夢中で読み進めている名作 「細雪」

昭和初期の設定ですが、興味深い描写がありご紹介させていただきます。

感染症診療が大好きな私としては、非常に興味深いです。

主人公の四姉妹の中の次女 幸子の子供 悦子がA群連鎖球菌のScarlet fever しょうこう熱で 治療されます。

肺炎球菌による乳突ほうそう炎  mastoiditisと推定され手術する場面

術後に A群連鎖球菌(または黄色ブドウ球菌)と推測される壊死性筋膜炎で、片側の下肢を切断するが、救命できなかった描写があります。

その当時から、小説家も知っている病態だったのか、非常に興味深い描写でした。

 

日本が誇る東京慈恵会医大の高木先生が発見された脚気の原因。

ビタミンB1。wet beriberi, dry beriberi

脚気で、ビタミンBの投与も出てきます。

 

まだ下巻が残っており、楽しみに読み進めております。


熱病塾・抗菌薬はじめの一歩 2019@ むつ総合病院 その2

2019-08-06 23:22:55 | 医学教育
素敵な眼差しの研修医の先生と出会えて、とても幸せに思いました。


大変、お優しい院長先生のお人柄、看護部の方、支えてくださっている教育研修部の方、などここでも「多職種」のチームプレーが大きいことを実感します。

感謝、感謝です。

明日、第2弾、研修医セミナーです!



熱病塾・抗菌薬はじめの一歩 2019@ むつ総合病院

2019-08-06 11:44:56 | 医学教育
「青い森」で、本当に深い緑の青森県へ。

数年前から東北に魅せられ、夏の「青い森」に。

むつ総合病院の皆様と、毎年、お会いする機会をいただき感謝しております。

研修医セミナーと院内講習会の二本立てで、させていただきます。

予防から始まる感染症診療。

予防、医療面接、身体診察、微生物検査、治療。

一連の流れで、もっとも重要な予防について、特に力を込めます!



熱病塾・抗菌薬はじめの一歩@ 高山赤十字病院

2019-08-06 10:49:03 | 医学教育
夏の風物詩となってきました高山赤十字病院での感染症セミナーです。



毎年のご縁に感謝。


今年は、富山周りで高山に入り、高山から名古屋周りで東京に戻ります。

午後いっぱいAST 抗菌薬適正使用チームとのミーティング、
薬剤部の先生方と


2時間の研修医セミナーに、最後は院内講演会でした。

熱心な方々が多く、毎年、力をいただいております!

少しずつ、しかし、確実に、進んでいます。

今年のtake home messageは、医療安全面からも、「呼吸数」をカルテに記載しよう!
という院内の全職種へのお願いでした。

Sepsisを早期にキャッチして、患者アウトカムを良くしよう!との声かけです。

うれしかったのは、”ミニ自治医大同窓会”でした!


感染症仲間が増えて、誠にうれしい限りです。

ありがとうございます!