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真鍋敏忠水彩画展(8月10日まで)

2006年08月06日 07時42分57秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 真鍋敏忠さんのサイトをちょくちょく読んでいるのですが、68歳とは思えぬ行動力には脱帽させられます。富良野へスケッチに行くために、朝3時に起きて4時に出発し、日帰りとか、車にキャンプ用具を積んで道東北を何百キロと走ることも珍しくありません。それで、「帰ってから疲れを感じることはないです」とおっしゃるのですから、たまげます(こちらは、札幌市内を歩き回っているだけで憔悴しているのに…)。
 今回は、そうやって全道を走り回って、すべて現地で制作した水彩画のうちから、80点を展示しています。(岡山県で描いた作品もあります)
 真鍋さんはもともと高校の英語教師で、現役時代は趣味で油彩を描くかたわら、先生方の機関紙などにカットを描いていました。近年は水彩に転向し、サクランボなどの静物や、道内をメーンにした風景を描いています。
 風景画は、やや大きいサイズのものは、ペンで輪郭を丁寧に描き、小さめのものは鉛筆であたりをとっています。
 全体的には、色が薄くなってきたという印象です。
「すべてを描くのではなく、抜くことを覚えてきた」
と真鍋さんはおっしゃいます。
 道庁赤レンガ、小樽運河、明日萌駅などいろんな絵がありますが、筆者が目を見張ったのは、朝の塘路湖。ひんやりとした朝まだきの湿原の空気感がつたわってくるようです。

 今回の個展でひときわ目立つコーナーになっているのは、富良野の「北の国から」ゆかりの地を描いた一連の作品でしょう。
 冒頭の画像は、そのうちの1点、布部駅です。
 この高名なテレビドラマは、根室線のこの駅から始まるらしいのです(真鍋さんも筆者もじつは見ていない)。
 真鍋さんが筆を走らせていると、富良野の観光協会の人に声をかけられ、ほかの「石の家」「拾ってきた家」なども頼まれて描くことになったそうです。
 どうも真鍋さんは、制作中に話しかけられやすいタイプのようです。いろいろな出会いがあったとしみじみ語っておられました。  

8月4日(金)-10日(木)10:00-18:00(最終日-16:30)
コンチネンタルギャラリー(中央区南1西11、コンチネンタルビル地下1階 地図C

□真鍋敏忠アートギャラリー


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2 コメント

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暑いですね (川上)
2006-08-06 16:33:13
連日30度を超そうかという中での個展となりましたとのことです。

コンチネンタルでは毎回10月に個展を開いておられるそうですが、今回は会場の都合もありこの時期になったとのことでした。

A,B両室を使ったこの展覧会は実に壮観で、私は真鍋さんの個展を初めて観るのですが画面の隅々まで丁寧に仕上げられているのは好感が持てます。色のアクセントも決めている。画材に日本画顔料も併用しているとのことで、メリハリがあるのもうなずけます。

淡墨で面相の線描を効かせた作品は実に穏やかなのびのびとした線で作者の人柄を偲ばせます。



取材の様子は作者webによって詳細に記されていますが、ヤナイさん同様私も驚いた精力的な行動です。

現場主義という言葉がありますが、厳しい環境の現場で積み上げられた結果は見るものに深い感動を与えるものです。作家の人気があるのはこのストイックな姿勢を頑固に貫いているということもあるのだと思います。

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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2006-08-07 09:57:18
 川上さんこんにちは。

 額装して展示し切れてない作品があるといいますから、真鍋さんのエネルギッシュな活動ぶりには驚かされますね。

 画材に話が及ぶのは川上さんらしいですね。参考になります。
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