Look To The Sky

フルーティスト大久保はるかのブログです

リオのカーニバル 本編5

2007年04月30日 21時34分49秒 | Weblog
<ポルテーラの練習場>

カーニバルの数日前、リオ市内一日観光ツアーをした際、最後に少し時間があまったので、もう一箇所行けますけど、どうしますか、と聞かれ、いくつかの候補地の中から私が選んだのは「ポルテーラの練習場」

カステラとかの種類じゃないヨ、いっときますけど(笑)かつて2大サンバチームと呼ばれていたのが「マンゲイラ」チームと「ポルテーラ」チームだったのです。カーニバルではこの2つのチームの一騎打ちだった時代もあったらしい。

現代では他の新しいチームに押されぎみで地味な存在になりつつあるそうですが、数多くのプロのサンビスタを輩出してきています。

その「ポルテーラ」チームの練習場に行ってきました。それはなんとファベーラ(貧民街)のふもとの入り口に。

練習場・・・、なんだかとても簡素、そして意外と狭いスペース。話によると、毎年、その年のカーニバルの成績順に、次の年にむけての配当金が決まるらしく、ポルテーラはここ数年優勝をのがしているからどうも景気がいまいち、ということ。

二階にある事務室の中をのぞかせていただきました。歴代のボスの写真がずらっと飾られているのはいいんだけど・・

20枚以上ぐらいかな・・・、すべて白人男性。これには本当に驚いた。

だってカーニバルって、労働者階級の人達が一年に一度自分たちの労をねぎらう為の祭りってきいていたのに、なんでそのチームのボスが歴代全部白人なんだろ?全然意味がわからない。

しかも20枚写真があるとしてたら少なくとも20年前からこの体制でとりしきられてきたってこと?

ああ、話題が重たくなってきた。

あらためて人種問題の根っこの深さを知る。

ちなみに「ポルテーラ」の練習場見学に行った、とマリオ・セヴィ氏(Sax,この人も真っ白白人)に言ったら、「ええええ!そんな恐ろしい場所、僕なんか生まれてこの方行った事もないよ!だいたいその周辺ですら普通はよりつけない筈だよ!ねえ、君さあ、僕よりすでにカリオカ(リオっ子)になっちゃっちゃったんじゃない!」

・・・わたしはハマっこですが、なにか?・・・

・・つづく・・

リオのカーニバル 本編4

2007年04月29日 20時19分55秒 | Weblog
<黄金色に輝く肌>

これでもわたしはダンスのレッスンを受けていた時期もある。(初告白)ステップをきわめるようなところまでは全然上手くならなかったケドね。

サンバはねえ、おしりの振り加減(!笑)がえらくむずかしい。音楽を演奏するにあたって、リズムのとらえ方につながっていく重要なところなんだろうけども。

で、まあ、自称、まったくのシロウト目で見学していたわけではないのです。あくまで自称、といっておきますが(笑)

私、実は帰ってきてから先生に質問をしてしまった。「・・・なんか、わたしみたいな人(!笑、要するに何も出来てないような人)がいっぱい出てたんですけど、あれ、なんでしょうか?はっきりいって、踊ってなくて、ただこ走りに歩いてるだけ、みたいな・・・」


先生に言わすと、カーニバルは誰でも出れるイベント、で、プロのダンサーはきちんとした固定の場所でショーとして踊る、というのが普通らしい。裏を返せばカーニバルにはプロはほとんどいない、ということになる。

ただ、ベッチ・カルバーリョ(サンバの大御所ヴォーカリスト)を見た!でも他の人たちに紛れていて、指指して教えてもらわないと分からんかった!あともうひとり、この方はお名前はわからないが、テレビの報道陣に囲まれつつ踊っているとても美しいダンサーを見た。

あんだけの数のダンサー(うーむトータル2,3万人?)見て、「おっ」と思ったのが2人って・・・

男性だったらさ、おけつ拝めるだけでもありがたや、と思うかもしらんけど、わたしは女だからねえ・・・違うところでシビアに見てしまった。

ーつづくー でももうオケツの話はやめよっと(笑)

リオのカーニバル 本編3

2007年04月28日 21時47分01秒 | Weblog
<アノ衣装の謎>

私がリオのカーニバルを生で見たのは4年前の3月でしたが、その2年程前にNHKの番組でリオのカーニバル特集を放送したことがあり、加々美淳氏とダミアォン・ゴメス・デ・ソウザ氏がゲストで出演していた。

それはテレビ用に編集されていて、ライブ画像とは別撮りと思われる白人美女が半裸であやしく踊るショットが何度も何度も放送されていた。

実際のところ、ブラジルにおいてまっしろ白人はまれで、殆どはムラータ(女)、ムラート(男)と呼ばれる小麦色の肌の混血児。

しみじみ思ったのは、民族衣装というものは、その国の、特に女性の体が一番美しく見えるような色やデザインに発展していくものなんだな、ということ。

やっぱりあの衣装はムラータにしか似合わないと思う。

ダンサーの100人に一人ぐらい真っ白白人がいたが、逆に変に目立つだけで、決して似合っているとはいいがたいものがあった。

もうひとつ、なんでカーニバルの衣装は半ケツ衣装なんだろうと長年疑問に思っていた(笑)が、ブラジル人のおしりはキュっと上をむいていてひきしまっていてかわいいのだ!そうだ、これはすごい発見だ!

ーつづくー

(もしかして今日のカキコ、あやしいトラックバック付きそう・・・まあお気にならさずに)



リオのカーニバル 本編2

2007年04月27日 22時00分12秒 | Weblog
「リオのカーニバル」は世界的に有名なイベントのひとつなので、その内容をご存知の方も多いと思いますが、とりあえず、「長い。」

うろ覚えですが、たしか始まるのが夕方5時か6時ぐらいで、終わるのが朝方5時か6時ぐらいだった。

約12時間、夜中の大名行列が休む間もなく続く訳です。そしてなんと結局我々は律儀にもオープニングからエンディングまでずうーーっと立ち会っていたんデスよ。

会場に行ってみてびっくりしたのは、「3万5千円特等席」とやらがまずひどい。吹きっさらしの会場で、野球場のベンチシートみたいなのがつながってるだけ。アレレ?

しかしよくもまあこんな所に夜を徹して12時間もいたもんだ。今、回想してみてもすごいことだと思う。いやあ、あの頃は若かった・・・(笑)

途中何度も寝たけどね、あたしゃ、ゴザもひかずに(笑)夜も更けてくるにつれてあの大音量のリズムもだーんだんとここちよーい子守歌に聞こえてくるから不思議よ。

ーつづくー







リオのカーニバル 本編1

2007年04月26日 22時24分36秒 | Weblog
私は基本的に人がたくさん集まるような場所が苦手。土、日に都心に出かけたり、お祭り事やイベント、行列が出来るような有名飲食店など、極力行かないで事が済む方法を常日頃から考えている程だ。

正直な話、リオのカーニバルを生で見ることへの興味は最初からほとんどなかった。

でもねえ、せっかくその時期に滞在していたら、当然みんな行くんでしょ?という雰囲気ができあがっていて、ブラジルに着いたその日にコーディネーターからチケットを渡され、代金を請求されていたのだ。

その額、たしか3万5千円ぐらい!ええええ?「もう、特等席を用意しましたんで!」なんてコーディネーターは言うが、どうなのよ、この額・・・オペラですかあ?

近年「リオのカーニバル」は単なる観光客目当てのイベントと化してしまっていて、あまり内容が良くない、とも聞いていた。

それに生粋のリオッ子ミュージシャンのセルスィーニョ(per)やマリオ・セヴィ(Sax)、パウロ・セルジオ・サントス(Cl)など、生まれてこの方一度も見に行ったことがない!と口をそろえて言うのである!

しかもこの時期「ブロッコ」で街が騒々しくなるのを嫌ってカーニバルが終わるまで長期旅行に出かけるリオ市民も多い、という話。故ジョビン氏の息子さん、パウロ・ジョビン氏もその一人だったようですが。

これって、日本人で日本に住んでいながら富士山に一度も登ったことがないけど、何か?とか、そういうのと似ているのかなあ?

ーつづくー


リオのカーニバル ブロッコ編4

2007年04月25日 22時56分45秒 | Weblog
東洋のガイジンにはあまり免疫のなさそうなマリオ氏の奥さんが叫ぶ。
「Quinze!(15!)」(キンズィ、というような発音)

ジュンカ・ガミさん:
「Quinze?」(キーンズィぃぃぃ↑といった感じで語尾上がる、そのせいか声も若干裏返る)

やさ系白人新聞記者:
「それはさあ、ちと言いすぎじゃない?だって結婚してんでしょ。23,4ってとこじゃない?」

マリオの奥さんの友達:
「え?あなた結婚してるんだ。旦那さんは日本でなにしてるの?」

・・・もう、もう、ええわ。ほんと、いいかげんにしてっ。他にも日本から何人も一緒に来ていると言うのになんで私一人が攻撃の対象になるのさあ!

めんどうなのであっさり実年齢を公表。

やさ新聞記者:
「えー、うっそー。ねえ!もしかして日本のSAKE(サーキーみたいな変な言い方)ってさー、人を若返らせる効果あんじゃないのお?」

・・・ほんま、アホかっ、コイツ・・・・・

私:
「たぶんね」

この先は単なる酔っ払い同士の会話なので、以下省略。帰路の途中もブラジル人軍団はカーニバル気分でおおはしゃぎ。私、とりあえずテンション

ちなみに数日後用事があり再びマリオ家を訪れた際、奥様はごくごく普通のつつましやかな妻に戻っていた。一瞬別人かと思うぐらい・・笑・・服装も普通だった・・

ー次号リオのカーニバル本編へつづくー

リオのカーニバル ブロッコ編3

2007年04月24日 18時23分34秒 | Weblog
本日我々一行が目指すのはサンタ・テレーザの丘。

リオのカーニバル時期ともなると、リオ市内の各町内会(?)ごとに連日連夜「ブロッコ」が開催され、前夜祭的に盛り上がろう、という仕組みらしい。

「ブロッコ」というのは、この時期限定の各町内会のお祭りで、普段着の町民が打楽器持参で集まり演奏や踊りをしながら町を練り歩くイベント、という・・・風に解釈した・・・気がする(笑)

だって、人の数が多すぎて、多すぎて・・・、その行列の先頭などどうなっているのかまるでわかりません。話によると先頭には山車がついているらしいんだけど、そんなの何キロ先?何もわかりません、ってかんじ。

雰囲気としては日本の花火大会ぐらいの混雑さ。やばい、みんなとはぐれないようにせねば・・・と女の子たちはみんなで手をつないで歩く。

おまけに「サンタ・テレーザの丘」は、日本でいう「丘」のレベルをはるかに超えるごつごつ道の「山」。わたし人ごみも登山も苦手なんだよー、もー助けて!サンダルはいてるし!(泣笑)

それに本当にがっかりしたのが、誰一人打楽器や踊りが上手いブラジル人を発見できず。はっきりいってみんな「下手」である。

・・・そうだ、思い出した!たしかイギリス留学時代、クラシック奏者のためのジャズの授業というものがあり、クラスに3人アメリカ人がいて、どの子もとっても「下手」(笑・・クラシックはみんな上手いのよ)だったっけ。

アメリカ人だからジャズが上手いわけじゃないし、日本人フルーティストがみんな篠笛や尺八の演奏できるわけじゃないし、ブラジル人がみんな打楽器や踊りが上手いわけないよな、あたりまえの話。

なんか童話「ブレーメンの音楽隊」の動物たちのあとをただくっついて歩いてる人間達ってな構図を想像してしまい悲しくなる。

多分本当の先頭にあたる所にいけばきちんとした人達がきちんとした演奏や踊りをしているのだろうけど、そんなところまで人をおしのけ進んでく元気はない・・・

・・それでも1、2時間ぐらい「山」を登っただろうか、ここら辺で休憩して帰ろう、ということになって山間のバー(というか簡単な作りの一杯居酒屋みたいな所)に入る。

店に入るなりブラジル人みんなの話題がなぜか「私の実年齢あてクイズ」に・・、なんでえ?どおでもええやんけえ!!

ーつづくー

リオのカーニバル ブロッコ編2

2007年04月23日 20時47分42秒 | Weblog
夜6時すぎに我々一同はマリオ宅集合となった。

すでにリビングには家族や友人たちが大勢集まっている。マリオの奥さんなどはお友達とすでに出来上がっているかんじでものすごいハイテンション・・・これから「ブロッコ」にいくのよう!みたいな・・・カーニバル気分なのか何なのか変な(失礼!)スパンコールのついたハートマークのTシャツ着てるし・・・

「彼は僕の友人で新聞記者だよ」と紹介された男性は白人のやさ男・・・こいつもすでに酔っていて、ビール片手になよっちく笑う・・・はあ・・・こんなヤツ新聞の記事書けるんかいな・・・ま、どうでもいいことだけどね・・・

全然シラフの私はひとり意気消沈・・・アタシも一杯やってからくりゃよかった・・・

マリオ宅には結局1、2時間ぐらいいただろうか・・・「ブロッコ」に行く為の集合のはずが、いつ出かけんの?ってかんじ・・・ああ、こんなだからブラジル人的時間感覚にはついていけんのよ・・・純日本人の私はちとイライラ・・・

・・・そして、誰からともなく一同、(だらだらと)「ブロッコ」に行くため、マリオ家を出発することとなった。

ーつづくー


リオのカーニバル ブロッコ編1

2007年04月22日 20時11分36秒 | Weblog
ある日、私のいたレコーディングスタジオの内部まで響き渡るようなボリュームで、無数の打楽器音が。街中で大勢の人がバトゥカーダ(打楽器の合奏)・・・しかもみんなで練り歩いているよう・・なに?リオのカーニバルって来週だよね?その練習?

「あ、ブロッコだ」

とセルスィーニョ(per)がつぶやく。

なんだろう、ブロッコって?

と思っていたら、その日の夜マリオ(Sax&Fl)から電話。「明日みんなでブロッコにいこうよ!、説明不要、身ひとつで来ればいいからさ、お金も一銭もかからないし!」

この説明が怖い。淳氏に聞くべし。

「ブロッコっていうのはあ、サンバの練習!行けばわかるよ」

・・もっとわからない。でも淳氏をはじめみんな行くというので、私もいくことにした。・・でもこわいなあ・・何をさせられるハメになるのか・・

ーつづくー






HP更新情報

2007年04月21日 22時56分22秒 | Weblog
リカード・ボッサの謎がめでたく解決した(してないかっ、笑)ところで私のHP http://www.haruka-okubo.com/ 5月分ライブスケジュールを更新しました。

新しいところでは、5月12日(土)昼間、赤坂 カーサ・クラシカ http://www.casa-classica.jp/に初出演いたします。なんと東京で唯一クラシック専門ライブハウス!昨日などはチェンバロライブですって!!!あっ、でも私はオオサマとボサノヴァ&サンバ&ショーロやります。

で、本日お客様としてお店に伺いました。いやあ、心地よい!!演奏者はバリバリ芸大4年生コンビ(サックス&ピアノ)もう、上手で上手で・・・。

サックスの荒木さんは芸大ビック・バンドのバンマスも勤めるぐらいジャズに造詣が深く、話が盛り上がり、5/12の私のライブに特別参加していただくこととなりました。

しかし大学4年て、まだ平成生まれじゃないよな、はー、よかった、とか胸をなでおろしたりして・・(笑)でもあと数年したら平成生まれとも仕事するようになるんだろうなあ・・・ゾゾッ