老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

『裏切りの街』@PARCO

2010-05-25 09:54:47 | 演劇
金曜に帰ってきてもう今は成田のラウンジ。ココでいつも書いている。きのうも書いたが今回は4つも芝居を見たわけだがナンとなく不完全燃焼っぽいのは4つとも今一つもり上がりに欠けたというか、まあそれが今のニッポンの空気そのままということかもしれないが、サッカーとか、政治とか、大相撲とか、種牛とか。ワクチンという名の毒薬でコロされる牛も大変だなあ、というのが今の空気。
でもって、コレは2日目の芝居。だめオトコとだめオンナの話。ポツドールの三浦大輔サン作・演出でセックすシーン満載でソコだけは異様に盛り上がった。ただ全体的にはでかい劇場の回り舞台を使いすぎた凝りすぎの演出とか、有名俳優がたくさん出ていることとか、そういう尾ひれの部分だけが目立って、、席が後ろのほうだったことを悔やんでいるだけかもしれないが。

話はフリーターの男、25歳と、松尾スズキサマ演じるダンナが一見いいヒトのヒトヅマ、40歳がヒマを持て余しながら、特に何かを求めてというわけでもなく、かといって今の生活に満足できずツーショットっていうんでしょうか、そういう電話で知り合うヤツで出会って、延々、約1時間は何もせず、喫茶店でお茶飲んでサヨナラ、みたいなことを続ける。男のほうはあまりビジンとは言えないオンナと同棲していて、毎日2000円もらって、ジブンはアルバイトをさぼってグータラな生活をしている。ヒトヅマのほうもジブンは美人なのになんでこんなつまらない生活をしているんだろうと思いながら毎日いいともとか見ながらムダに時間を過ごしている。ダンナは毎日カイシャの部下と酒を飲んで帰ってきてツマのそういう満たされないキモチには気付かない。

で、お互い初めからただヤリたいだけだったのが、やっと、やっぱりそうだよね的にわかり合って西荻のラブホで激しく燃え上がる。そのシーンなんか完全にR18指定。ソレはソレでヨカったんだけど、そのあと、男のほうは同棲しているオンナからもっとしっかりしろみたいに言われて、女のほうもダンナからなんでも知ってんだぞ的に言われてそういう生活から抜け出そうとするがそのうちに女が妊娠する。それをダンナはジブンの子だと思い込み、産んでくれるよな、みたいな感じでどんどんおなかは大きくなって取り返しのつかないところまで行ってしまう。
見ているほうももういい加減にしろよ的になってくるのだが、ダンナにばれてもう会うなと脅されても男は女に会い、今度はしっかりヒニンするよ、バカ、ニンシンしてるからヒニンなんか意味ないわ、、みたいな会話でカンケイを続ける。どうしようもない二人だ、と思っていたらその先が裏切りの街。。

弱いニンゲンと強いニンゲンの話というか、ダメな人間は延々と泥沼からはいあがれない。その一方で強いニンゲンはテキトーに相手の急所をくすぐりながらしっかり実をとっている。痛ましくてナンの希望もない、そんな話。そのだめオトコがダメ女に途中で言う。オレタチ顔は結構イケてるよね、みたいに。顔がいいからこうやってだらけてしまうんだみたいな感じ。ソコは思わず笑っちまった。

2010.5.22 PARCO劇場にて。まだやっている。