展覧会タイトルはyomi exhibition「もう一度言うよ 僕に君の夢の話をしてくれないか?」。
gooブログは、エントリのタイトルは50字以内ときめられているので…。
yomiこと橋本理巳子さんは1981年札幌生まれ。
オーストラリアのメルボルン留学中に、アートに目覚め、札幌に帰ってきてからは個展やグループ展などで活発に発表しています。
2005年から、ライジング・サン・ロックフェスティバル in EZOの会場で、車などに絵を描くパフォーマンスをやっているので、ご覧になった人もいるかもしれませんね。
会場でまず目を引くのが、冒頭の画像の、巨大な“絵本”「僕に君の夢の話をしてくれないか」。
昨年のCAI(現代芸術研究所)でのグループ展で発表した絵本の巨大版です。縦180センチ、横60センチの板40枚(ページ)の、表側にクレヨンでクマの絵を、裏にテキスト(日英併記)をかいています。
読むときは、それぞれのページの上の端がカーテンレールのようなものにつながっているので、右側のブースから左側のブースへと滑らせながら反転させ、めくります(うーん、うまく説明できない。よっこいしょ、っていう感じです。めくるだけで、けっこう重労働)。
それぞれのページは、ベニヤ板に発泡スチロールを重ね、壁紙で覆っています。
これ、つくるの大変だったでしょう?
yomiさんはわらいながら
「大変じゃなかったとは言えないですねえ。でも、これぐらいやんなきゃ、伝わんないから」。
テキストは、みんな夢をあきらめないで、と素直に呼びかける内容です(ちょっと簡略化しすぎかなあ)。
つぎの画像は「大きな世界」。
タイトルのとおり、270×540センチの大作です。
会場のSOSO CAFEに初めて来た人は、お店のもともとの装飾だと勘違いするそうですが、yomiさんが、壁の寸法を測ってから制作にとりかかった作品なのです。
すごい大作であることは認めますが、個人的な好みでいえば、国境線が太い黒線でひかれ、国別に色分けされているのは、ちょっと気に入らないです。
やっぱり、
“Imagine, there is no country.”(John Lennon)
ですから。
まあ、仔細に見ると、アメリカとカナダがいっしょになってたり、台湾やフィリピンがなかったり、国境を越えてるところもあるんですが。
くぼんだところの奥のとびらに、布で作った平面作品「くまちゃん」があるのが見えますね。
絵はほかに、入り口の近くの壁に、極彩色の蝶を描いた「たくさんのものを手にできなかった日」、ニスを塗りこめたところが高幹雄さんを想起させる「蒼い象」、青い色の点がびっしりと蔽う「ラビッチ あお」などがありました。
yomiさんに話を聞きました。
「わたしは、美術の教育も受けてないし、なにも特別な存在じゃない。ただ、やりたい、という気持ちがあるだけ。みんなも、思ったら、できるんだと思う。見た人から『元気をもらった』と言われるとうれしいし、『もらって、あげて』という関係が新しくできるのだと思う。なんかのきっかけになってくれたら、それが私の絵だったら、幸せです」
ニュアンスとか、ちょっとちがうかもしれないけど、だいたいこんな話をしてくれました。
どうも、ありがとう。
見終わって、思ったこと。
yomiさんの絵を突き動かしているものは、ロックの初期衝動にたぶん似ていると思います。
それは、たぶん、いつまでも振り回しているものじゃなくて、いつしか成長とともに変質していくのではないか、と。3コードだけでやってたバンドがだんだん複雑な音楽をやっていくようにね。
そのとき、yomiさんがなお表現したいものは、ナンなのか。
「夢は実現するよ」というメッセージは、正しいとして、じゃあ、yomiさんが実現したい夢の内実って、ナンなのか。
そのへんのことが、きっとこれから課題として出てくるんじゃないのか。
かなりオセッカイですが、漠然と考えたのでした。
2月3日(土)-27日(火)11:00-21:00
SOSO Cafe(中央区南1西13 三誠ビル 地図C)
□サイト“yomiweb”
gooブログは、エントリのタイトルは50字以内ときめられているので…。
yomiこと橋本理巳子さんは1981年札幌生まれ。
オーストラリアのメルボルン留学中に、アートに目覚め、札幌に帰ってきてからは個展やグループ展などで活発に発表しています。
2005年から、ライジング・サン・ロックフェスティバル in EZOの会場で、車などに絵を描くパフォーマンスをやっているので、ご覧になった人もいるかもしれませんね。
会場でまず目を引くのが、冒頭の画像の、巨大な“絵本”「僕に君の夢の話をしてくれないか」。
昨年のCAI(現代芸術研究所)でのグループ展で発表した絵本の巨大版です。縦180センチ、横60センチの板40枚(ページ)の、表側にクレヨンでクマの絵を、裏にテキスト(日英併記)をかいています。
読むときは、それぞれのページの上の端がカーテンレールのようなものにつながっているので、右側のブースから左側のブースへと滑らせながら反転させ、めくります(うーん、うまく説明できない。よっこいしょ、っていう感じです。めくるだけで、けっこう重労働)。
それぞれのページは、ベニヤ板に発泡スチロールを重ね、壁紙で覆っています。
これ、つくるの大変だったでしょう?
yomiさんはわらいながら
「大変じゃなかったとは言えないですねえ。でも、これぐらいやんなきゃ、伝わんないから」。
テキストは、みんな夢をあきらめないで、と素直に呼びかける内容です(ちょっと簡略化しすぎかなあ)。
つぎの画像は「大きな世界」。
タイトルのとおり、270×540センチの大作です。
会場のSOSO CAFEに初めて来た人は、お店のもともとの装飾だと勘違いするそうですが、yomiさんが、壁の寸法を測ってから制作にとりかかった作品なのです。
すごい大作であることは認めますが、個人的な好みでいえば、国境線が太い黒線でひかれ、国別に色分けされているのは、ちょっと気に入らないです。
やっぱり、
“Imagine, there is no country.”(John Lennon)
ですから。
まあ、仔細に見ると、アメリカとカナダがいっしょになってたり、台湾やフィリピンがなかったり、国境を越えてるところもあるんですが。
くぼんだところの奥のとびらに、布で作った平面作品「くまちゃん」があるのが見えますね。
絵はほかに、入り口の近くの壁に、極彩色の蝶を描いた「たくさんのものを手にできなかった日」、ニスを塗りこめたところが高幹雄さんを想起させる「蒼い象」、青い色の点がびっしりと蔽う「ラビッチ あお」などがありました。
yomiさんに話を聞きました。
「わたしは、美術の教育も受けてないし、なにも特別な存在じゃない。ただ、やりたい、という気持ちがあるだけ。みんなも、思ったら、できるんだと思う。見た人から『元気をもらった』と言われるとうれしいし、『もらって、あげて』という関係が新しくできるのだと思う。なんかのきっかけになってくれたら、それが私の絵だったら、幸せです」
ニュアンスとか、ちょっとちがうかもしれないけど、だいたいこんな話をしてくれました。
どうも、ありがとう。
見終わって、思ったこと。
yomiさんの絵を突き動かしているものは、ロックの初期衝動にたぶん似ていると思います。
それは、たぶん、いつまでも振り回しているものじゃなくて、いつしか成長とともに変質していくのではないか、と。3コードだけでやってたバンドがだんだん複雑な音楽をやっていくようにね。
そのとき、yomiさんがなお表現したいものは、ナンなのか。
「夢は実現するよ」というメッセージは、正しいとして、じゃあ、yomiさんが実現したい夢の内実って、ナンなのか。
そのへんのことが、きっとこれから課題として出てくるんじゃないのか。
かなりオセッカイですが、漠然と考えたのでした。
2月3日(土)-27日(火)11:00-21:00
SOSO Cafe(中央区南1西13 三誠ビル 地図C)
□サイト“yomiweb”