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スクラップアート美術館と佐佐木方斎展…7月23日の日記・3

2006年07月24日 12時08分13秒 | 展覧会の紹介-現代美術
土、日曜と祝日のみに開いているスクラップアート美術館(岩見沢市栗沢美流渡若葉町2の3)に、2年ぶりに行ってきた。ここは、廃品を再利用してゆかいなオブジェを作る札幌のM.ババッチさん(日本人です)のアトリエ兼作品展示場となっている。
 うーん、2年前よりも作品が増えているような気がするなー。
「(奥さんからは)もう作るなって言われてるんですよ。ここに400点、自宅にも300点ぐらいあるし。死んだらぜんぶ捨てるから、これ以上増やすなって」
 でも、そこはアーティストだから、材料があったら作っちゃいますよねえ。
 古いミシンをつかった飛行機や、計器類・水道管を再利用した人の顔、ピアノの一部を利用したライオンなど、わかりやすくて、くすりと笑ってしまうたのしい作品の数々は、せがれ(7歳)と娘(5歳)にも好評でした。

 なお、入場料はおとな100円、こども50円。
 展示場にある作品は随時入れ替えているそうです。

 ところで、1階の展示スペースでは、佐佐木方斎/版画展 抽象画家「格子群」がひらかれている。



 佐佐木さんとは、筆者は一度もお会いしたことがない。
 1980年代には、各種の前衛的なグループ展に加わり、佐賀町エキジビットスペースでのアーティストネットワーク(87年)にも出ている。
 筆者の印象にのこっているのは、85年から86年にかけ、隔月刊誌「美術ノート」をほとんど独力で発行したことである。
 年譜には、89年の二人展が最後に記載されており、その後は長い沈黙の時期に入る。
 ババッチさんによると、重い病気だそうで、これが最後の展覧会になるという覚悟でひらいたという。

 会場には、おなじ形態で色が異なる、抽象画のシルクスクリーン10点が整然とならび、つぎのような文章が掲げられていた。
 正方形の平行移動と回転移動、この二つの変換によって与えられる構造の上に、現在までの、私の絵画は定位している。一点一点の絵画は独立した存在であるとともに、それぞれの変換にしたがって群をなし、包括される。
 平行移動は格子群をなし、回転移動は余剰群を形成する。しかし、明確な構造に規定された絵画が必ずしも限定的な所与とはならない。絵画はイメージであると同時に物体であるがゆえに、制作の過程において、私の意図する以外の、限りなく多くの与件が参入してくる。そして作り手は、それらのすべてに対して、自らの意図の帰結として、絶対の責任を負わなければならない。偶然との否応なしの交感が始まり、いつまでたっても絵画は確定しない。こうして、錯覚者は未完の絵画との対面を余儀なくされるのだ。


 □ババッチさんのサイト

スクラップアート美術館の、だいたいの位置


(2009年4月2日、誤字を訂正しました)


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