老後の練習

しのび寄るコドクな老後。オヂサンのひとり遊び。

『拘束のドローイング9』 マシュー・バーニー

2008-10-29 22:29:41 | アート
横浜トリエンナーレに出品していて気になっていたコノ人の2005年の映画作品
その時は金沢21世紀美術館で公開されて、そのあと、ヴェネチア映画祭で絶賛されたというモノ。
ストーリーはない。テーマとか、コンセプトとか、主義主張とか、、そういうものもない。ひたすらゲイジュツ。

舞台は日本の漁村、というか造船所のある小さな町から船に乗って最後は南氷洋まで。基本的には小さな漁船から乗り移った捕鯨船「日新丸」の中でいろいろなことが起こる。マシュー・バーニーさん本人と、妻?で音楽家のビョークさんが捕鯨船の中の茶室で愛に燃える、というか、愛に燃えてお互いの体を切り刻んで、最後には下半身が巨大な二枚貝の貝柱のようになってゆらゆら水の中で揺れ動きながら、つまり泳ぎながら相手の首筋を愛撫しあう。
二人が日新丸に乗り込むと和服のオネーサンがお世話をしてくれる。マシュー・バーニーさんは居眠りをしている間に頭の毛を剃られて??ビョークさんは柚子の浮かんだ風呂に入って身を清めたかと思ったら毛皮の婚礼衣装を着せられる。
で、そのあと茶室に入ってテシガワラさんみたいな人が出てきて貝の茶碗でお茶をケッコウまじめに飲む。そして嵐になって、さっきのオネーサンは船酔いしてベッドで横になって口からセメント???を吐き出して、それはあとで日新丸の方々がお昼に食べたエビの殻を骨材にしたモルタルになる。もーーー意味不明。

まあそんな感じで愛がテーマかもしれないという気持ちはするが、嵐で船が浸水して半分水に浸かりながらエビの殻をむくように、下半身から貝柱が現れる、というわけ。もうコレくらいでいいかしら。。
楕円に長方形を重ね合わせた図形=「フィールド」がいろんな形でたびたび現れる。その長方形が拘束を意味していて、拘束が取り除かれる瞬間は感動的ですらある。

この映画の撮影中を撮影した映画も現在公開されている。そっちは『拘束なし』だって。
2005年、アメリカ映画
渋谷・シネマライズにて。今週金曜日まで。

『ウチの子に限って』

2008-10-28 08:19:00 | 風景
週末、あるところでそういう題名の歌を、まさにウチの子に限ってあんなことをヒトサマの前でするはずはない、というような歌いかたで歌うのを見て、なかなかいい歌だと思った。モリタカ千里にこんな名曲があったなんて知らなかったし。

ウチの夫に限って、とか、あまり言わないのはそこまで相手を信用してないからで、それでもまさか、ウチのオトーサンに限ってリストラされるはずはない、とか、リアディゾンみたいな子とデキるはずはない、と勝手に思いこんでいるヘイワなニッポンの主婦たちよ。

で、最近多いのは、ムスコが大学生かなんかになって都会に出ていって、正月に久しぶりに帰ってきたらすっかりキレイなオンナになっていて、そんなになってから、ウチの子に限って!みたいにビックリしても遅いんだって話。

でもなにごとも前向きに考えると、男の子として20年くらい育てて、それから先はムスメとして一緒に暮らせるとしたら一粒で二度オイシイ、みたいな、そんな気にならないだろうかと、まさにウチの子に限って、、と思いつつ想像してみたりして。
出張先の朝にこんなこと書いてるのも今日一日何が起きても冷静に対応していこうというキモチのあらわれ。

カレーどんめん@峰松本家

2008-10-25 21:10:30 | 料理
コレは昨日、出張の帰りに食べたカレーどんめん。先週久しぶりに行って、そのあとやっぱりどんめんを食べなきゃと思って、じゃあ今度って感じでそれが昨日。

どんぶりの直径が30cmは軽くあって、極太のうどんがもやしやキャベツや蒲鉾?やその他いろいろが辛めのカレースープの中に沈んでいる。
かなりベビーなんだかうどんそのものは量も普通で野菜と一緒に食べるから胃にもやさしい。まあなんとか完食して金曜の夜の満席の最終便で帰ってきた。

週に2回もあっちコッチに行ってると、1週間経つのが早い。
こうして残り時間がどんどん少なくなっていく感じ。



本店かさね味@一風堂大名本店

2008-10-24 00:38:00 | 料理
今日も限りない自己犠牲と会社愛の表現としての最終便出張。そこに飛行機の出発が1時間遅れて、福岡に着いたのは11時過ぎ。もう寝るだけかというとそうもいかず、やっぱりコレを食べナイト、というわけで、たぶんこの本店でしか食べられないかさね味を発注。

かさね味というからには、おそらく赤丸と白丸を足して、そこに茹でキャベツをたっぷり入れて、からか麺の辛味までも重ね合わせたような奥深い味わい。実際はもっと複雑な調整をしているんだろうが。
こういうのを毎日食べていれば、いつもぎとぎとの営業ブチョー的活力がカラダ中にみなぎるのかもしれないが、、別にそうなりたいわけじゃない。とか言いながら朝は野菜ジュース飲んだりして、、健康を気にするようになったら先も短い。

それにしてもアッソウ総理は毎晩バーをハシゴしてうらやましいほど元気。しかもあの、どうせワタシは金持ちですよ的言動もタイシタもんだ。カネがあり余っていれば何をしたって庶民のキモチなんかわかるはずないからフリだけするのもイヤミになるだけ。ホテルのバーでは絶対にボラレないからヘタなキャバクラより安いのも事実だし。
だからあんなことでケチつけるほうがビンボー臭くてみっともない。

セイタカアワダチソウとブタクサ

2008-10-23 09:07:00 | 風景
は別のモノ?
昨日ある人に、花粉症の原因になっているのはブタクサでセイタカアワダチソウではないと言われて頭の中がこんがらがった。
ブタクサってセイタカアワダチソウの別名、というか蔑称というか、あの醜悪で鼻をグジュグジュにしてくれるいまいましい花を、このブタ草野郎めっ、みたいにいうからブタクサとも呼ばれるようになった、と思っていたから。

で、いろいろ調べるとブタクサというのは確かに別にあって花粉症の原因になっているのだが、逆にセイタカアワダチソウは風で花粉が飛ぶ植物ではないというだけの理由で花粉症の原因ではないと書いてある。ヌレギヌ、とか、潔白が証明されたとまであって、ホンマかいなってな感じ。
あの生態系を破壊しまくっているブラックバスを擁護するようなヒト達がある種の業界の利益のためにのみ動いているように、セイタカアワダチソウ振興会みたいなのがあって、そこの変なヒト達が、今の時期の花粉症の原因はセイタカアワダチソウではなくてブタクサであって、あの黄色い花をニッポン中に広めましょうと言ってるような。
何か裏がありそうだが、、、続きはまたあとで。

『譜めくりの女』

2008-10-20 22:28:56 | 映画
昨日は久々のゆっくりできる休日で床屋に行ってそのあと関内まで散歩。大道芸で賑わう伊勢佐木モールを通り抜けて、こんな映画見た。
こういう陰湿な復讐劇って好きぃ~って感じのおもしろい映画だった。世の中、人間の営みがあるところには必ず陰湿な争いがあるわけで、それをきれいごとで覆い隠そうとするようなヒューマンドラマみたいなのは見ててウンザリする。昔はやった細腕繁盛記とかおしんなんかも、イジメが陰湿であればあるほど登場人物に感情移入して最後にホロリとさせられるわけだが、この映画にはそういうホロリはない。ひたすら復讐。しかもナイスバディで寂しげで超カワユイオジョーちゃんが、画面にはでてこないもののおそらく一家の恨みを一身に背負って富と名声にあふれんばかりの相手を不幸のどん底に突き落とす。どきどき見せるなんともいえない憎しみに満ちた表情に凄みがあって、かなりドキドキさせられた。

どうしてこういう復讐劇がおもしろいかというと、今の時代はジンケン、みたいなものが重視されすぎて被害者より加害者のほうが腫れ物をさわるようにあつかわれる。殺人犯の人権がすべて、みたいに。だからといって弁護士のチョーカイ請求求めるような短絡的な、あのバカ殿みたいなのもどうにかして欲しいが、やっぱり目には目を、というか、昔のあだ討ちみたいなものになんとなくスッキリさせられるのは事実だ。死刑を廃止してもいいが、そのかわりにあだ討ち制度を復活させたらどうかとも思うくらい。
この映画ではそれこそ人格を否定されたオジョーちゃんが、徹底的にその相手を名声から引きずりおろす。ブザマに地べたに倒れこむ大金持ちのオンナと、まっすぐに前を向いて歩いていく若い女。こういう快感もあったかと思うようなはなしの筋だ。それをピアニストと譜めくりの女という関係の中に描き出したというあたりがうまい。

監督はドゥニ・デルクール。悪いほうのオンナ役がカトリーヌ・フロ、かわゆいオジョーちゃん役がデボラ・フランソワ。撮影当時で19歳!かなりキワドイ場面もあってシビれた。
2006年フランス映画。
08.10.19、横浜・黄金町のジャック&ベティにて。

九条ねぎうどん@福岡天神 峰松本家

2008-10-18 22:07:00 | 料理
こう出張が多いと晩ご飯のことくらいしか書くことがなくなる。しかも今日は土曜日だっていうのに。
それはそれとして、こういうのを見ると草食動物としての本能がくすぐられる、というか、腸が長いのを自慢したくなるというかつい頼んでしまう。もやしとかネギが山のように乗ったラーメンみたいに。
九条ねぎっていうのも関東じゃああまりなじみがないが、つゆの深い味わいと、真ん中に乗ったすりおろしのしょうがとで、なかなかうまい一杯だった。

で、この峰松本家さん、本家というだけあって、どんめん発祥の店なのであ~る。といっても全然ピンとこないのは当然で、どんめんなんて誰も知らない。
以前ここでカレーどんめんというのを食べたことがあるのだが、どんぶりのでかさと、麺のコシの強さだけが記憶に残っている。それだけでもたいしたものだが。
どんめんのどんはどんぶりのどん、か、うどんのどん、かはわからないが、本家を名乗るというのは、それはそれでタイシタものだ。

天神の丸善の入ったビルの地下にある。酒を飲むのにも良さそうなところだ。


鯛めし@福岡天神 石蔵

2008-10-17 21:16:00 | 料理
昨日またハゲた夢を見た。日頃からハゲるくらいなら死んだほうがましだと思っているので、そういう強迫観念からだと思うがハゲる夢はしばしば見るのだが、昨日のは今までになくリアルだった。夢の中で、どうせまた夢だと思って、いつもならそこで目がさめるのに昨日はさめず、ついに本当のことになったかと観念したところでやっとさめた。汗びっしょり。

土曜も仕事の出張生活。ジブンでいうのもナンだがサービス精神がケッコウあるほうなので、クライアントに呼ばれてアッチこっち飛び回って、オトコ芸者とはよくいったもんだが、夕方になると生きているのが不思議なくらい疲れまくる。

そういうストレスがオジサンにハゲの夢を見させるわけで、疲労開腹、いや回復のため晩メシはこんなもの食べた。ご飯の上を青のりが覆って鯛の刺身がヒト切れ。コレダケかよ、と思ってかき回すと中に鯛がたくさん埋もれていた。
福岡にはこのほかに鯛茶とか、鯛めんとか、鯛スパ?とか、鯛カレーとかいろいろあって、鯛すきにはたまらない。夜食に鯛焼きでも買って帰るか、ってなキブン。


ちばき屋@羽田空港ターミナル2

2008-10-16 16:00:00 | 料理
横浜から福岡へほぼ1日おきの通勤生活。今日は午前中、日本橋で用事があって、昼過ぎの便で移動。ココで軽くラーメン食べてから。

この店は第2ターミナルのノースピアにあって、乗り場でいうと50番台前半のときしか食べるチャンスはない。いつもは朝とか夜の便でだいたい60~64番から出発なので久しぶりというわけだ。
もともと空港の手荷物検査を入った先にラーメン屋があるのも珍しいが、それがまたこういう有名店というのも羽田ならでは。

搭乗案内のアナウスとか、荷物をころがしながら歩いていく人とか、ああいう雰囲気の中で食べるラーメンは、駅のホームの立ち食い蕎麦と同じくらい旅愁を誘ったりして。

『風のガーデン』

2008-10-15 01:12:28 | アート
休みの間にウチのテレビの録画リスト見てたらコレが入っていて、ああまた富良野か、と思いつつ、透き通るような風景に最後まで見てしまった。で、コレに関する話をどこかで読んだなぁ、と思っていたら、今朝また出張で乗ったANAの機内誌に、このドラマの舞台になっている庭を作った人のことが載っていて、ああコレだったと、少しスッキリした。
で、その人は新進気鋭の造園家、上野砂由紀サンで旭川で1600坪の庭、というか農園をやっていて、今回は倉本サンに頼まれて富良野にこの庭を作ったとのこと。チナミにこっちは600坪で撮影を始める1年前から作り始めたらしいのだが、1年でよくあそこまでと思いませんか、そこの奥サン、、ってな感じ。

この庭がこの先、ドラマの中でどういう役割を演じるのかはわからないが、庭ってもともとかなり象徴的なもんじゃないかと思うので、意味深いものになりそうな予感がする。そんな風に思ったのもバーンスタインの作品に make our gardens grow っていう名曲があって、何もない荒れ地に家を建てて二人でそこに庭を作りましょう、みたいな感じで男女の歌手がじゅんとネネみたいに目と目を見つめあって、最後は今にも合体しそうな表情で終わるのだが、そこでは庭は庭でありながら庭以上のものとしてうたわれている。積み立て年金保険、みたいな。

このドラマもそれと同じで、そういう一朝一夕にはできあがらないものを、コツコツと地道に作り上げていって、完成というハッキリしたものもなく、かといって途中で放っておけばすぐにダメになってしまう、そういうものに飢えている現代人の回復願望というか、かなりビョーキにも近い微妙な部分をこの庭というモノをとおしてねらっていると想像され、そこはまあ、さすがというしかない。
中井貴一サンはこの前、新宿で芝居のあと目の前を歩いているのを見て以来、オヂさんのワタシが見てもかっこよ過ぎで、見ているこっちもおしまいのほうはすい臓のあたりが痛くなるほど。
緒形サンについてはあえて触れずにおこう。