よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
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中国様式の禅寺へ-京都府宇治市:萬福寺

2024年04月16日 | 京都(京都市以外)
Manpukuji Temple, Uji City, Kyoto Pref.

さてさて、京風のお寿司をいただき、伏見の散策を終えたのですが、時刻はまだ11時過ぎなんですよ。
このまますぐに家に帰るのも勿体無いなぁと思い、ワタクシは宇治市の方に向かうことにしました。
と言っても、12時前後に平等院鳳凰堂などに行けば観光客だらけです。
ワタクシは宇治市にある「隠れた名刹」へと向かったのでした


ワタクシが向かったのは萬福寺というお寺です。正式には黄檗山萬福寺と言いまして、黄檗宗の大本山のお寺です。
この総門を見て「中国みたいなお寺やなぁ」と思われませんでしたか


この建物は三門です。重厚感ある建物に圧倒されそうな気持ちになりますが、黄檗宗って浄土真宗とか真言宗と違って、
ちょっと馴染みが薄い宗派ですよね。長崎などには黄檗宗のお寺も多いのですが、他の地域では少ないと思います


黄檗宗(おうばくしゅう)は、臨済宗、曹洞宗と並ぶ三禅宗なのですが、江戸時代はじめの明朝復興の頃に始まった一宗派です。
江戸時代初期に来日した隠元隆琦(いんげんりゅうき)を開祖とする宗派です。
他の2つの禅宗と黄檗宗が大きく違う点として、中国的な特徴を色濃く残しているということが挙げられます。
臨済宗、曹洞宗は長い年月の中で日本化していったのに対して、江戸初期から中頃にかけて萬福寺の住職は、
殆どが中国から渡来した僧侶でした。朝夕のお勤めをはじめ儀式作法や法式・梵唄にはその伝統が受け継がれており、
今日の中国寺院で執り行われている仏教儀礼と共通する部分が数多く見られるそうです。この香炉も中国風ですね


天王殿の中には1663年造立の布袋坐像がありました。布袋は七福神の中で唯一、実在の人物といわれています。
中国では弥勒菩薩信仰と交わって、布袋は「弥勒菩薩の化身」といわれるようになりました。
現在でも中国や台湾では「弥勒」と呼ばれているとのことです


向こうに見えるのは萬福寺の本堂であり、最大の伽藍である大雄寶殿です。回廊を歩いて大雄寶殿へ向かいます


ワタクシ、萬福寺に来るのは四度目か五度目になるのですが、萬福寺は宇治という大観光地にあり、
あの平等院鳳凰堂から車だと20分もあれば行くことが出来るんです。
でも、知名度が低いせいか、いつ訪れても比較的静かに参拝することが出来るんですよ


萬福寺の斎堂前の回廊には、体長2メートルほどの巨大な木製の魚の形をしたものが吊るされています。
これは開梛(かいばん)といい、黄檗宗の寺院に特有の木製の法具で、時刻を知らせるためのものです。
隠元禅師が渡来した際、日本に伝えました。魚の形をした鳴らし物で、その形状から「魚梆」(ぎょほう)「魚板」(ぎょばん)とも
呼ばれるそうでして、木魚の原形となったもので、現在も時刻を知らせるために使用されているそうです


ダルマさんが置かれてありました。言うまでもなくダルマは達磨僧侶の座禅姿を模した置物です。
「ああ、やっぱりここは禅宗のお寺なんだなぁ」と思いましたわ

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


ここ萬福寺は桜も綺麗ですし、紅葉も見事で、私は特に紅葉に関してはかなりの美しさだと思っています。
そのわりに知名度が低く、場所的にもちょっと他の有名な寺社仏閣から離れた場所にあるせいか、あまり訪れる人が多くないんですよ。
私はこのまま萬福寺が静かに参拝できるお寺であってほしいような、一方で多くの人に知ってほしいような複雑な気持ちになるのです。



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