矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

著書 シン ニホン から学んだ多くのこと

2020-08-30 19:32:40 | 感染症関連
国内の閉塞感がどこから来るのか、

何をどう変える必要があるのか、

データでみる母国がどのような位置にあるのか、

私が学んだもっとも決定的なメッセージは、データサイエンスでの出遅れに起因するところでした。

官僚や幹部などにPh.Dを持ったコア専門領域でのトップランナーが少ないこともデータで学びました。

「じゃまおじ」「じゃまおば」と別の方が名付けた弊害についてもわかりやすく解説がありました。

私自身も「じゃまおば」にならないように、若手の方の活動や成長を最大限、
サポートすることを最優先に、かつ、自分にしかできないことをどんどん進めていくことを実践したいと思います。

衝撃的な書籍に出会い、本当に勉強になりました。

Beirutの友人から連絡ありました

2020-08-27 21:55:32 | 感染症関連
テキサス大学で、1年先輩だった感染症科医で、先日爆破事故が起こったベイルートにいる友人から連絡がありました。

テキサス大学の恩師が、大丈夫ですか?という連絡をしたそうで、その時に
私にもemailを教えてくださり、連絡を取りました。

大規模の爆発で、友人の勤務する病院は診療ができなくなったそうです。
20年間の蓄積が一瞬にしてなくなった、とのことで、大変、お気の毒です。
本人も受傷して別の病院に入院したとのこと。

新型コロナウイルス感染者も増加しており、とても心配です。

その友人が、このような現状は、Apocalyps(神の啓示)としか考えられない、とのコメントでした。

なんとかベイルートが復旧することを祈っています。

オンラインでコンサート鑑賞

2020-08-23 20:40:25 | 感染症関連
小学生の頃 音楽の時間に習い好きだったクラッシック音楽をもう一度聞きたいという気持ちと 音が人生 という家族の影響で もう6年前から、少しずつテレビや本などで いろいろ調べて勉強しております。

コンサートにも時間がある限り たくさん行っています。最近は、コンサートも、オンラインで、eStreamなどで週末の楽しみに聞いています。

ライブに比べれば、その迫力は異なりますが、
音質もよく、自宅で リラックスして何度もオンデマンドで聞き返すことができるのは、新しい鑑賞方法として定着するように思います。

好きなピアニストはたくさんいますが 
ジャズでは、もちろん 上原ひろみさん
ライブは圧巻で、震えました。
車に乗っているとき 時々 CDを聞いています。

クラッシックは、ショパン国際ピアノコンクール優勝のチョ ソンジンさん すばらしいです。

人気でチケットが取りにくい辻井伸行さん
柔らかく、しかし力強く、とても好きな音色です。

世界の内田光子さん
二回 ライブに行きました。
別世界すぎて、凄さが分からないくらいでした。

小澤征爾さんと共演されたアルゲリッチ。
滑らかすぎて、魔法を見ているようでした。

そして 反田恭平さん。
ショパン すばらしかったです。
ノクターンを聞きたくて、オンラインコンサートを
聞きました。

チェロの宮田大さんの音色も好きで、ずっと以前にライブに行きました。

ライブとオンラインコンサート ともに より身近に芸術を感じられ 便利になりました。


著書紹介  シン ニホン

2020-08-19 19:25:04 | 感染症関連
まだ全部は読めておりませんが、今後の日本の方向性を示唆する本です。

Yahooの安宅さんの著書です。
シン ニホン

新型コロナウイルス感染症への対策で明確化した
データサイエンスの威力。国内の人材不足と教育場所の不足を学びました。

単純に、デジタル化のレベルの問題ではなく、
国家レベルでのデータベース データ処理と解析 データ活用の大きなステップで、隣国のアジア諸国にも大きく差をつけられているようです。

できるところから やり始めます。

まずは ネットワーク。

デジタル化  日本はもっと推進でしょうね。。。

2020-08-10 11:30:07 | 感染症関連
昨夜、米国内科学会インド支部の年次総会にvirtualで参加し、講演させていただきました。

3D-virtual conferenceでした。

ちょうど、AMEE 欧州医学教育学会の方も、ePosterを作成して終了し、
担当させていただいたePoster セッションのCommentaryも録音してMP4フィイルを
送りました。

Avatarを作成するまでに、「長い道のり」。
アバターも自分に近いようにしたつもりですが、自分の好みの服装はあまりなかったので、近いものに。興味深いですね。髪の毛と目は黒や褐色にして、アジア系とわかるようにしました。 くつは、好きな赤色にしました! ちょっとテンションが上がります色に。

MacOSをアップデートせねばならず、そうするとEndNoteもアップグレードしてEndNote 9を購入して、という長い道のりでした。

すでにインストールしていたzoomも再インストールせねばならず、関連したソフトやアプリがチェーンとなってインストールする必要が出てきました。

ついて行かねば、世界から取り残されてしまいます。。。。




診療の質: カルバペネムの適正使用

2020-08-09 12:58:22 | 感染症関連
日常の診療現場で、これまで国内で帰国後15年間、経験させていただいたことから
まず、言えること。

その病院の診療の質のひとつに、「カルバペネム系薬」の適正使用があがります。

抗菌薬は、「無駄に」広域抗菌薬を使っても、患者の状態はよくなることは多いです。
しかしながら、診療として、「精緻さ」や「医学的な美しさ」には欠けます。
そして、公共の利益である、「耐性菌の予防」には反する診療になります。

レジデントやフェローをしている時に、精緻なカルテやとても行き届いた
oral case presentationに触れた時、「衝撃的に」感動していました。

毎週のケースカンファレンスで、いつかあの指導医のように、スラスラと体系的な鑑別診断をあげられるようになりたい、あのレジデントのように包括的かつ漏れのない「完璧な」カルテ記載やcase presentationを目指したい、と思いながら、日々の研修をしていました。

日常的に触れる診療に「美しさ」がある研修環境は、とても恵まれています。
「環境」から学ぶことが多いからです。

「診療水準」が、暗黙的に提示されているからです。

カルバペネム系薬が、ほぼ全例?の重症患者に投与されている状況は、15年前と比べると改善していることを体感しますが、まだまだ、と思います。

血液培養2セットの採取は、研修病院ではほぼルーティンになってきていると思います。 血液培養さえも採取していない病院もまだまだ多いことは把握しております。
どうやって、生涯教育を届けることができるか、みんなで考えたい点です。

カルバペネム系薬を「あえて」使用する場面は、とても限られています。

「病態」と「微生物」を考えることができれば、
「全ての重症患者 or CRP高値」= カルバペネム系薬投与 にはならない。

重症デング熱や、マラリアや、ニューモシスティス肺炎や、リケッチア、血管炎, Hemophyagocytic sydrome (HPS)など、カルバペネム系薬は投与不要な疾患です。
病態と微生物が考慮されない場合、診断も遅れたり、見逃してしまいます。

医療面接(=病歴)のみで、8-9割の診断はつきます。
病態を想定したら、感染症が想定されれば、臓器と次は、原因微生物。

微生物を考えましょう!!! これにはトレーニングが必要です。
Hands-onの、現場での思考レニーニングが必要です。

これまで以上に、Virtualで、思考フレームを届ける教育ストラテジーを構築したいと感じております。









本日Zoomで、日本内科学会 座長 です。

2020-08-08 07:56:32 | 感染症関連
都内へは移動せず、zoomにて日本内科学会に参加と座長をさせていただきます。

内科学会ことはじめ
14:15-15:15の感染症 6 の座長で、5症例のご発表をモデレートします。

若手の先生の症例発表の座長ですが、とても興味深い発表が多く、楽しみにしております。朝、抄録に目を通し、質問を考えました。 有益なディスカッションになればと思います。 やはり、感染症診療はとてもおもしろいです!

自分の診療でも、診断がchallegingな症例がありましたが、詳細な病歴で、「確定診断」がつきました。 Reactive arthritis 反応性多発関節炎。
 あまり多くない・みない症例で、感染症科の専門診療を98年から丸22年しておりますが、経験数は数例でしょうか。試験にはよく出る疾患です。

また若い患者で、片側性の腋窩の痛み、という主訴の方をこちらも医療面接で、「ほぼ確定診断」できました。 学術的にとても興味深いです。 猫ひっかき病でしたが、1ヶ月前に野良猫にかまれ、指に傷がある、との病歴を引き出すことができ、Snap diagnosisでした!

COVID-19 患者急増で、対応急務です。

2020-08-06 22:03:59 | 感染症関連
現場で診療しながら、患者急増を肌で感じます。

国内外の友人、知人でCOVID-19患者への診療で有益な点は共有しておりますが、
3月中旬からほぼ5ヶ月近くなり、疲弊とギアチェンジが必要な段階に感じます。

防護具PPEを装着し、外来で連続3時間以上の診療は消耗します。
対応を工夫しないと現場の持続性が厳しいと思います。